ポルシェが3Dプリンター活用でピストンの10%軽量化&性能向上を実現
ポルシェでは以前から旧車向けのスペアパーツやプロトタイプモデルの生産などで3Dプリンターを用いてきましたが、このたび、「911 GT2 RS クラブスポーツ」のピストンについても3Dプリンターで出力されたものが使用されることになりました。
Porsche Press releases: Innovative pistons from a 3D printer for increased power and efficiency - Porsche AG
https://www.porsche.com/international/aboutporsche/pressreleases/pag/?pool=international-de&id=596811
Innovative pistons from a 3D printer for increased power and efficiency
https://newsroom.porsche.com/en/2020/technology/porsche-cooperation-mahle-trumpf-pistons-3d-printer-power-efficiency-911-gt2-rs-21462.html
Porsche Found a Way to 3D-Print Lightweight Pistons That Add Even More Horsepower - The Drive
https://www.thedrive.com/tech/34775/porsche-found-a-way-to-3d-print-lightweight-pistons-that-add-even-more-horsepower
3Dプリント技術では、作用する荷重に対して最適化された構造のピストンが製造可能とのこと。このピストンは鍛造した量産品より10%軽量で、ピストンクラウンにはこれまでの方法ではつけられなかった一体化した密閉型冷却ダクトが設けられています。
素材の元となるアルミ粉末はドイツの部品メーカー・マーレから調達したもので、3Dプリンターはトルンプのものを使用。積層造型技術「レーザーメタルフュージョン」が用いられています。
作られたピストン
パワーユニットプレ開発部で3Dプリント技術を専門にしているフランク・イッキンガー氏は、「新たな軽量のピストンのおかげで、エンジン回転数を上げると同時に、ピストンの温度負荷を下げ、燃焼を最適化することができます」と語り、「700馬力のビターボ(ツインターボ)エンジンからさらに30馬力を得られるようになり、効率も向上します」と付け加えました。
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