新型コロナ対策にNBAが選手に支給した「Oura Ring 2」をバラバラに分解するムービー
新型コロナウイルスの影響で2020年3月11日から中断していたNBAの2019/2020シーズンが、7月30日から再開されます。これに伴い、新型コロナウイルス感染症への対策として、選手には指輪型のアクティビティトラッカーである「Oura Ring」が支給されることが発表されています。そんなOura Ringの最新モデルである「Oura Ring 2」を早速iFixitがバラバラに分解しています。
Oura Ring 2 Teardown: Inside the NBA’s COVID-19-Detecting Smart Ring - YouTube
iFixitでリード分解エンジニアとして働くジェフさんが右手の中指にはめているのがOura Ring 2です。
NBAが選手に配布したことでも話題となった指輪型のアクティビティトラッカーです。
着用者の複数のバイタルサインを監視することが可能なだけでなく、睡眠パターンをチェックすることもできるというウェアラブルデバイスとなっています。
ジェフさんは「長年さまざまなデバイスを分解してきましたが、テクノロジーファンとして純粋にどのようにして機能しているのかを確かめてみたい」と語っています。
Oura Ring 2をX線写真で撮影し、内部構造を確認しています。
まずは万力にOura Ring 2を固定。
指輪の形が変形するくらいに強く締め付けて……
ヒートガンで熱します。これでOura Ring 2の内側にある基板とポリマーコーティングが変形し、筐体部分から取り外しやすくなるはず、というのがジェフさんの主張。
ただし、うまくいかず。
そこで、次はナイフを使って内側の回路基板を直接カットします。回路基板は医療グレードのプラスチック材料でコーティングされているとのこと。
切り込みを入れたら針のようなもので基板部分の切り込みを大きくします。
続いてアルコールを準備して……
Oura Ring 2を投入。
取り出すと筐体から基板部分が外れかけているので、あとは強引に基板を取り外します。
基板部分を取り外すとこんな感じ。
リボンケーブルなどを外すと……
基板部分にバッテリーのラベルを発見。3.7V 21mAh 0.0777Whという非常に小さなバッテリーで、中国メーカー製のもの。
円形の回路基板はヒートガンで熱して柔らかくして……
平らに加工。
指側を向いている回路基板には3種類のセンサーが存在します。赤丸部分には赤外線受信機付きのLEDセンサー、オレンジ色の丸部分にはパルスオキシメータ、黄色の枠部分には加速度計とジャイロスコープ、温度センサーがあります。
回路基板の裏側がコレ。赤枠部分にはBluetooth Low Energyに対応した電源付きのデュアルコアマイクロコントローラー、オレンジ枠部分にはテキサス・インスツルメンツ製のバッテリー管理チップがあります。
これ以上細かく分解することができませんが、X線写真で確認するとバッテリー部分に充電用の誘導充電コイルを見つけることができます。
Oura Ring 2はワイヤレス充電に対応しており、充電ドック側のX線写真はこんな感じです。
Oura Ring 2は分解が困難で、修理が不可能な「使い捨てのスマートリング」とジェフさんは評しています。
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