サイエンス

タンポポは種を遠くに飛ばす植物の中でも特に効率のいい仕組みになっている

by Nine Köpfer

タンポポの種が風に乗って飛んでいく光景はそう珍しいものではありませんが、同じように種を遠くに飛ばす仕組みの翼果に比べたときに、単位面積あたりの空気抵抗が4倍以上あり、はるかに効率がいい仕組みになっていることが研究によって明らかになりました。

Dandelion seeds fly using ‘impossible’ method never before seen in nature
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07084-8


A separated vortex ring underlies the flight of the dandelion | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-018-0604-2

この研究はエディンバラ大学分子植物学研究所の中山尚美さんやイグナチオ・マリア・ヴィオラさんらが行ったもので、2018年10月17日付けの「Nature」に掲載されています。

The secret physics of dandelion seeds - YouTube


タンポポの種は息を吹きかけるとふわっと広がって飛んでいくので、子どもには大人気。一方で、ガーデニングをしている人などからは不人気です。


頭部についている綿毛(冠毛)のおかげで落下スピードが遅くなり風に乗って遠くまで広がるような仕組みになっているのは自明です。しかし、種を遠くまで飛ばすだけなら、種が翼のような形状の翼果でもよいはずで、なぜ冠毛なのかは明確になっていませんでした。


そこで、研究チームは垂直風洞を使い、種子を自由に飛行させたときと、固定した場合の空気の流れを可視化しました。


結果、冠毛の上方に安定して気泡が生まれることがわかりました。


この部分の空気の流れは、冠毛により安定するように調整されていると考えられるとのこと。


冠毛によって生じる単位面積あたりの空気抵抗は、翼果のような固体と比較して4倍以上だったそうです。これはつまり、軽量の種子を広範囲に散布するにあたって、冠毛状種子が翼果よりも効率的であることを示していると、研究チームは主張しています。


ちなみに、翼果として知られるカエデの種子はこんな形です。

by Comrade King

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