Googleが2019年に実現させた12個の革新
Googleが1年間を振り返り、2019年にスタートさせた事業や特筆すべき出来事などを公式ブログにまとめています。
2019 in review: Stories from Google this year
https://blog.google/inside-google/working-google/2019-review-stories-google-year/
◆1:地域への投資
Googleのキャリア支援事業「Grow with Google」では、2019年4月にGoogleラーニングセンターがニューヨークにオープンしたのを皮切りに、50あるアメリカの全州に図書館が設置されました。また、アメリカ西海岸にあるサンフランシスコ近郊では、住宅費の高騰による住宅危機が問題となっていることを受けて、Googleはベイエリア最大の企業の1つとして同地域に2万戸の家屋を供給し、中低所得者に提供しました。
Googleはアメリカだけでなく、チリ、インド、メキシコ、ナイジェリアなどの世界各地で、インターネットへのアクセスやITリテラシーの向上を目指した取り組みを展開しているとのこと。
◆2:次世代の育成
Googleは未来を担う若者への支援にも力を入れており、その代表的な施策が学生向けのコーディング教室である「Code with Google」です。また、若者による農業振興を目指す非営利団体4Hクラブの教育助成金制度をサポートしたり、学生向けのSTEM教育プログラムを実施したりして、若者にコーディングやさまざまな分野のスキルを身に付けてもらう機会を提供しています。
◆3:地球環境保護の取り組み
Googleは2019年9月に20億ドル(約2188億円)を投じて、欧米や南米地域に風力発電と太陽光発電を新規導入しました。これは、企業による再生エネルギー事業としては史上最大規模だとのこと。
また、2022年までに全てのGoogle製品をリサイクル可能素材にする取り組みや、大気汚染を追跡し地理情報にまとめるProject Air Viewなどにより、ハードとソフトの両面から地球環境への負担を減らす努力を行っています。
◆4:小規模事業の支援
Googleは、1875年から親子5代にわたり経営されているシカゴの老舗薬局や、レズビアンのカップルがコロラド州にオープンさせたグリーティングカードショップ、第二次世界大戦中に収監された日系人の強制収容所でコックを務めた日系アメリカ人トグチ・セイイチ氏がハワイ料理をふるまう料理店を支援するなど、地元に密着したビジネスの手助けも行っています。
◆5:AIと量子コンピュータの発展促進
Googleがオープンソースで公開している機械学習向けライブラリTensorFlowにより、ごみを自動的に分別してリサイクルを促進するごみ箱や、惑星発見プロジェクト、積雪量を推測して自動車のドライバーに適切な速度を伝えるAI、モノクロ写真をカラー写真にするAIなどがスピンアウトしました。また、Googleは2019年10月に「1万年かかる計算問題を3分20秒で解き終える量子コンピューター」を開発しており、これにより量子コンピューティングがさらなる発展を遂げることが期待されています。
Googleの量子コンピューターについては以下の記事を読むとよく分かります。
Googleが1万年かかる計算問題を3分20秒で解き終える量子コンピューターを完成させる - GIGAZINE
◆6:クラウドゲームサービス「Stadia」のローンチ
Googleが2019年11月にスタートさせたクラウドゲームサービス「Stadia」は、荒削りながらも未来を感じさせるサービスと評されています。
ついにローンチした「Google Stadia」のレビューが登場、未来は感じさせるがまだ荒削りとの評価 - GIGAZINE
◆7:ウェルビーイング
Googleはマインドフルネスに主眼を置いた自己啓発プログラムSearch Inside Yourselfを主催し、マインドフルネスの普及に努めています。また、アプリの使用頻度などを記録するGoogleのAndroid向けアプリ「デジタルウェルビーイング」を使用すると、スマートフォンの使用時間を自然に減らすことが可能だとのことです。
◆8:障害者支援
Googleの「Project Euphonia」は、AIを活用して発声障害がある人でも円滑にコミュニケーションを行えるようにするプロジェクトです。また、体が不自由な人でも快適に生活できるスマートホーム機能を実現するGoogle Nest Miniや、目が不自由な人でもGoogleマップのナビゲーションで街を歩ける音声ガイダンスのリリースにより、テクノロジー面から障害者の生活を支援しています。
以下のムービーを再生すると、実際にGoogleマップの音声ガイダンスを利用して、目の不自由な女性が東京の街を歩いている様子が分かります。
Detailed Voice Guidance Comes to Google Maps - YouTube
◆9:マーガレット・ハミルトン記念肖像
マーガレット・ハミルトン氏はNASAの女性エンジニアで、アポロ計画の立役者として知られています。そんなハミルトン氏が多大な貢献をしたアポロ11号による月面着陸50周年を記念して、Googleはアメリカのモハーベ砂漠にあるIvanpah Solar Power Facilityのミラーでハミルトン氏の肖像を作りました。
◆10:文化芸術の振興
Googleはかねてより「Google Arts&Culture」の取り組みにより、芸術分野の新興に力を入れていますが、2019年には特にプエルトリコ文化研究所と協力して、プエルトリコの文化遺産をオンラインで鑑賞できるようにしたり、VRでヴェルサイユ宮殿を散策できる「ヴェルサイユ宮殿VR」をリリースしたりしました。
「ヴェルサイユ宮殿VR」は以下の記事を読むとよく分かります。
Googleが「ヴェルサイユ宮殿VR」を無料でリリース、自宅にいながらにして豪華絢爛な世界遺産を散策可能に - GIGAZINE
◆11:Google社員からアカデミー賞受賞者を輩出
グーグルの社員であるポール・デベヴェック氏、Xueming Yu氏、Wan-Chun Alex Ma氏の3人は、2019年2月に顔をデジタル化する技術でアカデミー賞を受賞しました。
Googleには他にも、プロのピアニストであるジューン・ウー氏や円周率を小数点以下31兆4159億2653万5897桁まで計算して世界記録を塗り替えた女性技術者Emma Haruka Iwao氏など、豊富な人材がそろっています。
◆12:その他
Googleはほかにも、Android 10に65個の新しい絵文字を追加したり、2019年で一番人気のGIFアニメーションを選出したり、Googleのオフィスに付箋アートを出現させてみたりと、遊び心も忘れていないようです。
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