無料ウェブスペース「Yahoo!ジオシティーズ」のホームページを現代に復元するプロジェクト「Geocities Archive」
アメリカに存在したインターネット企業のYahoo!が運営していたウェブサイトホスティングサービスが「ジオシティーズ(Yahoo!ジオシティーズ)」です。ジオシティーズの海外版は2009年10月26日にサービス提供が終了してしまいましたが、個人が所有する貴重な情報が大量に眠っていたというジオシティーズのウェブサイト群を復元しようというプロジェクト「Geocities Archive」が発足しています。
Geocities Archive / Geocities Mirror - Yahoo Geocities History Website
https://www.geocitiesarchive.org/default.aspx
ジオシティーズは、のちに「GeoCities」と改名するBeverly Hills Internetによって、1994年11月にサービス提供が始まりました。ジオシティーズは無料のウェブスペースを「コミュニティ」としてテーマ別に区分し、さらに住所の番地にあたる番号を振り分けてURLを作成するのが特徴で、まさにインターネット上の仮想都市をイメージしたサービスとなっていました。また、個人のホームページを無料で作って公開できるだけではなく、チャットや掲示板などオンラインコミュニティを支えるような要素も簡単に設置できることもあって、ジオシティーズは急速な成長を見せ、サービス開始から5年でAOLとYahoo!に続き、World Wide Webで3番目に訪問されたウェブサイトとなりました。
by secretlondon123
1999年1月、Yahoo!が35億7000万ドル(当時のレートでおよそ4100億円)という価格でGeoCitiesを買収し、ジオシティーズは「Yahoo!ジオシティーズ」として生まれ変わりました。しかし、Yahoo!が新しく導入した利用規約で「Yahoo!ジオシティーズのコンテンツはすべてYahoo!が所有している」と述べるなど、Yahoo!の運営姿勢に多くのユーザーが反発。バニティURLをプレミアム会員のみに提供するというプランがYahoo!から発表され、Yahoo!ジオシティーズが閉鎖されるのではないかというウワサが流れたとのこと。
2009年4月23日、Yahoo!はYahoo!ジオシティーズの新規メンバー登録を停止し、2009年10月26日にサービスを停止することを発表しました。サービス停止の通知からわずか半年という期間だったため、多くのユーザーはウェブサイトのコピーを作成することができませんでした。Geocities Archiveは「1994年から15年間続いたインターネット黎明期の歴史が一晩で破壊された」と述べています。
無料HPスペースで有名な「Yahoo!ジオシティーズ」の本家が閉鎖、そして失われたものたちとは - GIGAZINE
Geocities Archiveが保存しているウェブサイトはアメリカ(us.geocities.com)のものだけではなく、ブラジル(br.geocities.com)・カナダ(ca.geocities.com)・ケベック(cf.geocities.com)・ドイツ(de.geocities.com)・スペイン(es.geocities.com)・香港(hk.geocities.com)・インド(in.geocities.com)・イタリア(it.geocities.com)・韓国(kr.geocities.com)・メキシコ(mx.geocities.com)・シンガポール(sg.geocities.com)・イギリス(uk.geocities.com)のものも含まれています。ウェブサイトはユーザー名やコミュニティ名によって検索することができます。ただし、プロジェクトは進行中であるため、多くのサイトでテキストや画像もそろっていない状態となっています。
閉鎖が発表された直後からジオシティーズのウェブサイトをコピーしていたジェイソン・スコット氏は、ジオシティーズのアーカイブは圧縮した状態で652GBものサイズがあったと2010年に報告しています。Geocities Archiveは「このプロジェクトは、失われたデータの一部を将来の世代が見られるように、(そしてたぶん笑いながら)復元しようという試みです」とコメントしていて、過去を懐かしみながらインターネット史的にも重要な資料としてジオシティーズの復元を行っていると述べています。
ちなみに、Yahoo!によってGeoCitiesが買収される以前の1997年6月、ソフトバンクとの合弁で日本法人のジオシティーズ株式会社が設立され、ジオシティーズの日本語版サービスが開始しています。2000年3月にジオシティーズ株式会社はヤフー株式会社と合併し、「Yahoo!ジオシティーズ」に改名されてサービスを続けていました。Yahoo!ジオシティーズは2009年に海外版がサービス停止をした後もサービス提供され続けていましたが、採算面やシステムの問題から2019年3月31日にサービス終了しました。そういった経緯もあってか、Geocities Archiveでは日本版のウェブサイトはアーカイブされていません。
無料ホームページサービス「Yahoo!ジオシティーズ」が2019年3月末でサービス終了 - GIGAZINE
・関連記事
Googleの終了したサービスやプロジェクトを弔うGoogleサービスの墓場「The Google Cemetery」 - GIGAZINE
50万人のユーザー情報が流出したGoogle+がサービス終了、利用低調を理由にするも別の理由が指摘される - GIGAZINE
インターネット黎明期の1990年代を支えた検索エンジンはどれだけ生き残っているのか? - GIGAZINE
GoogleのURL短縮サービス「URL Shortener」が2019年3月30日で終了 - GIGAZINE
Internet Archiveのアーカイブ量が10ペタバイトに到達 - GIGAZINE
「世界初のウェブサーバ」と「日本最初のホームページ」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in ネットサービス, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article 'Geocities Archive', a project to restor….