ハードウェア

HDDの読み書き速度を2倍にするマルチアクチュエータ技術「MACH.2」をSeagateが発表


Seagateがアクチュエータを複数搭載することで読み書き速度を倍増するマルチアクチュエータ技術「MACH.2」を正式に発表しました。また、より信頼性の高いデータ記録を実現する「熱補助型磁気記録(HAMR)」技術採用の磁気ヘッドの開発経過についても発表。実験レベルで1本の磁気ヘッドあたり3.2PB(3200TB)の書き込みに成功していることも発表しています。

Seagate MACH.2 Multi Actuator Technology Breaks Throughput Record; HAMR Reliability Tests Exceed Industry Standards | Seagate Blog
https://blog.seagate.com/enterprises/mach2-and-hamr-breakthrough-ocp/

MACH.2は2017年12月にすでに発表されていたマルチアクチュエータ技術です。

SeagateがHDDのパフォーマンスを倍増させるマルチアクチュエータ技術を発表 - GIGAZINE


これまで1本のアクチュエータによって1つの磁気ヘッドでプラッタを読み書きしていましたが、MACH.2では2本のアクチュエータが、それぞれ外周・内周を個別に担当することで、読み書き速度を文字どおり2倍速にします。Seagateによるとスループットは15000rpmのエンタープライズ向けHDD比で60%アップの480MB/sに到達しているとのこと。また、データフローを並列化することで、データセンターのホストコンピュータがドライブの2つの領域から同時にデータを要求できるため、個々のHDDのIOPS性能が2倍になり、大量のデータを取り扱ってもデータ可用性が低下しないというメリットがあるとアピールしています。MACH.2を採用したHDDは、一部の顧客に提供されており、製品化前のテストが行われているとのことです。


さらに、SeagateはHDDの信頼性を高めるために熱補助型磁気記録(HAMR)技術を開発中です。HAMRは記録密度が高まっても安定してデータの読み書きを実現するためのレーザー熱アシスト技術。プラッタの磁性層を加熱しながらデータを記録する技術で、大容量化を実現するために高密度化するプラッタに対応するためのものでSeagateは長らく開発を続けてきました。

ニアラインHDDの信頼性に関する業界標準は「5年間に2750TBのデータ転送できること」になっています。これは磁気ヘッドが18本あるHDDの場合、磁気ヘッド1本あたりで152TBのデータ転送にあたります。SeagateのHAMR技術では、すでに6000時間のデータ転送実験で磁気ヘッドあたり業界標準の20倍以上にあたる3.2PB(3200TB)の読み書きが実証されているとのこと。


Seagateによると、今後もデータセンターが処理するデータ容量は加速的に増大していくことが予想され、それに合わせて大容量かつ高速なデータアクセスが可能なHDDが求められるとのこと。MACH.2とHAMRの技術は、新世代の容量と性能を実現するものとして近い将来のエンタープライズ向けHDDに適用される予定です。

・関連記事
HDD故障率のメーカー・モデル別統計データ2017年版、故障率が最も高かったのは? - GIGAZINE

容量20TBを持つHDDを2019年までに発売とSeagateが発表 - GIGAZINE

ついに60TBの超大容量SSDをSeagateが発表 - GIGAZINE

ハードディスクが物理的にデータを記録している仕組みがわかるムービー「How do hard drives work?」 - GIGAZINE

HDD故障率はエンタープライズ向けもコンシューマ向けとほぼ同等か、BackblazeがHDD故障率2017Q2レポート発表 - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by logv_to