クラゲをカリッと仕上げた「クラゲチップス」は未来のジャンクフードになり「海の資源」も守れる可能性


透明でプルプルしているクラゲを、まるでポテトチップスのようにカリッとした状態に変えてしまう技術がデンマークの研究チームによって開発されました。この「クラゲチップス」は、実はさまざまな栄養素を持つクラゲを食用に転換することが期待できるほか、クラゲによる被害や乱獲の影響で状況が悪化している海の資源を守る可能性を持つことが指摘されています。

BPS 62nd Annual Meeting
https://plan.core-apps.com/bpsam2018/abstract/598979c882021290aae09439cc2cc95a

Jellyfish Chips Are the Future of Junk Food
https://futurism.com/jellyfish-chips-future-junk-food/

Fancy a jellyfish chip? | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/bs-faj021318.php

クラゲを食用とする文化はアジアを中心に存在しており、食用クラゲに塩とミョウバンをまぶして1週間ほど漬け込むという加工方法が知られています。しかし南デンマーク大学の博士研究員(ポスドク)であるMathias P. Clausen氏らの研究チームは、水分を多く含んで軟質なクラゲの身をカリッとした状態に加工して食べやすくする方法を新たに生み出しました。

Clausen氏は2光子励起顕微鏡を使い、クラゲの体を構成しているフィラメント(繊維組織)を研究。そこから、エタノールを使うことでプルプルなクラゲの身をカリッとした食感を持つチップス状に一変させてしまう方法を見いだしました。


ただ、「エタノールを使うことでクラゲの細胞組織が変化する」ことは確認されたのですが、その仕組みはまだ不明な部分が多いとのこと。Clausen氏は「クラゲの細胞分解についてはまだほとんど知られていません。我々もまだ、どの構造がこのような形で現れているのかを完全に把握している段階ではありません」と述べています。

まだ今後の研究が望まれるところですが、クラゲを大規模に食用化できることで水産資源の保護にも大きく役立つことが期待されています。近年は世界的な水産資源の乱獲が進んでおり、魚の漁獲量が不安定になっている状況があります。また、地球温暖化に伴い海温の上昇と酸性化によって、世界的なクラゲの大発生によっても漁業が大きな被害を受けています。


しかし、クラゲを食用化することで、不足が予想される水産資源の穴埋めできる可能性があるとのこと。クラゲは集団で大発生する特性があることから漁獲高に悩まされる心配が少ないこと、そしてビタミンB12やマグネシウム、リン、鉄分などの栄養素にも富んでいるということも、食糧として有望視されているポイントの1つです。

Clausen氏によると、研究チームではさらに研究を進めることで仕組みの解明を進め、食べ物としての魅力を高める取り組みを進めることを目指しているとのことです。

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