Appleはバグ続出のiOSの問題を解決するために社内テストの方法を変更する予定

by Przemyslaw Marczynski

Appleは日本時間の2019年9月20日に、iPhone向けのOSであるiOSの最新版「iOS 13」をリリースしました。iOSの最新版を楽しみにするAppleユーザーは少なくありませんが、iOS 13は非常にバグの多いOSであり、ユーザーからは失望の声も挙がっています。こうした問題をiOS 14のリリース時に起こさないために、Appleでは社内におけるiOSのテスト方法を変更する予定だと報じられました。

Apple iOS 14: Features, Changes, Testing After iOS 13 Bugs - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-11-21/apple-ios-14-features-changes-testing-after-ios-13-bugs

To cut down on bugs, Apple is changing how it develops its software | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2019/11/to-cut-down-on-bugs-apple-is-changing-how-it-develops-its-software/

iOS 13がリリースされた当初、iPhoneの所有者やアプリの開発者はソフトウェアの不具合に数多く直面しました。アプリがクラッシュしたり開くのが遅かったり、モバイルデータ通信が切断されてしまったりといったバグがあったほか、搭載が予定されていたiCloudでのフォルダ共有機能や、複数のAirPodsに音楽をストリーミングする機能は搭載されませんでした。Bloombergはこうした状況を指し、「これはAppleの歴史における最も問題があり、洗練されていないOSアップデートとなりました」とコメントしています。

AppleがiOS 13のパフォーマンスがよくないことに気づき始めたのは、2019年5月ごろだった模様。プロジェクトに関わった人は開発状況を「めちゃくちゃだった」と表現しており、2019年8月の段階でAppleは、新しいiPhoneに搭載されるiOS 13が一定の基準に達しないことを認識していたとのこと。結果的にiOS 13.1アップデートのタイミングを早め、できるだけ素早く不具合を修正する方針に転換したそうです。

by Adrianna Calvo

iOS 13の開発段階では、テストが不完全な機能を毎週ビルドに追加していくチームや、毎日のように新機能を追加するチームもあったそうです。「ビルドに加えられる毎日の変更は、多くの料理人が勝手に材料を追加していくレシピのようでした」「テスターは使いにくい状態のビルドを使い続けることになるので、何が機能していて何が機能していないのかを把握することができません」と、内部に詳しい人物は述べています。

こうした問題を受け、ソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のCraig Federighi氏らは、ソフトウェア開発チームとのミーティングで、iOSの開発およびテスト方法に変更を加えることを指示しました。新しいアプローチでは、毎日のように変更が加えられるテスト用のビルドで、未完成またはバグを含む可能性がある機能をデフォルトで無効にすることを保証します。そして、テスターは「Flags」と呼ばれる内部プロセスおよび設定メニューを使用し、個々の機能を選択的に有効化し、システム全体に対する影響を機能ごとにチェック可能となる予定です。この変更はiOSの開発だけでなく、iPadOS・watchOS・macOS・tvOSの開発でも採用される見込みとのこと。

また、海外ニュースメディアのArs Technicaによると開発やテスト方法の変更に加えて、AppleはiOS 14で搭載する予定だった機能を、iOS 15で搭載する方向で延期することも検討している模様。ただし、それでもiOS 14には豊富な新機能が残っており、iOS 13で追加された新機能と同じ数の機能が新たに搭載される可能性があるそうです。

by Yura Fresh