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人間が死後に埋葬される「墓地」はどのように移り変わってきたのか?

by stevekeiretsu

全ての人は最終的に死に至り、その多くが墓地へと埋葬されます。薄気味悪く恐ろしいネガティブなイメージがつきまといがちでありながらも、古くから人間の生活と密接に関わってきた墓地の歴史について解説したムービーがYouTubeで公開されています。

The fascinating history of cemeteries - Keith Eggener


海外の墓地といえば古い枯れ木がポツンと立っており……


おどろおどろしく不気味な印象があります。


しかし、ほんの少し昔には今と違い……


墓地には花が咲き乱れ、人々が集まる場所だった時代がありました。死者が埋葬される墓地はいったいどのようにして発生し、今日のような形になったのでしょうか。


人類の長い歴史から見れば、遺体を埋葬するようになったのは最近のことで、それまで人々は他の様々な方法で死者と別れてきました。たとえば、洞窟の中や樹上、山の上に放置したり……


湖の底に沈めたり、海に浮かべたり、時には食人儀礼を行うこともあったとのこと。


現代人から見れば奇異に映るかもしれないこれらの方法は、全て死者を崇拝する作法でした。


最古の土葬はおよそ12万年前に行われたと考えられており……


犯罪者を通常の儀式から除外するために、あえて土に埋める方法を選んだとみられています。


しかし土に埋めることにより、遺体を食べる動物から遺体が守られ……


遺体が腐敗していく過程を人々が見ずにすむという利点が明らかになりました。


そこで人々は考え方を改め……


死者を敬うための墓地を作り、その中に埋葬されることが一般的になっていったそうです。


墓の中には実用的な道具や儀式のための道具などが、副葬品として一緒に埋葬されることもありました。


これらの道具は、死者が死後の世界で必要とするものだと考えられていたのです。


共同墓地は北アフリカや西アジアで、およそ1万年~1万5000年ほど前に初めて登場しました。


人々が同じところに定住するようになった結果、死者を永続的に記念するための場所が作られるようになったとのこと。


中央アジアからヨーロッパにかけて遊牧民が作った墳丘墓クルガンと呼ばれ……


イタリア半島の先住民族であるエトルリア人は、格子状に整然と並べたネクロポリスと呼ばれる広大な墓地を作りました。


また、ローマ人はカタコンベと呼ばれる地下の墓所に遺体や火葬した灰が入ったつぼなどを埋葬しました。


「Cemetery(共同墓地)」という言葉は古代ギリシア人が最初に使い始めたそうで、彼らは都市の端に共同墓地を建設したそうです。


中世ヨーロッパでは死者を埋葬するために教会が土地を提供しましたが……


墓地では市場やその他のイベントも開催されていたとのこと。


農家は墓地で牛を放牧し、墓地に生えた雑草を食べさせることもあったそうです。


都市が産業革命によって発展するにつれて、郊外の広大な共同墓地が都市内の小さな墓地に取って替わりました。


110エーカー(約44万平方メートル)もの土地を誇るパリ東部のペール・ラシェーズ墓地や、ボストンの西にある72エーカー(約29万平方メートル)もの面積を持つマウントオーバーン墓地など、広大な墓地が郊外に建設され……


郊外に建設された墓地には豊かな自然や華やかに彫刻された墓があり、非常に魅力的な場所として人気を集めたとのこと。


墓地にはさまざまな階級の人々が訪れるようになり……


葬儀のためだけでなく記念日や休日の集会、単に午後の休息場所として墓地を利用することもありました。


ところが、19世紀後半になると多くの公園や植物園が作られるようになったため、墓地に集まる人々が減少。


今日に至るまで、墓地はさみしく薄気味悪い場所として認知されています。


人間は近年、従来の埋葬法を続けるべきかどうかを考える必要に迫られているとのこと。


ロンドンやニューヨーク・香港などの大都市では埋葬する場所が一杯になっており……


埋葬場所に余裕があっても墓地はその土地を永久に使い続け、他の用途に転用することができません。


また、伝統的な埋葬には金属や石などの資源を必要とし、時には有害な物質が周囲の土地に広がってしまうこともあります。


人々は新たな埋葬の選択肢を模索しており……


遺体を焼くことへの抵抗が強いキリスト教圏でも、火葬の習慣が広まりつつあるそうです。


遺体を焼いて灰にすることで、遺灰を宇宙に打ち上げる宇宙葬や木々の肥料とする樹木葬などの選択が可能になります。


中には遺灰を宝石にしたり花火にしたり、タトゥーのインクにしたりといった方法で利用する場合もあるとのこと。


新たな埋葬の選択肢が、今後は主流になっていくかもしれません。

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in 動画, Posted by log1h_ik

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