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イーロン・マスクの時速200kmで走れる「地下トンネル」がどれくらい時短につながるかを示すムービーが公開


テスラスペースXでCEOを務めるイーロン・マスク氏は、トンネル採掘企業の「The Boring Company」も起業しています。2018年12月にはついにThe Boring Companyの試験用トンネルが公開され、実際にテスラ車がトンネル内を走行する様子もムービーに収められました。そんな試験用の地下トンネルと一般道を車が走った様子を比較し、地下トンネルがどれほど早いスピードで移動できるのかを示したムービーが公開されています。

Boring Company stages race between Teslas in a tunnel and on the road - The Verge
https://www.theverge.com/2019/5/24/18638534/boring-company-tesla-tunnel-race-elon-musk

The Boring Companyが計画している「地下トンネル」は、ただのトンネルではなく渋滞などで混みまくる都市を時速200km以上で一気に駆け抜けることができるという「高速移動トンネル」です。2018年12月には初のトンネルが完成し、その中の様子が公開されました。

イーロン・マスク発案の時速200kmで地下を走る「高速移動トンネル」がついに公開、実用化に向けた試験を開始 - GIGAZINE


そして今回公開されたのが、The Boring Companyのトンネルを使えばどれくらい高速に移動できるかをわかりやすく示したムービー。ロサンゼルス南西部のホーソーンに掘られた試験用トンネルを使って、一般道とトンネルの移動スピードを比較しています。

Wanna race? pic.twitter.com/zDNpdsdHaM

— The Boring Company (@boringcompany)


フラッグを持った女性の背後に見える2台の車。左側の車は駐車場に停車しており、右側の車は地下トンネル用のリフトの上にのっています。


女性が両手を挙げるとレースがスタート。


画面が二分割され、左側には一般道を車が進む様子が、右側には地下トンネルを進む様子が見えます。一般道を進む車は駐車場から出ようとしており、地下トンネルを走る車はリフトで段々と地下へ潜っていきます。


およそ20秒弱で一般道を進む車は駐車場から出ることができ、地下トンネルを走る車は地下トンネルの前まで降りることができました。


そして地下トンネルを走る車は緑色に光るトンネルの中を発進。一方で一般道を進む車は信号待ちのため、動くことができません。


一般道を進む車が全く動けないうちに、地下トンネルを走る車は時速100マイル(約161km)を突破。グングンとスピードを上げています。


レース開始から48秒後、地下トンネルを走る車は最高時速127マイル(約204km)を記録しました。一般道ではとても出せないスピードです。一方で一般道を進む車は未だに赤信号待ちで、マスク氏はこのように壊滅的な混み具合を見せる一般道の状況を打開するため、交通用の地下トンネルを建設する事業をスタートさせたとしています。


およそ1分10秒ほどで地下トンネルの出口が見えてきて……


地下トンネルを走る車がkm先の出口にたどり着きました。


地下トンネルを走る車は1分30秒ほどで目的の駐車場に駐車できましたが、一般道を進む車は未だに駐車場を出たところの信号待ちをしています。


1分50秒ごろ、ようやく一般道を進む車が走り出すことができました。すでに地下トンネルを走る車のドライバーは車を出て、手持ちぶさたに一般道を走る車の到着を待っている状態。


一般道を進む車が目的の駐車場に到着したのは、スタートからおよそ4分45秒後。3分以上もの大差が付く結果となりました。


今回の結果は2018年12月に初めてトンネルが公開された時と比較して、はるかに速いスピードでトンネル内を走行できるようになったことを示します。一方で今回のレースは実際の運用とそっくり同じというわけではなく、テクノロジー系メディアのThe Vergeで副編集長を務めるThomas Ricker氏は、「今回の比較は、通信企業が5Gのリリース前にその速度を自慢することと同じです」と指摘しています。

しかし、現実に地下トンネルでの走行ムービーなどが公開され、The Boring Companyのトンネル建設事業は大きな進展を見せています。2019年5月上旬には、The Boring Companyが世界最大級のコンベンション・センターである、ラスベガス・コンベンション・センターの施設内をスムーズに移動するための地下トンネル建設を受注したと発表しました。

Las Vegas — The Boring Company
https://www.boringcompany.com/lvcc

Las Vegas bets on Elon Musk’s Boring Company for tunnel project - The Verge
https://www.theverge.com/2019/3/6/18252302/boring-company-las-vegas-dig-plans-2021

ラスベガス・コンベンション・センターでのトンネル建設計画は比較的小規模なものであり、あくまでも広大な施設内を移動するためのトンネルとなります。建設にはおよそ3000万ドル(約33億円)~5500万ドル(約60億円)ほどかかると見られていますが、天候に左右されず地上の施設にも影響が出ない地下トンネルは、非常に魅力的な選択肢だとのこと。下の画像にある駅1~駅3までの移動には徒歩で15分ほどかかりますが、地下トンネルを使用すればわずか1分で移動することが可能です。


The Boring Companyによれば、ラスベガス・コンベンション・センターの地下トンネルはおよそ1年で建設可能だそうで、2021年1月のコンシューマー・エレクトロニクス・ショーに合わせた開通が予定されています。


なお、マスク氏はTwitterユーザーとの会話中で「地下には数百ものトンネルを掘ることが可能な一方、地面には1層しかないのだから、電車が地上を走って車が地下を走るべきだ」と主張。

Opposite is true: you can have 100’s of layers of tunnels, but only one layer on surface (to first approximation), therefore trains should be on surface, cars below

— Elon Musk (@elonmusk)


これに対しベイエリア高速鉄道(BART)が、「電車の大きな容量のおかげで、私たちは1時間あたり2万8000人もの乗客を運んでいます」と述べ、車よりはるかに多くの人々を輸送できる電車を優先するべきだと主張しています。なお、記事作成時点ではマスク氏はBARTの発言に対して反応していません。

BART picks a fight with Elon Musk on Twitter over tunnels - SFGate
https://www.sfgate.com/local/article/BART-Elon-Musk-Twitter-tunnel-Bay-Boring-Company-13896393.php

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in 乗り物,   動画, Posted by log1h_ik

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