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大統領や王室と交流を持ち売春あっせん容疑で拘留中に「謎の自殺」を遂げたジェフリー・エプスタインの死の不自然さを専門家が語る

by Eva Blue

アメリカの実業家であり大統領やイギリス王室にも交友関係を持っていたジェフリー・エプスタイン被告被告は売春あっせんの容疑で勾留中に「自殺」したと発表されました。しかし、この自殺は「非常にまれな自殺」と専門家にコメントされるほど不自然なものでした。アメリカの日刊紙「マイアミ・ヘラルド」は実際にエプスタイン被告の検死を行った病理学者にインタビューを行い、「怪死」の真実に迫っています。

Epstein’s death consistent with strangulation, expert says. | Miami Herald
https://www.miamiherald.com/news/state/florida/article236809668.html


2019年7月8日、トランプ大統領やクリントン元大統領、イギリスのアンドルー王子らと交友関係にあったアメリカの富豪、エプスタイン被告が未成年の少女数十人を性的に搾取した罪で起訴されました。エプスタイン被告はニューヨークのメトロポリタン矯正センターで勾留されていましたが、その後15日に、拘留中に自殺したと発表がありました。エプスタイン被告は首の骨が数カ所折れており、自殺によって起きた骨折なら「少なくとも非常にまれな自殺だったと言える」という専門家のコメントをロイターは報じています。

勾留中死亡の米富豪、首数カ所を骨折か 専門家「自殺ならまれ」 - ロイター
https://jp.reuters.com/article/people-jeffrey-epstein-autopsy-idJPKCN1V528C


マイアミ・ヘラルドによると、「世界有数の法医学病理者」の一人であり、エプスタイン被告の検死にも参加したマイケル・バーデン博士は、死後のエプスタイン被告の喉頭の左右には3つの骨折があったことを述べています。

バーデン博士によると、首つり自殺で骨が折れることはまれであり、ましてや3つの骨が骨が折れることはほとんどないとのこと。「このような骨折が首つり自殺で起こるのは珍しいことで、通常は殺人で起きうることです」とバーデン博士。またエプスタイン被告の目から出血があったそうですが、これも首つり自殺ではなく絞殺に多いことだそうです。


一方で、ニューヨーク市の主任医学検査官であるバーバラ・サンプソン氏の意見はバーデン博士の意見と食い違っています。サンプソン氏は「調査の結果、私たちはエプスタイン被告の死因が首つり自殺によるものだと結論付けました。私たちはこの決定に自信を持っています。私たちはエプスタイン被告のご家族や親族、病理学のコンサルタントと医療的な調査の情報について共有しています。医療調査は徹底して行われた完璧なものでした。我々が2度目の調査をする理由はありません」とコメントしています。

ただし、バーデン氏によると、実際に検死を行った病理学者であるクリスティン・ローマン博士はエプスタイン被告の死因が首つり自殺だと決定することに疑問を持ち、当初は「保留」としていたそうです。しかし、その1週間後にサンプソン氏が死因を「自殺」に変えたとバーデン氏は説明します。

by Tamara Gore

バーデン氏はこれまで、ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺に関する議会調査を含む、死の調査に関与してきた人物です。50年近くにわたりバーデン氏はニューヨーク州委員会のメンバーでもあることから、刑務所などでの死がどのようなものかを見てきました。

バーデン氏は、エプスタイン被告の遺体を移動させた後の独房の写真を見ています。写真にはオレンジ色のベッドから医療に使われる結紮が作られた痕跡が写っていたとのこと。また、文書としては残っていないそうですが、バーデン氏は当時の状況について「刑務官が、オレンジ色の結紮を首元に巻き、一方を二段ベッドの上段にくくりつけた遺体を発見した」と報告を受けました。この点についてバーデン氏は、「遺体が発見されたのは死後3時間後であり、死んでいるのが明らかだったにもかかわらず、刑務官は緊急医療サービスに電話をかけて遺体を撮影しなかった」という点が不審であると指摘しています。

エプスタイン被告を30分間隔で監視するよう割り当てられた2人の刑務官が眠りに落ちてしまい、自殺はその間に起こったとされています。このとき、いくつかの防犯カメラは作動しておらず、拘留所のセキュリティに問題があったことは明らかです。エプスタイン被告の死が自殺であると結論付ける前にもっと多くの情報が必要でしたが、サンプソン氏の発言からは、調査がこれ以上行われないことが読み取れます。

by Matthew Ansley

これまでに2万件近い検死に関わってきたバーデン氏ですが、50年近いキャリアの中で、「拘留所職員が眠った隙に拘留者が自殺したケース」や「首つり自殺で3つの骨折が発見されたケース」は見たことがないとのこと。絞首刑では頸動脈が圧迫された結果、脳への血流が制限され、人は死に至ります。エプスタイン被告の首に骨折があったということは、そこに力が加えられたことを意味しているとバーデン氏は述べています。

なお、エプスタイン被告の遺体が見つかる前日、バージニア・ロバート・ジェフリー氏という女性が、「売春のため男性をエプスタイン被告にあてがわれた」と証言した2016年の裁判の資料が公開されました。この証言に含まれる男性は政治・金融・科学・慈善活動といったさまざまな分野で著名な人物を含みましたが、名を挙げられた男性はジェフリー氏の申し立てを否定しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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