よいセックスをするためには良質な睡眠を取る必要がある
by Evelyn
「ベッドの上で行う」という共通点を持つ「睡眠」と「セックス」という2つの事柄について問題を抱えるとき、両者の原因は共通することが多く、ストレスもその1つです。フロリダ大学の心理学者であり、セックスの教育者&研究者であるローリー・ミンツ氏は、睡眠不足の解消がセックスの問題を解決し、またセックスの問題を解決することがよりよい睡眠をもたらすとして、両者が相互に関係する旨を述べています。
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https://theconversation.com/want-better-sex-try-getting-better-sleep-91959
◆睡眠が女性のセックスにもたらす影響
ミンツ氏が「A Tired Woman's Guide to Passionate Sex(疲れた女性が情熱的なセックスを行うためのガイド)」といった本を書いたのは、女性が男性よりも睡眠や性的欲求の問題の影響を受けやすいためだといいます。そして特に、女性の性欲低下の理由としては「疲れてセックスを行えない」ということが挙げられます。
ミンツ氏によると、大学生女性を対象にした近年の研究から、長時間眠った女性は翌日セックスに対する関心が高くなるとわかっており、1時間長く眠るだけで翌日にセックスを行う確率が14%上昇するとのこと。また、同じ研究で、より長い時間眠ることと、性的興奮の大きさの間に関連性が認められています。
さらに、閉経後の女性は体調の変化を感じやすいものですが、閉経後の女性において、睡眠の問題は性的な問題とダイレクトに関係していることが判明しています。
母親が抱える睡眠の問題や性的な問題は、やることが多すぎることやストレスが原因となることが多いもの。学校に通う子どもを持ちながらフルタイムで働く母親の多くは不眠症であると報告されていますが、一方でパートタイムで働く母親や外で働いていない母親も睡眠に問題を抱えることがあるといわれています。働き方に関わらず、母親はストレスから睡眠問題や性的な問題を抱えやすいのです。
もちろん父親もストレスと戦っていますが、ストレスからくる睡眠不足が性欲の低下につながるのは、男性よりも女性が多いと2000年の研究で示されています。これは、睡眠不足とストレスがストレスホルモンのコルチゾールの放出を促し、テストステロンを減少させることが1つの理由であると考えられています。テストステロンは男性においても女性においても性欲を働きをしますが、通常は女性よりも男性の方が分泌量が多いもの。そのため、コルチゾールによってテストステロンの量が減少した時に、「性欲減退」という症状が見られるのは女性の方が多くなるわけです。
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◆睡眠が男性のセックスにもたらす影響
ただし、男性も睡眠不足によって性欲が低下するという研究結果は存在します。若く健康な男性を対象とした研究では、睡眠不足がテストステロン値を下げることが確認されており、男性の睡眠時無呼吸症候群は勃起不全や性機能の低下につながりやすいともいわれています。
◆セックスが睡眠にもたらす影響
睡眠がセックスに影響するのに対し、セックスもまた睡眠に影響を及ぼしています。セクシュアリティのカウンセラーであるIan Kerner氏は、セックスが少なすぎると不眠になったり短気になったりすると説明しています。オーガズムの後、前述したコルチゾールは減少し、ストレスを緩和するオキシトシンは増加します。このような減少はパートナーとの結びつきを強めるだけでなく、よりよい睡眠をもたらすという結果を生み出します。
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