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東京オリンピックの猛暑に対してカナダ選手は「飲み込める錠剤型コンピューター」で対抗する

by Marco Verch

2020年に開催される予定の東京オリンピックは7月から8月にかけて実施される予定となっていますが、2018年の日本は記録的な猛暑に襲われており、2020年のオリンピック期間中も非常に気温が高くなることが予想されています。そんな中、カナダでは過酷な環境下で選手にベストのパフォーマンスを発揮させるために、「小型コンピューターを飲み込む」ことが計画されています。

Computerized pill will be part of Canada's preparation for heat at Tokyo Olympics | CBC Sports
https://www.cbc.ca/sports/olympics/japan-heat-tokyo-2020-games-pill-1.4772921

2020年の東京オリンピックに出場するカナダの選手団は、トレーニングや競技中に体の奥の深部体温を測定する小型コンピューターを飲み込み、非常に暑くなることが予想される東京オリンピックに準備するとしています。2016年リオデジャネイロオリンピックの50km競歩で4位に食い込んだエバン・ダンフィー氏は、この深部体温を測定する小型コンピューターを飲み込んだ状態で、2018年8月中旬に開催されるNACAC主催の陸上競技大会に出場する見込みです。

スポーツ科学者のトレント・シュテリンヴェルフ氏はカナダのオリンピック選手団と共に、東京オリンピックへの対策を考えています。シュテリンヴェルフ氏は「エバンのような選手に小型コンピューターの錠剤を飲ませて、選手が4時間の競技を終えた後に、競技中の30秒ごとの深部体温データを得ることができます」と述べました。

人間の深部体温は競技のパフォーマンスに影響を及ぼしますが、深部体温が下がりすぎても上昇しすぎてもベストなパフォーマンスを発揮することはできません。また、深部体温を左右する要因は外気温や湿度だけではなく、運動の強度も大きく関わっているとのこと。錠剤型小型コンピューターはBluetoothで外部の受信機と連携し、シュテリンヴェルフ氏はリアルタイムで選手の深部体温データを監視することが可能。選手が遠くへ行ってしまい電波が届かない範囲まで離れてしまっても、コンピューター本体にデータは蓄積されているため、再び電波の届く範囲に戻ってきたコンピューターからデータを受信することができます。

by U.S. Army WCAP

ダンフィー氏はこの新たなデータ測定手法について、「これまでに得ることのできなかったデータを収集することによって、競技者の体温について分析する方法は大きく変化するでしょう。競技が終わった後にトレントが近づいてきて、受信機をかざすだけで胃の中からデータを受信できるなんて、これまでには考えられませんでした」と語っています。ダンフィー氏とシュテリンヴェルフ氏は、競技中のパフォーマンスと深部体温について分析することで、「一体どのようなコンディションであれば体にさらなる負荷をかけることが可能で、どういうコンディションであれば無理するべきではないのか」といった見極めが可能になり、深部体温にもとづいたレース計画を立てられると考えている模様。

「脊髄の損傷が汗をかく能力を阻害するケースがあるため、パラリンピック選手にとっても東京の暑さに対する準備は必要です」とシュテリンヴェルフ氏は述べています。通常、人間は汗をかくことで体温を下げることができますが、汗をかく能力が低くなっている場合、上手に体温を下げることができない可能性があるとのこと。

カナダ選手団が使用する錠剤型小型コンピューターは、小型の無線センサーや体内監視システムを開発するフランスの企業である、BodyCapによって製作されたもの。コンピューターは1個およそ70ドル(約7700円)で、再使用は不可能だそうです。カナダ選手団は小型コンピューターの他にも、汗に含まれるナトリウムやグルコース、およびタンパク質を測定するパッチを競技者が着用するなど、さまざまな最新機器を利用して東京オリンピックの過酷な環境に対処する予定です。

by Quino Al

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by log1h_ik