複数の航空会社がリコールされていない正常なMacBookの機内への持ち込みを制限

by Igor Miske

2019年6月、Appleが2015年9月から2017年2月にかけて販売したMacBook Proのバッテリーが加熱により発火する可能性があるとしてリコールプログラムを発表しました。これを受け、アメリカの連邦航空局(FAA)がリコールプログラムの対象となったMacBook Proを航空機内に持ち込むことを禁止していたのですが、一部の航空会社はすべてのMacBookの持ち込みを制限し始めています。

Apple Laptop Flight Restrictions Spread as Qantas Imposes Limits - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-08-28/apple-laptop-flight-restrictions-spread-as-qantas-imposes-limits

Some airlines are banning Apple’s MacBook Pros even if they weren’t recalled - The Verge
https://www.theverge.com/2019/8/28/20837532/apple-macbook-pro-recall-battery-airplane-airline-quantas-virgin-australia-checked-baggage

Appleは2019年6月21日に、一部のMacBook Proのバッテリーが発火する可能性があるとしてリコールプログラムを発表しました。対象となるのは2015年9月から2017年2月にかけて販売された15インチMacBook Pro。リコール対象の端末かどうかを確認する方法などは、以下の記事にまとめられています。リコールプログラムが発表される3日前にリコール対象のMacBook Proが「爆発した」という報告もあります。

Appleが15インチMacBook Proのバッテリーが発火するとしてリコール、リコール対象かチェックする方法まとめ - GIGAZINE

その後、リコールプログラムの対象となったMacBook ProはFAAにより航空機内への持ち込みを禁止されました。

リコール対象のMacBook Proが「発火する危険がある」として航空機への持ち込み禁止対象となる - GIGAZINE

そしてさらに、一部の航空会社がMacBookoのバッテリーがリコール対象になっているか否かに関わらず、Apple製のMacBookの機内への持ち込みを禁止しています。

オーストラリアで2番目に大きな航空会社であるヴァージン・オーストラリアは、すべてのMacBookを受託手荷物として機内に持ち込むことを禁止しています。

ヴァージン・オーストラリアは機内への持ち込みが可能な危険物と不可能な危険物について説明するウェブページ上で、すべてのMacBookは手荷物としてのみ持ち込み可能であり、受託手荷物としての持ち込みは不可としています。

Dangerous goods information | Virgin Australia
https://www.virginaustralia.com/eu/en/plan/baggage/dangerous-goods/

リコールされたのは一部のMacBook ProのみであるためすべてのMacBookの持ち込みを制限するというのは極端な施策に思えるかもしれませんが、機内に手荷物として持ち込み可能ではあるため、「フライト中に端末を使用できるのでは？」と思うかもしれません。しかし、カンタス航空の場合、すべての15インチMacBook Proが受託手荷物としての機内への持ち込みが禁止されており、加えて、機内での使用も禁止されています。

カンタス航空の広報担当者はZDNetに対して「さらなる通知があるまですべての15インチのMacBook Proは、機内への手荷物として持ち込み、Appleのリコール通知に基づきフライト中は電源を切る必要があります」と説明しています。

カンタス航空側がすべての15インチMacBook Proの持ち込みを制限する理由は、航空会社側がリコール対象のMacBook Proか否かを判断するのが難しいため、すべての15インチMacBook Proを受託手荷物として持ち込むことを禁止したというわけ。ただし、海外メディアのThe Vergeは「2016年モデルのMacBook ProはTouch Barが搭載されており視覚的に簡単に見分けることができる」と指摘しています。