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日本語の「積ん読」が海外メディアのBBCに紹介される

by Sharon McCutcheon

買っても読まないまま机や本棚にたまっていく本や新聞、雑誌などのことを「積ん読」と呼びます。本は腐ることがないのでついつい新しいものや興味のあるものを見つけると購入してしまいがちですが、この日本独自の「積ん読」という用語をBBCが紹介しています。

Tsundoku: The art of buying books and never reading them - BBC News
https://www.bbc.com/news/world-44981013

アンドリュー・ガースル教授はロンドン大学で近代以前の日本の書籍について教えているという人物です。ガースル教授によると、「積ん読」という単語が登場したのは想像よりも早く、1879年に印刷された書物には既に「積ん読」という文字が印刷されており、それ以前から使用されていた用語である可能性が高いとされています。


ガースル教授は、「1879年に出版された森銑三の著書に、『積ん読先生』というフレーズが登場している。たくさんの本を持っているが、すべてを読めてはいないという教師を風刺的に表現している可能性が高い」と、積ん読という単語が古くから使用されているものであることを指摘しています。

また、ガースル教授は「積ん読は侮辱のように聞こえるかもしれませんが、日本では何の烙印も持たない」と、日本ではごく一般的に使用されている表現であることも説明しています。

How many books is too many books for a tsundoku-like pile? pic.twitter.com/eLjyVTxyec

— Ella Frances Sanders (@ellafsanders)


海外には「積ん読」と似た言葉である「bibliomania(ビブリオマニア)」があります。この単語の意味は「蔵書癖、書籍収集マニア」などで、19世紀にトマス・フログナル・ディブディンが記した小説のタイトルにもなっています。ディブディンによると「啓蒙主義に苦しんでいた人々は初版や図版など独特の本に執着していた」とのことで、初期の「bibliomania」は、強迫観念にも近いような用途で使われていたことがわかります。しかし、オックスフォード英語辞典によると「bibliomania」は「書籍の収集と所持に情熱的な熱意を持った人」を指す言葉とされており、現代になって少しずつ意味が変わってきていることがわかります。

Bibliomania: passionate enthusiasm for collecting and possessing books http://t.co/eNISKKoFi4

— Oxford Dictionaries (@OxfordWords)


「積ん読」と「bibliomania」には同じような意味がありますが、重要な違いがあるとのこと。「bibliomania」が書籍をコレクションすることが目的となっているのに対し、「積ん読」は本を読む意志がある中で、偶発的にコレクションがたまっていくことを示しているため、2つの用語には微妙な差異があるわけです。

「積ん読」は読書に関する用語ではありますが、同じような現象を人生のさまざまな場面で経験したことがあるという人も多いはずです。例えば、見ようと思って録画しておいた映画やテレビ番組がレコーダーの中にたまっているだとか、購入したものの1度も着ていない衣服がたくさんあるなど、事例には事欠きません。

特にBBCは「プレイしようと思って購入したものの未プレイのままたまっているゲーム」をピックアップし、「Steamで開催された値引きセールにより『Steam積ん読』が加速しているゲーマーは多いのでは」と指摘しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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