Twitter大規模ハッキング事件のオンライン公聴会でポルノ動画が爆音で流れる「Zoom爆撃」がさく裂
大手企業や著名人のTwitterアカウントが一斉にハッキングされてビットコイン詐欺のツイートが投稿された大規模ハッキング事件の首謀者として、17歳の男性が2020年7月31日に逮捕されました。この高校生に対して、オンラインビデオ会議ツールのZoomオンライン公聴会が2020年8月5日に行われましたが、「Zoom爆撃」がさく裂してめちゃくちゃになってしまい、中止になってしまったと報じられています。
Alleged Twitter teen hacker’s hearing got zoombombed big time - The Verge
https://www.theverge.com/2020/8/5/21355746/twitter-hack-teen-hearing-zoombombed-zoom-call-judge
Zoombomber crashes court hearing on Twitter hack with Pornhub video
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/08/zoombomber-crashes-court-hearing-on-twitter-hack-with-pornhub-video/
2020年7月中旬に発生したTwitterの大規模ハッキング事件では、テスラのイーロン・マスクCEOやMicrosoft創業者のビル・ゲイツ氏、バラク・オバマ元アメリカ大統領など、著名人のアカウントが複数ハッキングされ、ビットコイン詐欺のツイートが投稿されたというもの。首謀者であるとして逮捕されたのはアメリカ・フロリダ州在住のグレアム・アイバン・クラーク容疑者で、高校生はTwitterの従業員に対してソーシャルエンジニアリングをしかけてTwitterの管理ツールを入手したとされています。
Twitter史上最大のハッキング攻撃を仕掛けたとして17歳の青年が逮捕・起訴される - GIGAZINE
新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、公聴会は裁判所ではなく、オンライン上で行われることとなりました。フロリダ州第13裁判所は「この公聴会はZoomを使って行われ、公聴会へのアクセスにはパスワードは不要」と公表しました。
しかし公聴会では、弁護士や検察の主張にかぶせるように、公聴会に参加した荒らしがPornhubにアップされているポルノムービーを大音量で流したり、下品な言葉を繰り返すラップを流し続けるという「Zoom爆撃」を展開。公聴会は何度も中断する羽目になったとのこと。実際の公聴会の様子は以下のムービーから見ることができます。
Ayooooooo!!! Hacker from my city peep the live stream!!! #Hacker #HackerTampa ???????????? @KEEMSTAR enjoy !! pic.twitter.com/qh1OjwPaKb
— Jay Negron #OTOD (@JayCesar_sB) August 5, 2020
クリストファー・ナッシュ判事は、迅速に公聴会からZoom爆撃を行う荒らしを追い出すよう命令を下しましたが、荒らしは何度も公聴会に参加。そのため、結局ナッシュ判事は新しい決定を下すことができず、公聴会は中止となりました。また、ナッシュ判事は「今後のオンライン公聴会は必ずパスワードを設定する」とコメントしたそうです。
Zoom爆撃を行った荒らしは公聴会が中止になる寸前に、クラーク容疑者だけではなく、Twitter大規模ハッキング事件に関与しているとして2020年7月31日に起訴された2人のハッカーについても釈放することを求めるメッセージを残しました。
なお公聴会では、クラーク容疑者がビットコイン詐欺を行ったのは今回のTwitter大規模ハッキング事件が初めてではなく、400万ドル(約4億2000万円)相当のビットコインを所有していることが検察によって指摘されています。
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