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健康な精子を冷凍保存して未来の子孫繁栄に備えるキット「Dadi」


不妊症の検査は女性が受けるものと男性が受けるものがあります。男性の場合、精液検査を行い、精液量・精子濃度・運動率・運動の質・精子の形態・感染の有無などが調べられることとなります。男性の場合は検査室で専用のケースに射精する必要があり、体験談を読むとお世辞にも気持ちの良い経験とは言えないことがわかります。そんな気まずい体験をする必要がなくなるキットが「Dadi」で、医療機関に出向くことなく自分の精子を保管&精液検査することが可能です。

Dadi - Sperm storage, male fertility report, and at-home collection kit.
https://www.dadikit.com/

アメリカの場合、カップルの20%が不妊症と診断される可能性があり、そのうち50%が男性の精子の質の悪さが原因となっているそうです。それだけでなく、男性の場合、40歳以上になると20代の頃と比べると精子の数が減少します。精子の数が減ると流産のリスクが高まるだけでなく、子どもが先天性欠損症や神経認知機能障害といった障害を持って生まれてくる可能性が高くなるというリスクもあります。

しかし、世界的にみても男性が子どもをもうける年齢は年々遅くなっています。それに対して、40歳の男性が精子を受精させるのにかかる時間は、25歳の男性よりも5倍も長くなることが明らかになっており、年をとってから子どもを授かろうとすることがいかに危険なことであるかがわかるはず。

そういった危険性を軽減するために考案されたのがDadiです。Dadiは自宅で精液検査を行い、その精子を1971年から人の細胞や体組織を冷凍保存する技術を開発してきたNew England Cryogenicsの技術で冷凍保存するというサービス。医療機関に行くことなく精液検査ができるというだけでなく、パートナーが居ない人でも健康な状態の精子を未来のために保存しておくことが可能になります。


キットに精液を入れて指定の送り先に配送すると、キット到着から24時間以内に研究所の技術者から精液検査結果レポートが送られてきます。レポートでは精液量、精子濃度などが分析・評価されており、自身の精子の様子を映したムービーも共に送られてくる模様。


なお、記事作成時点ではDadiはアメリカでのみサービス提供中です。キットで回収された精子はテストの後、New England Cryogenicsが所有するボストンの施設に保管されます。Dadiは通常の精子バンクなどの10分の1程度の価格で利用可能で、キットが99.99ドル(約1万1000円)、保管料が年間99.99ドル必要となります。加えて、月額講読プランとして月々9.99ドル(約1100円)の支払いを行うプランもあります。

Dadi - Sperm storage, male fertility report, and at-home collection kit.

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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