試食

しょうゆ流行前に使われていた江戸の万能調味料「煎り酒」とは?2種を食べ比べてみました


煮きった日本酒に梅酢と昆布だしを加えた「煎り酒」は江戸時代から万能調味料として使われてきました。だしのうまみがあり塩分はしょうゆのおよそ半分と減塩仕様で、刺身やたまごかけご飯、煮物など、さまざまな料理に生かすことが可能とのこと。一体どんな味なのだろう?ということで、実際に購入して使ってみました。

煎酒(いりざけ)・小 - 銀座三河屋
http://www.ginza-mikawaya.jp/?pid=19707571

煎り酒|茅乃舎|久原本家通販サイト
https://www.k-shop.co.jp/kayanoya/seasoning/irizake/

今回購入した煎り酒は2種類。左が銀座三河屋の煎り酒で、右が茅乃舎の煎り酒です。


銀座三河屋の煎り酒は小サイズ・300mlのものが税込756円。


原材料名を見てみると、梅酢・しょうゆ・かつおぶしエキス・清酒・砂糖・ぶどう糖・こんぶエキスと続きます。


カロリーは100mlあたり90kcal。


一方で、茅乃舎の煎り酒は150mlあたり税込540円。100mlあたりの価格は茅乃舎の方がやや高めです。


原材料名の頭に梅酢が来るのは同じですが、その後は酒・水あめ・小麦発酵調味料、砂糖、かつお節だし、食塩、米発酵調味料、酵母エキス、しょうゆ、魚醤(かつお)、昆布、煮干しだし(いわし)、焼きあごだし、かつお節エキスと並び、三河屋とはかなり違います。


まずはテイスティング、ということでそのまま試食してみます。左が銀座三河屋で、未右が茅乃舎。


お皿に入れてみたところ、色はほぼ同じ。


まずは銀座三河屋からテイスティング。どちらの煎り酒もお皿に流し入れた瞬間にフワッっとだしのよい香りが広がりますが、銀座三河屋はその後にしょうゆのような香りが残ります。そのままなめてみても、「ん?しょうゆ?」と一瞬よぎり、その後に甘さと梅酢の酸味が感じられました。酸味のあるだし醤油っぽい雰囲気です。


一方、茅乃舎の煎り酒は口に入れた瞬間に梅の酸味と、だしの強い風味を感じます。しょうゆっぽさは少なく、かといってポン酢とも違う、優しい調味料という感じ。


しょうゆのように刺身や豆腐に合う、とのことだったので、実際に刺身を買ってきました。


白身の刺身を銀座三河屋の煎り酒で食べてみたところ、そのままなめると感じていた酸味が存在感をなくし、甘めのだしじょうゆを付けているような雰囲気に。しょうゆのようであってしょうゆでなく、かといってポン酢とも違うのですが、銀座三河屋の煎り酒は特に淡泊な刺身とよくあいました。


一方で、茅乃舎の煎り酒は梅の風味やだしの風味が強いので、刺身と食べても風味が負けていません。


いずれも、淡泊な魚だと煎り酒の風味がマッチするのですが、サーモンのように脂が多い魚だと、煎り酒が魚の味に負け気味になります。それだけ優しい味ということなのですが、醤油をベースにしていない茅乃舎の方が、よりしっかりと煎り酒の風味を感じられる印象でした 。


食べた編集部員から「これってかつおのたたきのタレに似ていないか?」というコメントがあったので、食べ比べてみました。


かつおのたたきを付属のタレで食べてみたところ、付属のタレはややポン酢に近い味わい。


付属のタレが「酢」という感じの角のある酸味だったのに対し、煎り酒は梅の風味が感じられるぶん、少し丸みのある酸味だと感じられました。茅乃舎の煎り酒の方が酸味が強いのでポン酢に近いのですが、風味は別もの。三河屋、茅乃舎ともに付属のタレよりも「風味豊か」という表現がぴったりでした。


豆腐にも合わせてみました。しょうゆよりも優しい味なので、たっぷりかけて食べます。


いずれも、刺身よりも豆腐の方が煎り酒特有の風味を感じられます。


特に茅乃舎の方は梅酢の風味の強い主張があり、発酵食品のようなお酒のような独特の香りが感じられました。刺身・豆腐ともに「いける」「おいしい」と食べた編集部員からは好評だったのですが……


たまごかけご飯に使ってもかなりアリでした。


たまごかけご飯にすると、しょうゆベースの銀座三河屋は酸味が目立たなくなり、「甘めのだししょうゆを使ったたまごかけご飯」という感じでかなりグッド。一方で、茅乃舎はさらにだしの風味が強く、さらに梅酢の甘酸っぱさもあり、「これは何かが違う!」とはっきり感じられる仕上がりになります。市販のだしじょうゆと一線を画していたので、新しい味に挑戦したい場合は茅乃舎の煎り酒がオススメです。


さらに、煮物にもできるとのことなのでチャレンジ。茅乃舎の公式ページによると水150mlに対して大さじ3の煎り酒で煮物にできるとのこと。


茅乃舎と三河屋、両方でカレイの煮つけを作ってみました。


まずは三河屋の煎り酒で作った煮物から食べてみます。


刺身の場合は「普通のだししょうゆとそんなに変わらないような?」という気がしていた三河屋の煎り酒ですが、煮物にすると酸味がしっかりと存在感を放っていました。梅酢が煮物をさっぱりと仕上げており、調味料1つの中にしょうゆ・だし・酸味の要素が入っているので、複数の調味料を合わせずとも一発で味が決まる点も便利です。


一緒にごぼうを煮てみましたが、だしがしっかりしみていて美味。


もともと酸味の強い茅乃舎はさらに酸っぱくなっているのでは?と思いきや、こっちは淡泊なカレイの味を引き立ててる、どこまでもだしが優しい仕上がり。塩気が少ないのにうまみが凝縮していて、ほのかに梅の香りが感じられる上品な味付けになっていました。


なお、今回使った三河屋の煎り酒は300mlのものが税込756円、600mlのものが税込1296円で、茅乃舎の煎り酒は50mlで税込360円、150mlで税込540円、300mlで税込972円となっており、いずれも公式ページから購入する場合は別途送料がかかってきます。

煎酒(いりざけ)・小 - 銀座三河屋
http://www.ginza-mikawaya.jp/?pid=19707571

煎り酒|茅乃舎|久原本家通販サイト
https://www.k-shop.co.jp/kayanoya/seasoning/irizake/

煎り酒は梅干しやかつお節から家庭でも作ることが可能。ということで、のちほど実際に作ってみた様子をレポートする予定なのでお楽しみに!

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in 試食, Posted by darkhorse_log

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