質の良い服を選ぶコツとは?
By DragonImages
服を買うときにデザインしか見ておらず、「服の品質」を気にしたことがない人も多いはず。衣服やデザインに関する作家であるアンシュカ・リースさんが「高品質の服の見分け方」について述べています。
How to assess the quality of garments: A Beginner's Guide {Part I} — Anuschka Rees
https://anuschkarees.com/blog/2014/05/01/how-to-assess-the-quality-of-garments-a-beginners-guide-part-i/
今回、リースさんが語っている「服の品質」とは「生地の耐久性」のことで、耐久性がある生地とは、買ったときと同じ品質を保ち、伸びたり縮んだりしないものとのこと。高い価格の服であっても耐久性のある良い生地を使っているとは限らないため、「良い生地を見抜く目を養う必要がある」とリースさんは主張しています。
リースさんはコットン・リネン・ウール・デニム生地・レザー(革)・合成繊維の6種類の生地について、高品質なものの見分け方を解説しています。
◆1.コットン
コットン製の服は長い繊維で織られたものが基本的には高品質。長い繊維は、触ると柔らかく、そして細い繊維であっても光を通さないほど密度があるそうです。また、繊維の太さがちぐはぐになっているものや、毛玉ができている場合は論外とのこと。リースさんによると、高品質なコットンとして知られているのはピマコットン・海島綿(シーアイランドコットン)・エジプト綿の3種。リースさんは「ピマコットン・海島綿(シーアイランドコットン)・エジプト綿は高品質なことで有名なため、使用されている場合にはラベルに必ず表記があるはずです」と語っています。
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◆2.リネン
リースさんは、「リネンは通気性があり、速乾性が高く、冷却効果があって夏に最適」としながらも、「伸縮性がないのが弱点」と語っています。リネンはその伸縮性のなさから折り目が残り続けてしまい、将来的に折り目からほころびが生じるとのこと。売られている段階から折り目がついてしまっている場合や、リネン生地できた「撚り目」は「天然のリネン」に見せかけるためにわざと作られたものなので、リースさんは「そういったリネンは避けるべき」と述べています。
◆3.ウール
ウールは生きた羊から採られるものであるため、その品質には羊の体調が大きく関係しているとのこと。リースさんはウール生地の衣服を買う場合はまず生地全体をチェックして、結び目・たるみ・隙間などをチェックすべきだと指摘。結び目・たるみ・隙間などがあるウールはストレスで弱っているか栄養失調の羊から採られているため、低品質で長期の使用に耐えないそうです。
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ウールは伸縮性に優れるため、引っ張った後にすぐ元に戻るものが良質なもの。また、ウールの中でもカシミアはモヘアより柔らかいなど、ウールの種類自体が柔らかさに影響を与えるため、「柔らかさで品質は判断できない」そうです。高品質なウールの代表はメリノウールで、その柔らかさと繊維の細さが特徴とのことです。
◆4.デニム生地
リースさんによると、薄くて軽いというデニムや、洗われていても重くて硬いというデニムはオススメしないとのこと。デニムは生地と同じくらい「縫い目」が重要なため、縫い目に沿って引っ張ったときに糸が伸びてしまう場合は低品質とのこと。リースさんは、高品質なジーンズは「ステッチ」と呼ばれる縫い目部分が「チェーンステッチ」か「ダブルステッチ」になっていると語っています。
ステッチについては以下を読むとよくわかります。
ジーンズのステッチ(その2)種類 | 横須賀ジーンズ商会
リースさんは「中古のジーンズを買う場合は、一番こすれて劣化する部分である『内もも』の部分をチェックすべきです」と語っています。
◆5.レザー(革)
リースさんは「レザーは生地ではなく素材ですが」と前置きした後、レザーの欠点は「折り目が残ってしまうこと」だと語っています。レザーを買う場合は折り目がついてしまっているものを避け、接着剤でくっつけられているものではなく、ステッチで縫い合わされているものが高品質だそうです。また、低品質のレザーは独特の光沢があるので、変にピカピカしておらず、柔らかく薄くないものを買うべきとのことです。
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◆6.合成繊維
「合成」と聞くとなんとなく「天然」のほうが優れていると思いがちですが、リースさんによると、合成繊維もメリットがあるとのこと。種類によるものの、合成繊維は軽量で伸縮性と速乾性に優れる傾向があり、少量だけ他の生地を混ぜ合わせた合成繊維はフィット感が向上する場合が多いそうです。中でもレーヨンは合成繊維の中でもオススメで、その感触は柔らか。特にレーヨンの中でも最高級品である「モダール」は肌触りと吸水性が抜群&洗っても縮まないとリースさん一押しの生地でした。
リースさんによると、布地の種類自体に優劣はなく、ウールにはウールの、綿には綿の良さがあり、その良さを引き出すような服の種類がそれぞれあるとのこと。例えば、シルクは軽さと薄さが利点であるため、冬用コートにシルクを用いるのは間違っているわけです。それぞれの生地の長所と短所を理解すれば、高品質のものを選ぶことができるとリースさんは述べています。
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