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ウェブ生みの親が語る「何十年も変える必要のないURI」を作成するためのポイントとは?


ウェブサイトを作成するにあたってURIの作成は避けられない要素ですが、「長期間運営することを前提としたURI」をあらかじめ考えておかないと、分類がしづらくなったり、環境の変化でURIを変更しなければならなくなったりと、後になって面倒が生まれてしまいます。ウェブサイトを長期間存続させるうえで、どのようなURI作成のルールを設けるべきかをWorld Wide Web(WWW)の考案者であるティム・バーナーズ=リー氏が解説しています。

Hypertext Style: Cool URIs don't change.
https://www.w3.org/Provider/Style/URI

例えば、アメリカ国立科学財団(NSF)のオンラインドキュメント検索ページでは、過去に「http://www.nsf.gov/cgi-bin/pubsys/browser/oldbrowse.pl」というURIが採用されていました。NSFのURIに対して、リー氏は「どう見ても将来同じURIでアクセスできる保証がない」とコメント。スクリプトで生成されたページは「cgi-bin」に配置されなければならないという固定観念や、「oldbrowse」という名前の付け方と「.pl」の拡張子から、NSFにおけるサーバー運用のルールを察することができ「あまり良いURIではない」とリー氏は指摘しています。

一方で、NSFのhtmlドキュメントアーカイブの運用は非常に優れているとのこと。NSFの「暗号学とコーディング理論に関するワーキンググループの報告」というアーカイブのURIは「http://www.nsf.gov/pubs/1998/nsf9814/nsf9814.htm」で、「pubs/1998」というヘッダーは「1998年の古い文書分類」であることを示す手掛かりとして有効です。「nsf9814」というナンバリングは、NSFが2098年まで運用されていれば支障をきたす恐れがあるものの、既存のアーカイブ名は変更せず2098年のナンバリングだけ調整すれば大した問題はないとリー氏は述べました。


なぜ「変更の必要がないURI」を考えなければならないのかというと、もしサーバー上のURIを変更した時、「古いURIを知っているユーザー全員にURIの変更を知らせることは不可能であるため」だとリー氏は語っています。ウェブサイトに貼られたリンク、ブックマーク登録をしている人々、紙にURIをメモ書きしている人など、さまざまな形でURIがばらまかれている可能性があるということです。

もし古いリンクを使ったユーザーがアクセスできなかったら、サーバー所有者に対する信頼感が失われてしまいます。URIが何十年たっても正常に働くよう設定することは「管理者の義務です」とリー氏は主張。URIが変わってしまう原因は、「URIに含まれる何らかの情報が変わってしまう場合」がほとんどであるため、URIからは無駄な情報をなるべくそぎ落とす必要があります。


「ドキュメントの作成日」や「URIが設定された日付」は変わらない情報の1つであるため、URI作成の良い出発点であるとリー氏は述べています。ただし、意図的に「最新情報」を置くページを設ける場合は注意が必要。例えば、過去に「Money」という雑誌のコラム「Money daily」の最新版が置かれていたURIは「http://www.pathfinder.com/money/moneydaily/latest/」で日付の要素は入っておらず、過去のアーカイブには「http://www.pathfinder.com/money/moneydaily/1998/981212.moneyonline.html」という風に日付が付与されていました。なお、Moneyのコラムを見ることができた「http://www.pathfinder.com」は1999年4月に閉鎖され、アクセスできなくなっています。

リー氏は、「作者名」や「アクセス権」、最新・ドラフト版といった「状態」、拡張子や使用しているツールといった「ソフトウェア情報」など、変化する可能性のある要素を「URIに含めるべきではない文字列」として挙げています。実際にリー氏らが運営するWeb技術の標準化を行う非営利団体・World Wide Web Consortium(W3C)では、会議議事録として「http://www.w3.org/1998/12/01/chairs」というURIを使用しています。


「URIを2年、20年、200年、あるいは2000年維持するのは簡単なことではありません。しかし、ウェブ全体において、管理者たちは将来自分の首を絞めかねない決断を日々行っています。なぜなら、管理者たちが使っているツールが今の時点においてベストと思えるような働きをするものだからであり、『何年も後に状況が変わってしまったらリンクはどうなってしまうか』を誰も検証しようとしていないからです。私が伝えようとしているメッセージは、『非常に多くの物事が変化するものである』『URIは変更の必要がないよう設計できるし、そうすべきである』ということです」とリー氏は語っています。

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in ソフトウェア, Posted by log1m_mn

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