Googleは一切の猶予なしにAndroidアプリの開発者アカウントを停止しているとして不満が噴出

by Inzmam Khan

GoogleはAndroidアプリの配信サービスであるGoogle Playストア上から、悪意のあるアプリや危険なアプリを削除して健全化に努めています。一方で、Googleが危険なアプリを削除する過程で開発者のアカウントが消されてしまうこともあるそうで、多くの開発者は詳細を知らせることなく誤解やミスによりアカウントを停止されてしまうことを恐れています。そんな中、10年以上前からオープンソースのアプリを提供してきた開発者が、自身のGoogle Playアカウントを停止されてしまった経験について記しています。

Google just deleted my nearly 10-year-old free & open-source Android app
https://medium.com/@mmathieum/google-just-deleted-my-nearly-10-year-old-free-open-source-android-app-7fbc52edc50a

アプリ開発者のMathieu Méaさんは、2009年から「MonTransit」というカナダ・モントリオールの公共交通機関の運行状況をチェックできるアプリをリリースしています。MonTransitは一時中断を挟んだものの、2014年から本格的に再始動し、2015年6月に最新版がリリースされているとのこと。

MonTransitはオープンソースのプロジェクトであり、2019年8月23日時点で12万を超えるアクティブなデバイスにインストールされている人気アプリだそうです。MéaさんはMonTransitの開発に5000時間以上も費やしてきたと述べています。

しかしMéaさんは現地時間の8月23日2時16分、Google PlayからMonTransitがユーザーを欺こうとする、あるいは不正行為を助長しようとしている「虚偽の振る舞い」を行うアプリだという通知を受けてしまいます。同様の通知は23日の3時30分、8時41分、8時46分にも送信されたとのこと。

そして、最初の通知を受けてからわずか11時間ほどしか経過していない23日13時36分、複数回の警告を受けてデベロッパーポリシーに違反したと判断され、アカウントが停止されてしまいました。23日の21時21分にMéaさんは復帰の申し立てをしましたが、24日0時31分にはGoogle PlayストアからMonTransitが削除されてしまったそうです。

MéaさんはGoogle Playの対応について、最初の通知からわずか12時間でアカウント停止を受けてしまい対処する時間がなかったこと、通知そのものに違反の詳しい内容やスクリーンショットがなく対処のしようがなかったことなどは問題だと指摘。加えて不正行為に関するポリシーを読み返してみても、どうしても自身のアプリがユーザーに対する虚偽行為に及んでいるとは考えられず、最近新たな変更を行ったわけでもないとのこと。また、「自分は悪人でもなく、ユーザーを欺こうとするハッカーでもありません」とMéaさんは必死に訴えています。

by Tim Gouw

Méaさんはその後も申し立てを続け、25日に「あなたの申し立てに基づき最初の決定を確認しましたが、開発者アカウントを元に戻すことはできません」というメールを、28日には「あなたの質問に関するこれ以上の情報やよりよい回答を与えられません。以前のメールに全ての情報を記載してあります」といったメールを受け取りました。ところが、29日になってようやく「さらに調査を行ったところ、情状酌量の余地があるとして申し立てを受け入れます。アプリをもう一度リリースする前に、問題点を修正してください」というメールが届き、どうにかGoogle Playの開発者アカウントにアクセスできるようになったとのこと。

Google Playストアのような広大なプラットフォームを管理することが難しいと理解は示しつつも、「開発者に問題を修正する時間を与えず、いきなりアカウントを停止することは正しくありません」とMéaさんは述べました。

by Lukas