ホログラフィックディスプレイ&高性能カメラモジュールシステム搭載の「RED Hydrogen One」に触れるムービーが公開される
高性能フィルムカメラメーカーのREDが開発中のモジュラー式スマートフォン「Hydrogen One」が、RED主催のイベントで公開されました。プロトタイプのHydrogen Oneは、世界初とされるホログラフィックディスプレイの威力やモジュールパーツで作り出す高性能カメラエコシステムの可能性を感じさせるデキになっているようです。
Hands-on with the RED Hydrogen One, a wildly ambitious smartphone - The Verge
https://www.theverge.com/2018/5/19/17372510/red-hydrogen-one-smartphone-hands-on-photos-video
発売が目前に迫り製品版に限りなく近い「Hydrogen One」に触れた様子は、以下のムービーで確認できます。
RED Hydrogen One hands-on - YouTube
REDの「Hydrogen One」のタッチ&トライイベントに参加するため、アメリカ・ロサンゼルスのハリウッド地区に来たというThe VergeのDieter Bohn氏。
こんな工場のようなイベント会場だったようです。
テーブルに置かれたタッチ&トライ用のHydrogen One。
背面には従来のプロトタイプと同様の2眼カメラと赤いマーク。
そして側面。ただし、製品版に限りなく近い状態のHydrogen Oneプロトタイプは、ディスプレイ面の撮影は禁止だとのこと。
これはHydrogen Oneの大きな特長であるホログラフィックディスプレイの機構「4 view(フォー・ビュー)」に関係がある模様。なお、会場では実際に2つのフロントカメラ+ホログラフィックディスプレイによる2種類の4 view映像を確認でき、互いが3D表示されるホログラフィック状態でのビデオチャットも体験できたとのこと。
なお、YouTuberのMKBHD(Marques Brownlee)氏によるハンズオンムービーでは、以前のHydrogen Oneのディスプレイ面は公開されていました。そのため、新たな仕組みが導入されている可能性がありそうです。
世界初のホログラフィックディスプレイ搭載スマホ「Red Hydrogen」の最終デザインモックとカメラハウジングシステムがムービーで公開される - GIGAZINE
2560×1440解像度を持つ5.7インチサイズのホログラフィックディスプレイは簡単に2Dと3D表示を切り替え可能。AmazonのFire Phoneなど3Dディスプレイ技術を搭載した過去のスマートフォンと比べても進化を感じさせる出来栄えですが、「このディスプレイ自体でHydrogen Oneを高く評価することはない」という表現の感想になっています。
5.7インチディスプレイを搭載するHydrogen Oneは、iPhone 8 Plusよりも大きなスマートフォンだとのこと。
質感もまずまずの模様。
Hydrogen One最大の特長は、カメラシステムの心臓部になるというモジュラーシステム。Motorolaはまずまず成功、Essentialは成功せず、GoogleのAraにいたっては悲惨な結末という、スマートフォンにとって鬼門となるモジュラーシステムのデキがHydrogen Oneの存在意義を決定することになると考えられます。
モジュラーシステムの証である専用の端子。
なお、REDが出願したモジュラーシステムの特許については以下の記事で確認できます。
世界初のホログラフィックスマホ「Hydrogen One」をデジタルシネマカメラに変える驚愕のハウジングシステムをRedが特許出願中 - GIGAZINE
Hydrogen Oneは、REDの「EPIC-W」などの高性能カメラのディスプレイにしたり……
「カメラセンサー+レンズ」モジュールも計画されている模様。富士フイルム、キヤノン、ニコン、ライカなどカメラメーカーの一眼用レンズとの組み合わせが想定されています。
アルミニウムモデルが1195ドル(約13万3000円)、チタニウムモデルが1595ドル(約17万7000円)と高価なHydrogen Oneは、一般的なスマートフォンとしての利用を考えるユーザーにとっては不向きだとのこと。
ただし、REDシリーズなど最高のカメラ体験を求めるごく少数の限られたユーザーにとっては、Hydrogen Oneとモジュールキットが作り出すエコシステムは、他に代わる物のない唯一無二の存在になる可能性があるとBohn氏は述べています。
ムービーでは触れられていませんでしたが、Hydrogen OneにはUSB Type-Cポートやステレオスピーカー、ヘッドフォンジャックが搭載されています。また、会場の参加者によると「A3D」サウンドというDolbyのようなサラウンド機能も持ち合わせているそうです。
電話機能やインターネット機能など一般的なスマートフォンの利用は完全なオマケで、ホログラフィックディスプレイ&カメラシステムモジュールというニッチな市場向けに作られる高価格スマートフォン「Hydrogen One」は、2018年8月の発売が予想されています。
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