トランプ大統領に激怒したトルコのエルドアン大統領がiPhoneなどアメリカ製品の不買を国民に呼びかけ
by Jeff Djevdet
トルコとアメリカとの外交関係が悪化する中で、トルコのデフォルト(債務不履行)リスクが2008年の金融危機以来の高さに到達しています。これに対して、トルコのエルドアン大統領が自国経済を守るための一致団結した戦いを国民に呼びかけました。戦いの一例として、AppleのiPhoneなど、アメリカ製電化製品の不買を促しています。
Erdogan says Turkey will boycott US electronic goods, including Apple’s iPhone
https://www.cnbc.com/2018/08/14/erdogan-says-turkey-will-boycott-us-electronic-goods-including-apple.html
トルコリラ安一服、大統領は米電化製品の不買呼び掛け
https://jp.reuters.com/article/turkey-security-usa-erdogan-idJPKBN1KZ0XW
トルコとアメリカとの対立は、2016年7月に発生したトルコの軍事クーデター未遂事件にアメリカ人のアンドリュー・ブランソン牧師が関与していたとして拘束されたことに端を発しています。ブランソン牧師は20年以上にわたってトルコに住んでいて、事件を起こしたグループを支援していた罪に問われています。
ブランソン牧師は2018年7月末に自宅軟禁に移されたものの、裁判自体は続いているためトルコを離れられない状態。アメリカは牧師の解放を要求していますが、トルコは拒否し続けています。このため、アメリカのトランプ大統領は8月10日(金)に、トルコから輸入する鉄鋼やアルミニウムの追加関税倍率を倍にするなど、経済制裁の強化を発表。経済制裁の強化を発表。これによってトルコリラは急落しています。
一方、これらの措置を受けてもトルコのエルドアン大統領はアメリカへの強硬な姿勢を崩していません。首都アンカラで行った演説では、国民に対してアメリカ製の家電製品の不買や、ドルやユーロの売却によるリラの下支えなど、挙国一致体制での戦いを呼びかけました。
iPhoneに関しては具体的な製品名を挙げた上で、Samsung製品や自国製品への乗り換えを促しています。
ただ、国民は過去に同様の外貨からリラへの交換を呼びかける声に応じて財産を失ったという教訓から、この動きに対して冷ややかな反応だとのこと。
なお、トルコリラ急落を受けて金融市場は混乱しており、アルゼンチンをはじめ中南米諸国などへも影響が広がっています。
・関連記事
旅に出てから知ったイラン・トルコ・アラブ諸国とイスラムについて - GIGAZINE
イスタンブールオリンピック開催を目指したトルコという国の景色 - GIGAZINE
本場のトルコ式風呂「ハマム」に行ってみた - GIGAZINE
トルコの軍事クーデターで一体何が起きていたのかがわかるムービー・写真まとめ、街中を走り回る戦車・人々を銃撃するヘリコプター・低空飛行する戦闘機など - GIGAZINE
トルコでソーシャルメディアが大規模に遮断される事態が発生、当局による規制との見方も - GIGAZINE
WikiLeaksがトルコのクーデターに関して大統領のメールを含む10万点以上の資料公開を予告、サーバーに謎の攻撃を受ける - GIGAZINE
100年以上も解読されなかったヴォイニッチ手稿が「古いトルコ語で書かれている」とする説が登場 - GIGAZINE
・関連コンテンツ