ソフトウェア

マップアプリ対決「Appleマップ・Googleマップ・Waze」の3つで最も正確で素早く目的地に到着できるのはどれ?


スマートフォンのアプリの中で、使用頻度が高いものの一つがマップアプリだという人も多いはず。もはやマップアプリなしでの移動は考えられないこともあるほどで、生活に欠かせない必需品と言っても過言ではないこの機能について、IT関連の専門家であるアルトゥール・グラボウスキさんはApple純正のマップとGoogleマップ、そしてAlphabetが買収して傘下に収めたWazeの3つを徹底比較することで、「どのアプリが最も短いルートを示すか」「どのアプリが最も誤差が少ないか」そして「どのアプリが最もはやく目的地に到着させてくれるか」の3点をあぶり出しています。

Apple Maps vs. Google Maps vs. Waze – arturrr
https://arturrr.com/2018/02/19/navigation-apps/amp/

この対決を行うにあたり、グラボウスキさんは普段の移動の際に3つのアプリのいずれかをスマートフォンに立ち上げ、データを取って比較しています。最も正確な比較を行うためには、同一時刻に同じ条件で「ヨーイドン」で目的地を目指すのがベストであるのはいうまでもないのですが、それを行うリソース(=人員)を持たないグラボウスキさんは、そのかわりにデータの数を多くすることで検証内容の信頼度を高めているとのこと。


最終的にグラボウスキさんが積み上げたデータ数は120件にものぼり、3つのアプリをほぼ同じ回数使った結果をまとめることで各アプリの性能差を比較しています。検証の際に集めたデータは以下のようなもの。なお、検証の際は基本的に自動車の移動を想定しているようです。

・どのアプリを使ったか
・事前にアプリが算出した所要時間
・出発時刻と到着時刻
・道路状況 (朝夕のラッシュ時間帯、など)
・気象状況
・運転時の状況 (市街地中心、高速道路中心、など)

実際にデータを記録したログシートはこんな感じだったそうです。


このようにして集めたデータを総合し、グラボウスキさんは以下の3つの点で3アプリを比較しました。

◆1.予想経過時間:どのアプリが最も短い時間のルートを示すか
同じタイミングで目的地までにかかる予想時間を比較させ、Googleマップを基準に比較したのが以下のグラフ。これによると、最も短いルートを見つけていたのはWazeで、Googleマップ比で3%早く着くルートを示しています。逆にAppleのマップは8%遅いルートを示していたそうですが、実はこの件はこの後に出てくる「どれほどの誤差があったか」とワンセットで考えることが重要です。


ちなみに、3つのアプリの中で裏道などを使う「最も細かいルート」を示したのがWazeだったとのこと。つまり、都市部の混雑を避けて抜け道を最大限活用することで所要時間を削っていくというのがWazeの考え方となっているようです。

◆2.平均誤差:各アプリはどのぐらい正確な時間を予測しているのか
ナビゲーション機能で最も重要といえる「時間の正確さ」について、グラボウスキさんは数式「実際の所要時間÷予想時間-1」を用いて誤差率を各アプリごとに算出。すると、最も誤差が少なかったのはAppleのマップで、実際の時間との誤差はわずか1%だったとのこと。これに次ぐGoogleマップは誤差2%ですが、こちらは予想時間よりも実際の時間の方が長くなっています。最も結果が悪かったのがWazeで、誤差はなんと11%。言い換えると「所要時間10分」と見積もっていたルートが、実際には約11分(10分+66秒)かかったということを意味しています。


ここまでの結果では、Appleのマップは「最も時間がかかるルートを示す代わりに、その予想時間が最も正しい」こと、そしてWazeは「最も速いルートを示すが、誤差が一番大きい」という実情が浮き彫りになってきています。グラボウスキさんはこれらのデータを総合し、これら3つの中で最も信頼性が高いといえるアプリを導き出しています。

◆3.まとめ:最終的にどのアプリが最も速く・予想通りにナビゲートしてくれるのか
最短ルートを見つける能力と、実際にかかった時間を総合し、「最も誤差が少ない内容でナビゲートしてくれるアプリ」としてグラボウスキさんが結論付けたのが、Googleマップでした。Googleマップを基準とした時の他アプリの偏差は以下のグラフの通りで、Appleのマップはプラス5%、Wazeはプラス6%の時間がかかっていたことを示します。


ただしこの結果は、「◆2」で示したとおりGoogleマップが完璧に正確というわけではなく、3つを比較した時に「もっとも使えるアプリである」という評価内容である点には留意が必要です。グラボウスキさんはこの結果をもとに以下の3つを述べています。

・目的地に一番早く着きたい場合は「Googleマップ
・最も正確な到着予想時刻を知りたい場合は「Appleのマップ
・もしあなたが少しでも混雑を避けるために抜け道を活用しまくる「抜け道スト」の場合は「Waze

なお、今回取得されたデータの内訳は以下のようになっているとのことです。

・ルートは全てサンフランシスコのベイエリアで取得されたもの
・データ取得回数は120回で、アプリを選ぶ際には乱数発生器を使用した
 -Appleのマップ:41回
 -Googleマップ:41回
 -Waze:38回

・運転時間
 -平均:26分
 -最小:8分
 -最大:1時間15分
 *短いルートが結果を歪める事になるかどうかをチェックするために、上記の分析を「20分以上」のデータでだけで再現したところ、一致した結果が得られている

・走行したルートのタイプ別件数
 -75%以上が市街地:68
 -75%以上が高速道路:32
 -市街地と高速道路の混成:20

・道路状況の内訳
 -通勤時・ラッシュアワー:40
 -非通勤時間帯:80

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
GoogleマップがiPhone Xの大画面をサポート、情報量の変化が一目瞭然 - GIGAZINE

方向音痴ですぐ迷子になる人に朗報、iOS11の「ARKit」で地図アプリが「ARナビ」として劇的に進化 - GIGAZINE

Googleマップで新たに駐車場の混雑状況表示にドアtoドアの最短経路検索機能追加、こんな感じで利用可能 - GIGAZINE

待ち合わせ成功率を飛躍的に高めるナビアプリ「Waaaaay!(うぇーい)」 - GIGAZINE

Googleマップで行きたい場所の情報を質問・回答できるQ&A機能が新登場、使い方はこんな感じ - GIGAZINE

Googleマップが中国で8年ぶりに提供再開されたことが判明 - GIGAZINE

フィットネストラッカーアプリ「Strava」が秘密のアメリカ軍基地の所在地を浮き彫りにする事態が発生 - GIGAZINE

Androidは位置情報サービスをオフにしてSIMカードを抜いているユーザーでも追跡することができる - GIGAZINE

in モバイル,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.