ソフトウェア

GoogleのピチャイCEOが「AIは規制されるべき」と主張

by Alex Knight

AIや機械学習の分野で活躍を見せるGoogleとその親会社であるAlphabetでCEOを務めるサンダー・ピチャイ氏が、「人工知能を規制する必要がある」という声明をイギリスの経済誌Financial Timesで発表しました。

Why Google thinks we need to regulate AI | Financial Times
https://www.ft.com/content/3467659a-386d-11ea-ac3c-f68c10993b04


Alphabet, Google CEO Sundar Pichai calls for AI regulation - 9to5Google
https://ww.9to5google.com/2020/01/19/sundar-pichai-ai-regulation/


Alphabet CEO Sundar Pichai says there is ‘no question’ that AI needs to be regulated - The Verge
https://www.theverge.com/2020/1/20/21073682/ai-regulation-google-alphabet-ceo-sundar-pichai


ピチャイCEOは「歴史には、技術の美徳が保証されない例がたくさんあります」と語り、「AIを今規制する必要があることに疑問の余地はありません。非常に重要です。ただ問題なのはそれへのアプローチ方法です」とコメント。新しい技術によってメリットだけではなくデメリットも生まれた例として、内燃機関が発明されたことで人ははるか遠くまで旅行することができるようになった反面で多くの交通事故も引き起こされるようになったことや、近年ではインターネットの普及によって誤った情報が拡散されやすくなったことが挙げられました。

AIの規制を達成するために、ピチャイCEOは「国際的な連携はAI規制の国際標準を機能させるために必要であり、特にEU一般データ保護規則(GDPR)はAI規制の強力な土台となります」と主張。「優れた規制の枠組みは、適切な方法で適切なツールを開発することを保証するために、安全性、説明可能性、公平性、説明責任を考慮します。また、合理的な規制は、特にリスクの高い地域における潜在的な有害性と社会的機会とのバランスをとりながら、バランスのとれたアプローチをとらなければなりません」と述べました。

by Alexander Sinn

例えば、AIを利用して心臓の状態をモニタリングする機器の場合、従来の医療業界における規制の枠組みがよくできているため、最初から程よく規制されているとピチャイCEOは評価しています。一方で、自動運転車については政府に「関連する全ての費用と便益を考慮した、適切で新しいルール」の確立を求めています。

また、軍用にドローンで撮影した映像を解析する技術の開発にGoogleが関わっていた件で、Google内外から厳しい批判が出たことについて、ピチャイCEOは2018年7月に発表した「GoogleのAIについての原則」をGoogleにおける規制の枠組みの1つとして取り上げました。また、実際にこのAIの原則に基づき、Googleは顔認識技術を販売提供していないと語りました。

Googleはペンタゴンが開発するドローン用の映像解析AIを極秘で手伝っている - GIGAZINE


ピチャイCEOは「Googleは、さまざまな問題を一緒にナビゲートする際の専門知識や経験、ツールを提供することで、規制当局への有益かつ熱心なパートナーになりたいと考えています」と述べ、「AIは何十億もの人々の生活を改善する可能性があります。誰もが恩恵を受けられるような方法で責任を持って開発されるようにすることで、未来の世代に私と同じようにテクノロジーの力を信じてもらうことができます」と語りました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Googleが「瞬時に天気予測が可能なシステム」を開発 - GIGAZINE

囲碁AI「AlphaGo」に敗北した世界チャンピオンが「AIを負かすことはできない」と棋士を引退 - GIGAZINE

Googleの親会社Alphabetが時価総額1兆ドルに到達 - GIGAZINE

「Googleがスマートスピーカーに関する特許を侵害した」とオーディオ企業がGoogleを提訴 - GIGAZINE

Googleの元国際関係責任者が退職、「Googleは邪悪になってしまった」と退職の理由やGoogleの内情を暴露 - GIGAZINE

「AI」を名乗るサービスの多くがまがい物であるという主張 - GIGAZINE

in ソフトウェア, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.