歯と同じサイズの結石が男性の歯茎に見つかる
レントゲン検査によって、男性の口腔に歯と同じサイズの巨大な影が発見されました。この影は診断当初は親知らずだと思われていましたが、唾液によってできる結石である「唾石」が巨大化したものだと判明しました。
Giant sialolith mimicking an impacted tooth | BMJ Case Reports
https://casereports.bmj.com/content/13/2/e233434
Giant Salivary Stone Growing in Man's Mouth Was So Big It Was Mistaken For a Tooth
https://www.sciencealert.com/this-patient-grew-a-salivary-stone-so-giant-dentists-thought-it-was-an-intrusive-molar
患者である37歳の男性は右下顎の断続的な痛みのため地元の個人病院を訪れました。患部は腫れ上がっており、あまりの痛みに触診を拒絶するほどで、口も1.5cmほどしか開けないという状況でした。これを受けて個人病院の歯科医は、痛みの原因が顎の中に埋まった埋伏歯によるものだと診断。外科手術のできる病院に紹介状を書きました。
男性が病院で口腔部レントゲン検査を受けたところ、歯と同じサイズの影が見つかりました。以下が問題のレントゲン。男性の右下顎(画像では左下側)に楕円形の影が映っています。この影の実際の大きさは約2cmとのこと。
病院の医師は当初この影を親知らずだと考えましたが、さらなる調査のために超音波検査を実施。その結果、問題の影が歯ではなく巨大な「唾石」だと判明しました。その後、外科手術で問題の唾石は除去されました。
今回発見されたものではありませんが、唾石は以下のような見た目をしています。以下の画像は摘出直後で血が付いているためサムネイルにはモザイクをかけていますが、クリックするとモザイクなしの画像を見ることができます。
唾石は唾液を分泌する唾液腺の内部や唾液腺から出た唾液が流れる導管の中に形成される結石です。サイエンス系ニュースサイトScienceAlertによると、唾石がリン酸カルシウム・炭酸カルシウム・塩・タンパク質・マグネシウム・カリウム・アンモニアなどで構成されていることは判明していますが、「なぜ唾石ができるのか?」という原因については諸説あり、「体が重炭酸塩を多く含む唾液を生成するとできる」という説や、「唾液管に微生物が詰まるとできる」という説などがあるそうです。
唾石は1cmにも満たないものが大半とのことですが、3.5cmもの大きさの唾石が2015年にトルコで報告されたこともあります。2008年にカリフォルニア大学デイビス校附属病院が報告した症例は、以下の画像のように顎の下に埋まった最大直径2.6cmの唾石。この症例の男性は、同じ位置に繰り返し唾石が形成されてしまうという体質だったそうです。なお、唾石は通常、外科手術で除去可能。2008年の症例や2016年の症例も、外科手術で唾石を除去しています。
唾石は毎年成人全体の約1.2%に発見されており、特に40代・50代・60代の男性に多く見られるとのこと。一度唾石が発見された人は再発の危険性が高いため、専門医は確認のために定期的に検査を受けることを推奨しています。
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