「三角形に変形するホイール」で悪路の走破性能が向上
通常時は円形ですが舗装されていない不整地などの悪路を走る時には形状が三角形になることで走破性を高める、全く新しいタイプの自動車用ホイール「Reconfigurable Wheel-Track(RWT)」が、アメリカの軍用技術開発機関「DARPA(国防高等研究計画局)」で開発されています。
DARPA Literally Reinvented The Wheel For Army Combat Vehicles
https://taskandpurpose.com/darpa-wheel-combat-vehicles/
RWTは、DARPAが進めている軽量で高い防御性を備えた車両の開発プロジェクト「Ground X-Vehicle Technologies(GXV-T)」の一環として開発されているもの。実際にどのように動作するのかは、以下のムービーで見ることができます。
Humvee with reconfigurable wheel-track DARPA GXV-T - YouTube
RWTを前後輪に装着したアメリカ軍用車両Humvee(ハンヴィー)。前輪のホイールがおむすび型に変化していることがわかります。
RWTはホイール形状を2種類に変化させることが可能。通常時にはこのような円形をしていますが……
不整地や未舗装路などを走る際には、このようにホイールの形状が三角形に変化。こうすることで、ぬかるんだ地面などの悪状況でも確実に走行できるようになります。
RWTは、走行中にでも形状を変化させることが可能。丸いホイールのまま走っていたと思ったら……
わずか2秒ほどでホイールが三角形に変化。この時、ホイールは固定されて外側の黒いベルト部分だけが動くので、車体がガタガタすることもありません。
ホイールをアップで見るとその仕組みがよくわかります。ホイールには油圧式と思われる特殊な装置が備え付けられており、各輪に6つある銀色の部分が動くことで形状が変化。
三角状態になるときには、銀色のパーツの角度が変化します。
RWTは開発が進められている技術で、具体的な実用化の日程などは未定の状況であるとのこと。DARPAではさまざまな技術の開発を進めており、以下のムービーでは自動運転車に使われているものと同じレーザー計測装置「LIDAR」を搭載して遠隔で運転ができる車両や、斜めに傾いた斜面でも難なく走ってしまう車両などの新しい技術を見ることができます。
Demonstrations of DARPA's Ground X-Vehicle Technologies - YouTube
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