Chromeの「広告ブロック無効化計画」はまだ続行中であることが判明
by Deepanker Verma · Photography
2019年1月に、Googleが広告ブロック拡張機能を制限することを目的としたAPIの変換を行おうとしていることが明らかになりました。これにはユーザーや拡張機能の開発元から大きな反発がありましたが、Googleは計画を撤回せず、機能実装に向けて突き進んでいます。
Manifest V3: Web Request Changes - Google グループ
https://groups.google.com/a/chromium.org/forum/m/#!msg/chromium-extensions/veJy9uAwS00/9iKaX5giAQAJ
Chrome to limit full ad blocking extensions to enterprise users - 9to5Google
https://9to5google.com/2019/05/29/chrome-ad-blocking-enterprise-manifest-v3/
Google still plans to kill Chrome's existing adblock APIs
https://www.androidpolice.com/2019/05/29/google-still-plans-to-kill-chromes-existing-adblock-apis/
インターネットに存在するサービスの多くはページ上に表示する広告から収益を上げており、大企業であるGoogleも例外ではありません。このため多くの企業がインターネットから広告を消し去る拡張機能の存在に悩まされており、収益を上げるために広告ブロック拡張機能を使っているユーザーをブロックするニュースサイトも増加しています。そして収益の9割が広告収入であるGoogleも、自社開発のウェブブラウザでGoogle Chromeで広告ブロック拡張機能を無効化する計画を進めていることが、2019年1月に明らかになりました。
Googleがウェブ上の広告を非表示にする広告ブロック機能をChromeなどで無効化するための施策を進める - GIGAZINE
GoogleはChromiumの拡張機能として使用可能なリソースや機能を列挙したマニフェストのバージョン3で、広告ブロック機能の一部を排除するための施策をスタートさせましたが、これが明らかになると、広告を嫌がるユーザーや広告ブロック拡張機能の開発者からの大きな批判を呼びました。
この施策は、Chromeのコンテンツブロックで使われていた既存のwebRequest APIをより限定的なdeclarativeNetRequest APIに置き換えるというものでした。これにより、拡張機能がフィルタリングを行うのではなくChrome自身が解析したフィルタリングのリストが与えられるようになります。このため、広告ブロック拡張機能の開発者はこの施策に反対していました。
しかし、2019年1月に事実が明らかになってからもGoogleはAPI変更の施策を続けており、5月末現在でもこの計画を保持していることが判明しました。Googleの開発者は「Chromeはマニフェストバージョン3でwebRequest APIの機能を廃止しようとしています。全てのwebRequest APIではなく、企業の開発においてアドブロッキングは引き続き可能です」とフォーラムに投稿しており、ここから、新APIへの移行計画は続行されていること、一般ユーザーは広告ブロック拡張機能の制限の対象になることが読み取れます。
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なお、記事作成現在でwebRequest APIはインストール時に3万のルールを指定でき、拡張機能を走らせている時にはそれに加え5000のルールを適用できるようになっています。つまり、7万5000以上のルールを使用しているEasyListのような広告ブロックツールが大きな影響を受けるとみられています。一方で、Googleはパフォーマンスに応じてこのような適用ルールの上限を上げることも検討しているとも述べています。
ただし、Googleがマニフェストバージョン3でAPIを変更するにしても、実装までにはまだ数カ月が残されており、またバージョン2がただちに使えなくなるわけではありません。このことからニュースサイトのAndroid Policeは「追跡スクリプトをデフォルトでブロックしているFirefoxに切り替えるにはまだ十分な時間がある」と述べています。
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