「Firefox 69」正式版リリース、トラッキング防止機能が強化されたほかFlash廃止へ一歩前進

ウェブブラウザ「Firefox 69」の正式版が公開されました。トラッキング防止機能が標準で有効になったほか、よりプライバシーを重視する「厳格」設定にすることでフィンガープリントの採取もブロックするようになりました。

Firefox 69.0, See All New Features, Updates and Fixes
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/69.0/releasenotes/

Today’s Firefox Blocks Third-Party Tracking Cookies and Cryptomining by Default - The Mozilla Blog
https://blog.mozilla.org/blog/2019/09/03/todays-firefox-blocks-third-party-tracking-cookies-and-cryptomining-by-default/

◆プライバシー関連機能が強化
Firefox 69ではウェブサイトにアクセスした際にトラッキングを検知すると、それを阻止する機能が標準で備わるようになりました。トラッキングを防いだ際にはアドレスバー左側に盾のマークが表示されます。この機能では、トラッキングの他に仮想通貨(暗号資産)の採掘スクリプトも防止するようになっています。

設定は「オプション」→「プライバシーとセキュリティ」から変更可能で、「厳格」にするとデバイス情報などを元に個人を特定するフィンガープリント技術もブロックすることが可能です。

◆Windows 10での体験が向上
Windows版では、プロセスの優先度レベルの調整が行われ、バックグラウンドに移動したウィンドウの優先度を下げてアクティブなウィンドウの処理を向上し、より良い体験が得られるようになります。なお、バックグラウンドで再生されているムービーや音声の処理優先度は低下されないとのこと。

また、Windows 10 May 2019以降のバージョンに向けてWindows Helloを利用した「Web Authentication HmacSecret extension」という認証方法のサポートが追加されました。

◆macOS向けのアップデート
MacBook Proなど、GPUが2つ搭載されているmacにて、より低電力なGPUの使用頻度を向上させることでバッテリー寿命が伸びています。また、ダウンロードの進行状況がFinderにも表示されるようになっています。

◆自動再生されるムービーをブロック可能に
Firefox 66にて「音声の流れるムービーの自動再生をブロック」する機能が導入されましたが、Firefox 69では「音声の流れないものも含めて全ての自動再生をブロック」する設定が可能になります。設定はオプション画面の「プライバシーとセキュリティ」項目をスクロールして「許可設定」の「自動再生」の部分にて行えます。

標準では従来の方式である「音声の再生をブロック」になっていますが、ここを「音声と動画の再生をブロック」にすることで全ての自動再生ムービーをブロック可能です。

◆WebRTCにて複数のビデオコーデックを受信可能に
複数のコーデックの同時受信がサポートされ、WebRTCを利用した会議サービスなどで複数のクライアントからの映像をミックスしやすくなりました。

◆Flash廃止へ一歩前進
MozillaはFirefox上でのAdobe Flash Playerの利用を段階的に廃止する計画を発表していますが、Firefox 69からはFlashプラグインを「常にアクティブにする」オプションが廃止され、Flashプラグインが必要なページにアクセスするたびにユーザーの許可が必要になります。また、Adobe Flash Playerを廃止することでOSが64bitなのか32bitなのかを識別する必要がなくなるため、よりプライバシーを向上させることが可能とのこと。

また、上記の他に多くのセキュリティフィックスが行われています。