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「知能」とは一体何なのか?


例えば犬などは「高い知能を持っている」といえるものの、「『知能』とは何なのか?」を説明することは困難です。そんな「知能」について、科学的系YouTubeチャンネルのKurzgesagtがアニメーションムービーでわかりやすく解説しています。

What Is Intelligence? Where Does it Begin? - YouTube


加速器や詩作、ポケモンなど、今まで人類が生み出してきたものには誇れるものが多数存在します。そのようなものを生み出せたのは、人類が極度に高い「知能」を有しているからです。


人は知能を「身長」や「ちから」のような特性だと考えています。しかし、知能の定義は非常に曖昧です。


ごく簡単に言ってしまえば、知能とは「問題を解決するメカニズム」のことです。問題とはさまざま考えられますが、特に重要なのは「食べ物を得る」「安全な場所を探す」「子孫を残すために競争相手に打ち勝つ」「捕食者から逃げる」などの生き抜くことに関する問題です。


知能は単一の能力ではなく、知識を得る能力や学習能力、創造力、戦略を立てる能力、批判的思考を行う能力などが複数組み合わさった能力です。


生物学的反射のような本能に根ざした行動やさまざまなレベルの学習、ある種の意識の中に、知能の存在を確認することができます。


しかし、「どこから知能が生まれるのか」「どの概念を知能として分類するのか」といった問題について、科学者の見解は一致していません。


知能は「意識」にも密接に関連しているため、問題はさらに複雑です。


なので今回は、知能をいくつかの技能の集合だと考えることにします。知能の中でも最も基礎的な要素は、「知覚する」「記憶する」「学習する」という3つの技能です。


生き物は自身の五感を使って周囲を「知覚」することができます。


しかし、五感だけでなく、空腹や疲労などの内的な情報を認識し続けることも生きるためには重要です。これらの情報を得られなかったとしたら、生存は運任せなものになってしまいます。


「記憶」は集めた情報を保存して思い出すという能力です。記憶能力を有していれば、出来事や場所、関係性などの情報を覚えられるだけでなく、「狩りのやり方」「食料を収集する方法」なども覚えておけます。


しかし、「空を飛ぶ」などの行為はうまくできるようになるまで反復練習が必要です。その際には、一連の思考や行動を変化させて適応する「学習」が重要になります。知覚・記憶・学習の3つの能力があれば、かなり賢い生き物といえるかもしれません。


一方、知覚・記憶・学習が可能なモジホコリという多核体の単細胞生物もいます。


モジホコリと匂いの強いエサを容器の中に入れて、間に迷路のような障害物を置くと……


エサの匂いをたどってモジホコリは迷路に管を広げ、最終的にエサとの最短距離をつなぐ管だけを残して、それ以外の部分を衰退させます。


この行動はモジホコリの本能に基づくものであるため、モジホコリも知能を持っているかのように見えるものの、科学者はモジホコリが知能を有しているとは認めていません。


適応する知能の高い生き物の好例は、ハチです。


「カラーボールをゴールに入れたら砂糖水がもらえる」という訓練をマルハナバチに行ったところ、マルハナバチは自然に生きていれば決して行うことのない「カラーボールをゴールに入れる」という行為を覚えることがわかりました。


さらに高度な問題を解く能力を持つ生き物もいます。アライグマは人間の食べ物を得るために、窓を開けたり、鍵を開けたりすることがわかっています。


研究によると、アライグマは掛けがね式・かんぬき式・プラグ式・押し棒式の錠ならば、試行回数10回以内で解錠できる上に、複数の錠を組み合わせても問題なく開けられるとのこと。さらに、一度解錠方法を学習したアライグマは、1年後もその方法を記憶しており、解錠速度も遅くならないそうです。


さらに知能が進化すると、「創造性」を獲得します。創造性のある生き物は、明らかに無関係な事象から新しく価値のある何かを生み出すことができます。


「水の入った筒に浮かんだマシュマロを、石を筒に投げ入れて水位を上げることによって取る」というアライグマの実験では……


創造性を発揮したアライグマが、「筒を倒してマシュマロを取る」という行動を取ったことが確認されています。


創造性の次なるステップが、「道具の使用」です。


霊長類は木の中のシロアリをつり上げるために棒を使い……


タコは「持ち運び可能なアーマー」として、ココナッツの殻を使うことが知られています。


後で使うために素材を集めるという行為は、「計画する」ことにつながります。計画とは、目的を達成するために必要な工程について考え、それらを組み立てるという能力です。


リスは採ったエサの一部を地面に埋めるという習性が知られていますが、見られていると感じた際には「エサを埋めるフリ」を行います。


エサを埋めるフリをすることで、埋めたエサを横取りしようとするリスを欺き、「本当に埋めた場所」を隠すことができます。これは、「他者の思考を考える」という非常に高度な知性をリスが有していることを示しています。


問題が複雑化するにつれて、問題を解くためには幅広い知能が必要になります。しかし、「問題の複雑さ」は動物によって異なります。例えばリスは雑食性で、自分のテリトリーを守る習性を持っています。そのため、リスにとっては「エサがどこにあるかを記憶すること」や「ライバルをだますこと」が生存率を高めるために重要です。


一方、草食性で群れを成して生きる習性を持つヒツジは、社交性に関する能力に秀でています。ヒツジは仲間の認識し、顔を覚えることが可能です。さらにヒツジは、人間の顔も覚えることができます。


リスとヒツジはそれぞれ異なる知能を進化させてきたということです。


そして人類は、「文化」という全く別種の知能を発展させてきました。


たった1人でロケットや加速器を作り上げられる人間は存在しません。


人類は「協力する」「世代を超えて知識を共有する」という能力を有したことで、「個」を上回る能力を手にするようになりました。


今や人類は地球を好きなように作り替える能力を有しています。しかし人類の発展に伴って、地球温暖化や抗微生物薬耐性などの新たな問題が登場しています。


新たな問題に立ち向かうためには、短期的な利益にばかり目を向けるのをやめて、遠く離れた未来について考えるべきです。人類には知能があります。後はそれを使うだけです。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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