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グリーンランドの氷河で巨大な塊が分離して海に流れ出す瞬間が激写される


グリーンランドの氷河「ヘルハイム・グレイシャー」から全長6kmの氷山が分離して漂流する決定的瞬間を研究者らがカメラで捉えました。

Dramatic Video Captures Moment Towering Iceberg Splits from Greenland Glacier
https://www.livescience.com/63008-greenland-glacier-births-iceberg-video.html

See a Giant Iceberg Fall Into the Sea - Atlas Obscura
https://www.atlasobscura.com/articles/see-a-giant-iceberg-fall-into-the-sea

2018年6月22日23時に始まった巨大な氷山が分離する様子は以下のムービーから見ることができます。なお、現実には氷山が分離するまでに30分の時間を要したのですが、ムービーでは90秒に編集されています。

NYU Scientists Capture 4-mile Iceberg Breaking in Greenland - YouTube


これがその時の様子。じっと観察していると……


手前の氷山が氷河を離れ、氷が大きく崩れ落ちます。


離れた氷山はゆっくりと海に流されていき……


今度は奥の方の氷がごっそりと崩れました。


最初の地形と比べるとその違いは明らか。


巨大な氷の塊がいくつも浮き沈みを繰り返し……


氷山は海へと流されていきます。


ムービーでは規模がいまいち分かりづらいのですが、流された氷山の大きさは、ニューヨーク・マンハッタン島の以下の黄色い枠の部分に相当します。


巨大な氷が氷河から海へと流れ出した時に懸念されるのが、海面レベルの上昇についてです。ただし、研究を率いているニューヨーク大学のDavid Holland教授によると、今回のような巨大なスケールで氷山が分離する理由や分離の海面レベルへの影響は、まだわかっていないとのこと。

世界で最も大きな氷河は南極であり、南極西部の氷床が失われることで、3m近い海面上昇があるとも予測されています。しかし、南極の氷床は衛星から観測されていますが、地表から離れた場所から観測されたデータを集めるのは非常に困難な作業だとHolland教授は述べています。


一方で、グリーランドの氷河はよりアクセスしやすいため、Holland教授の研究チームは10年の月日をグリーンランドの氷河の観測に割き、氷河の動きを観測してデータの収集を行っています。その結果、氷山が氷河から分離する決定的瞬間をカメラに収めることに成功したわけです。ムービーは、氷が分離した瞬間に海面レベルの上昇を観測しているとともに、氷河の崩壊パターンを捉えているとのこと。

分離の瞬間を撮影したDenise Holland氏によると、研究チームはフィヨルドでキャンプを行っていたときに、5分以上にわたるとどろきを聞いたとのこと。このとどろきと、過去の経験から「何か決定的な瞬間が迫っている」ということを直感したのだとDenise氏は語っています。

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in サイエンス,   動画, Posted by darkhorse_log

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