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Linuxディストリビューション「Ubuntu 18.10」は6年の時を超えてどれだけ進化したのか、「Ubuntu 12.10」との性能比較レポートが公開中


2018年10月18日にリリース予定のLinuxディストリビューション「Ubuntu 18.10」と2012年にリリースされて2017年4月にサポートが終了した「Ubuntu 12.10」とのベンチマーク比較を、Linux機器のレビューを行うPhoronixが報告しています。6年という月日を超えて、Ubuntu 18.10はUbuntu 12.10に比べてどれだけ速くなったのか、そして2018年1月に発覚したIntelプロセッサの致命的な脆弱性の影響はどれだけみられるのかの検証となっています。

The Ubuntu Linux Performance Over The Past Six Years On An Intel Xeon Server - Phoronix
https://www.phoronix.com/scan.php?page=article&item=ubuntu1210-1810-xeon


Phoronixのマイケル・ララベル氏は、新しいサーバーを導入するために、Intel Nehalem世代のCPUを搭載した古いサーバーをラックから撤去しました。そして、このサーバーを利用して、記事作成時点で最も新しいバージョンであるUbuntu 18.10のベンチマークを行おうと考えたとのこと。

撤去したサーバーの画像と性能が以下。


CPUIntel Xeon E5540 (2.53GHz・4コア・8スレッド)×2基
マザーボード:Oracle SunFire X4170
チップセットIntel 5520 I/O
メモリ:36GB DDR3 RAM
ディスク:300GB SASドライブ×8基
ネットワークIntel 82575EB ギガビット・イーサネット・コントローラー

ララベル氏はUbuntu 12.10とUbuntu 18.10、さらに2018年1月に発覚したIntelプロセッサの致命的欠陥であるSpectreとMeltdownの対策を外したUbuntu 18.10の3パターンで、オープンソースの「Phoronix Test Suite」を使ってベンチマークを行いました。

◆1:ストレージへのアクセス
シーケンシャルアクセスは、読み込みと書き込みの両方で、Ubuntu 18.10の方がUbuntu 12.10よりも数MB/秒遅くなっていたそうですが、大きく差がついているというわけではありません。


また、コードコンパイルのパフォーマンスをシミュレートするコンパイルベンチテストでは、普通の18.10よりも、Spectre・Meltdownの対策を外した18.10の方がスコアが良く、Intelの脆弱性による影響が大きく出ていることが判明しました。


◆2:システムテスト・圧縮・エンコード
チェスプログラムでCPUのパフォーマンスを調べたところ。わずかに12.10のほうが毎秒に処理できるノードが多かったことがわかりました。一方で、7-Zipの圧縮速度では、18.10の方に軍配があがりました。


Gzip形式のアーカイブファイル作成では、両者とも互角。


LAME MP3エンコーダーを使ったMP3エンコーディングでは、18.10の方が12.10よりもわずかに速かったとのこと。


◆3:プロセス間通信のテスト
「stress-ng」コマンドで負荷をかけてみたところ。暗号性能はわずかに18.10の方が上回っています。


しかし、forkの速度は12.10に比べるとかなり遅くなっていたそうです。


セマフォは12.10に比べて、18.10は爆速になっていました。


ソケットのアクティビティでは、12.10に比べて18.10はパフォーマンスが落ち、さらにSpectreとMeltdownの影響が大きく見られたとのこと。


メッセージパッシングでは、一見すると18.10は12.10に比べてパフォーマンスが劣るように見えますが、SpectreとMeltdownのパッチをオフにするとパフォーマンスが劇的に向上していて、Intelの脆弱性の大きな影響がうかがえます。


◆4:R・PostgreSQL・Redisのパフォーマンス
Rスクリプトのパフォーマンスは、12.10から18.10に移行することで大幅に改善されたとのこと。


一方で、PostgreSQLとRedisは18.10に移行することで明らかに作業負荷が大きくなっていて、特にSpectreとMeltdownのパッチによる影響が明確に見られたとのこと。


◆5:Python・PHPのパフォーマンス
Ubuntu 18.10におけるPythonスクリプトのパフォーマンスは、12.10から明らかに改善されていました。


Ubuntu 12.10のリリースから18.10のリリースの間にPHP5からPHP7に移行したこともあり、PHPスクリプトのパフォーマンスも18.10で大幅な改善がみられたとのことでした。


なお、ララベル氏によると、レビューに使用したサーバーは数年後に再び性能比較を行う日まで、箱詰めにして保管する予定とのことです。

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in ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by log1i_yk