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スティーブン・スピルバーグ監督の作品で光が効果的に用いられてるシーンをまとめたムービー


映画における照明は、映したいものを明るく照らすだけではなく、光と影を演出して雰囲気を作り出したり、場面の印象を決定づけたりといった役割も担います。「E.T.」「ジョーズ」「ジュラシックパーク」シリーズなどで知られるスティーブン・スピルバーグ監督の作品で、ライティングが象徴的な場面がピックアップされ、以下のムービーにまとめられています。

The Spielberg Light on Vimeo


「E.T.」の1シーンでは、ハロウィン帰りの主人公たちのシルエットが夕日の中に浮かび上がっています。


またエリオットとE.T.たちが自転車で警察から逃亡するシーンも夕日をバックにしています。


なお、この場面はE.T.とエリオットが月をバックに初めて空を飛ぶという、「E.T.」という作品を象徴するほど有名なシーンとも対になっています。


こちらは「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」の1シーン。ナチスに隠れてこっそり遺跡を発掘するインディたちがシルエットとなって浮かび上がっています。


日中戦争を舞台にした「太陽の帝国」に出てくる以下のシーンでは登場人物は完全なシルエットとなっておらず、オレンジ色の夕日の中で日本兵の軍服と日の丸がぼんやりと浮かんでいます。


また差し込む光によってもシルエットが生まれ、登場人物の存在や関係性が強調されます。例えば以下のシーンでは、E.T.とエリオットの2人が窓から差し込む光の中に浮かび上がっています。


そしてエリオットとE.T.の別れのシーン。抱き合う2人のシルエットが画面の中でくっきりと写し出されます。


キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」では、まるで舞台演劇のスポットライトのように、光が主人公を照らし出すシーンもありました。


外から差し込む光はミステリアスな雰囲気を演出します。例えば以下の画像は「未知との遭遇」で家の中からUFOを目撃するシーン。


UFOから登場する宇宙人たちは、UFOの中からあふれる光を背に受けて、どんな顔をしているのかは分かりません。


「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」で、聖櫃の場所を探し出すために、言い伝えの通りに遺跡の中でつえを掲げるシーン。


「ジョーズ」ではサメの目線で描かれた場面があり、光の差し込む水面と泳ぐ女性を水中から眺めるという不気味なシーンがありました。


ホロコーストを題材に扱った「シンドラーのリスト」はほぼ全編にわたってモノクロの作品で、色がない代わりに特に光が象徴的に使われています。


懐中電灯やスポットライトなどの人工的な光も多用されていて、逃げ道の下水道や強制収容所の門が陰影によってはっきりと描かれています。


宇宙戦争」では地球を侵略する異星人のトライポッドが発する光の中に少女のシルエットが浮かび上がっています。


「ジュラシックパーク」で、懐中電灯によって恐竜が闇のなかに浮かび上がるシーンでは、人間とは全く違う恐竜の目の動きと肌が強調されます。スティーブン・スピルバーグ監督作品を始めとして映画では光が演出として特徴的に用いられていて、鑑賞の際にはストーリーだけではなく、照明にも注目して見るのもよさげです。

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in 動画,   映画, Posted by log1i_yk

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