280万回以上も再生された「物理的に社会的距離をあけることが可能な自転車」を作ってしまったムービー
公共交通機関による新型コロナウイルスの感染拡大を避けるため自転車に乗る人が急増していますが、ウイルスの感染対策としては他の自転車とは10mも距離を保つ必要があると指摘されるなど、自転車の利用にもさまざまな困難が伴います。そこで、YouTuberでありながら発明家・ギネス記録保持者・スタントマン・配管工でもあるという異色の経歴の持ち主であるコリン・ファーズ氏が、「物理的に社会的距離を拡大させる自転車」を製作し、そのメイキング映像を公開しています。
The Highcycle - Social Distance Bike - YouTube
ムービーが始まると、外出できず退屈に苦しむファーズ氏が壁に頭をぶつけたり……
トロンボーンを吹いたりして退屈を紛らわせようとしている様子が映し出されます。
ファーズ氏は、この有様を「#lockdownbreakdown(ロックダウンで理性崩壊)」と呼んでいます。
あまりの退屈さに耐えかねたファーズ氏が目を向けたのが自転車です。しかし、ファーズ氏は「今のところ運動のためなら外に出ていいことになっていますが、私たちがくっつきすぎていたらその運動まで禁止になってしまうかもしれませんよね」と心配します。
そこで、「ちょっとした工夫で、運動ができる上に物理的に人と距離をあけることもできるようにしてしまいましょう」とファーズ氏。
アイデアはシンプルで、「座る位置が高い自転車を作ってしまう」というものです。
まずはしっかり寸法を測ってから……
自転車のフレームを切断。
きれいに真っ二つになりました。
続いて、もう1台の自転車を分解して、部品として使用できるようにします。
金属管を使って、フレームを切断した自転車の前輪部分をもう1台の自転車に接続してみると、ファーズ氏がやろうとしていることが見えてきました。
追加で金属管を準備。
しっかり角度を計算して……
溶接していきます。
おどけながら作業を進めて行くファーズ氏ですが……
仕事っぷりは精巧そのものです。
だんだんと全体像がはっきりしてきました。
さらにテキパキと溶接作業を進めて……
完成。
名前は、BICYCLE(自転車)ならぬHICYCLE。
SOCIAL DISTANCE(社会的距離)を体現したかのような自転車です。
さっそく外に持ち出すファーズ氏。
HICYCLEに乗るには、まず車体を壁に立てかけてからフレームをよじ登って……
サドルに座ります。
座り心地を確かめたら、ファーズ氏は意気揚々とこぎ出しました。
見た目に反して車体は安定しており、問題なく90度曲がることが可能。
視界はかなり高めです。
ファーズ氏がネクタイをたなびかせながら住宅街を走ると、多くの住民の注目とスマートフォンのカメラが向けられました。
住民のスマートフォンで撮影されたファーズ氏の姿がこれ。
ファーズ氏も「社会的距離が笑顔をもたらしてくれます」と満足げです。
もちろん不要不急の外出をしているわけではありません。日用品店の看板を利用してHICYCLEから降りたら……
食料などを購入。
袋は結束バンドで自転車にくくりつけるので、落とす心配はありません。
自宅に到着するなり、買った食料を2階の部屋に直接投げ入れるファーズ氏。
当初の目的だった青空の下での運動も満喫しました。
なお、ファーズ氏は6年ほど前にも4.5mの高さの自転車を作っています。
「私は臆病者ではありません」というファーズ氏でも、4mを超える自転車の運転は少し怖かったとのこと。
ファーズ氏がこの小屋でものを作るムービーを公開し始めてから10年の節目を迎えつつあるとのことですが、まだまだいろいろなものに挑戦していくつもりだとのことでした。
・関連記事
Amazon Alexaを使って音声操作の火炎放射器を実現した猛者が登場 - GIGAZINE
新型コロナウイルスの影響で自転車に乗る人が急増したことが判明 - GIGAZINE
人の後ろを歩く際は4~5メートル、自転車は10メートル離れる必要ありと新型コロナウイルス感染対策の新たな論文で指摘される - GIGAZINE
新型コロナウイルス対策に有効な「社会的距離をとるための具体的な方法」を専門家がわかりやすく解説するムービー - GIGAZINE
徒歩または自転車での通勤は労働者の幸福と生産性をアップする - GIGAZINE
くしゃみの飛沫は8メートル先まで届くと判明、「推奨される社会的距離を2メートルから広げるべき」と主張する専門家も - GIGAZINE
・関連コンテンツ