取材

スマートなオフィスからスマートCGアニメを送り出している「クラフタースタジオ」を見学してきた


AIやリアルタイムエンジンといった最新IT技術を投じた「スマートCGアニメーション」を駆使し、2019年1月25日(金)公開のオリジナル長編映画「あした世界が終わるとしても」や「INGRESS THE ANIMATION」などの作品を生み出しているのが「クラフタースタジオ」です。アニメ業界で最先端の試みをしているスタジオとはどんなところなのか、見せてもらいました。

株式会社クラフター / CRAFTAR Inc.
https://www.craftar.co.jp/

株式会社クラフタースタジオ | CRAFTAR STUDIOS Inc.
https://www.craftar.studio/

「クラフター」の前身は、2011年に博報堂のクリエイティブディレクターである古田彰一氏とアニメーションプロデューサーの石井朋彦氏らが設立した映像コンサルティング会社「スティーブンスティーブン」で、2016年に社名変更し現在の「クラフター」となりました。これまでに「花とアリス殺人事件」や「新世紀いんぱくつ。」、テレビ・劇場アニメ「ふうせんいぬティニー」などの制作を手がけてきました。

「クラフタースタジオ」は、クラフターグループ内のアニメーションの制作スタジオとして、2017年に設立。2018年には『INGRESS THE ANIMATION』を発表しました。

エントランスには「C」をモチーフにした、特徴的なロゴ。


今回スタジオを案内してくれたのは田尻真輝さんと川崎司さん。


内部はこんな感じ。奥から手前へ順に制作、エントリー(新人)、コンポジット、アニメーション、モデリングと並んでいて、最も手前の列がディレクター。左から2番目のデスクでは「あした世界が終わるとしても」の櫻木監督が作業中です。並んだデスクの向こうにカラフルなものが見えるのはミーティングスペースです。


ディレクターブースの壁側にはモニターが設置されていました。これは作品のチェック用ではなく、災害情報を流したり、取材があったときに録画したりという用途で使われているそうです。


とにかく、全体的に整然としたイメージを受けます。アニメスタジオでは、資料類を置いたりカット袋を置いたりするために高い棚が設置されていることが多く、また、各自のデスク周辺にそれぞれ資料や好きな作品・携わった作品のグッズ類が置いていて賑やかな光景を見ることが多いのですが、クラフタースタジオでは手元にこそモノはあれども、パーティションの高さを上限とした建築制限がかかっているのではないかというぐらいに上空がすっきりとした、スマートなオフィスとなっていました。実際のところ、特にルールが定められているというわけではなく、みんなが自主的に理想的な社内環境に関して議論し、結果として統一された景観になっているとのこと。

広い1フロアのオフィスで乾燥しやすいので、冬場は大型加湿器が複数台動員されます。


集中して作業をしたい時などに使える個別ブースも設けられています。


壁際に設けられたロッカー。こちらは備品類を収納しているとのことで「VR関連」「モーションキャプチャー」というラベルが貼られていました。


窓際には本棚が設置されていました。この本棚はいずれも私物で、共用文庫のような形になっています。みんながそれぞれに必要だと考える本を持ってくるため、「アニメーターズ サバイバルキット」が複数並んでいました。


「エントリー」セクションの横から「コンポジット」セクションの方を振り返ってみたところ。エントリーセクションにいるのは入って2年目ぐらいまでの人たち。本人の希望を尊重しつつ、どのセクションに特化していくかを見定めつつも、すでに戦力として加わっています。


先ほど見えていたミーティングスペースはこんな感じになっています。


ミーティングスペースの向かいにある「ファミレスブース」。食事時に使われるほか、コンセントがあるのでここで作業したり、新宿の街並みを見ながらリフレッシュしたりという形で使われています。


2つ並んだ自動販売機は飲料と食品のもの。会社が費用を負担し、リーズナブルな価格で提供されています。


会議室には大きなスクリーンとスピーカーが設けられていて……


頭上にプロジェクターとリアスピーカー。音響がサラウンド対応なので、機密性の高い話をするときだけではなく、ちょっとした上映もここで行われるそうです。


また、「アフターファイブは新宿の街を楽しんでもらいたい」という思いから、定時になると某声優によるアニメーションボイスでの退社アナウンスが流れ、積極的に定時退社を促しています。

「あした世界が終わるとしても」の舞台でもある新宿で作品を生み出すクラフタースタジオ。櫻木優平監督が、「クラフタースタジオ」として一枚岩になるのではなく、複数の監督がいろいろなことをできるように動いていくと語っていたように、これからさらにいろいろな作品を世に送り出してくれるはずなので、要注目です。

「あした世界が終わるとしても」櫻木優平監督インタビュー、コンテなしで3Dレイアウトから作品を作り上げる制作手法とは? - GIGAZINE

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in 取材,   映画,   アニメ, Posted by logc_nt

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