IBMのスパコン「Watson(ワトソン)」が提案する食材ロスの少ないレシピとは?

世界では食糧不足に悩まされている地域もあれば、食料が飽和状態で日々大量の廃棄を生み出している地域もあります。そんな廃棄食料問題に関して、「無駄になってしまう食べ物を減らすため、クイズ大会で人間に勝利したり医師が見抜けなかった白血病を指摘したりといった活躍で有名なIBM製スーパーコンピューターの『ワトソン』に食材ロスが少ないレシピを聞いてみた」というムービーがYouTubeで見られます。
How to Use Everything in Your Fridge

アメリカでは、国民1人につき1か月あたり20ポンド(約9キログラム)もの食材が廃棄されているとのこと。

「この食材廃棄問題を解決する有効策は、もしかしたらスーパーコンピューターが提案する未知の食べ合わせにあるのかもしれません」

「このテストキッチン内でワトソンの実力を試すことにします」と述べる左側の男性は、番組の司会進行役でジャーナリストでもあるJames Hamblinさん。右の男性が、ワトソンに代わって実際に調理を担当する料理ジャーナリストのRick Martinezさん。

JamesさんはIBMのワトソン・エコシステムのディレクターであるSteve Abramsさんに、「なぜワトソンをシェフとして育てようと思ったの?」と質問します。

「もともと、ワトソンは我々の自然言語処理能力を試すために開発したものなんです」

「ところが、ワトソンがクイズ大会で人間に勝った後、多くの研究者がこう言ってきた……『次は何をするんだい?』ってね」

「『じゃあ次はなるべく多くの人に関連する項目にワトソンを発展させよう』と考えたところ、人間誰しもが食べ物と関連してると気づいたんです」と述べるSteveさん。

「そうだね」と相づちを打つJamesさん。

「出版されている1万を超えるレシピ本をワトソンに学習させました」

「それじゃあ、いいレシピを知りたければスーパーコンピューターに聞けばいいってことだね」とJamesさんが言うと……

微妙な表情で苦笑いを返すSteveさん。

ワトソンの公式からレシピ検索ページを開き、家に残った食材を選んでワトソンにレシピを聞けば、残った食材が腐敗する前に食べきれるレシピを教えてくれます。

「さて、今日は我々が通常組み合わせようと考えないような組み合わせの食材を選んでレシピを教えてもらい、それを実際に調理してみようと思います」

「今回は実際に友達に『冷蔵庫の中に何が残ってる?』と聞いてみて、それをそのままワトソンの検索フォームに入力してみました」と言うRickさん。

「ワトソンが提案したレシピの味付けって、いったいどういう感じになってるの?」

「3つ、普通じゃ考えられないクレイジーなフレーバーが組み合わさってる」

「『ライ・ウイスキー』『アップルサイダー』そして『クッキングバナナ』。クッキングバナナはフライになってる」

クッキングバナナのチップスをつまんだJamesさんは「ポテトチップスそっくりの感じだね」という感想をもらしました。

「ワトソンはクッキングバナナのチップスが好きなんだろうか?だったらワトソンも意外といいやつかもね」と言うJamesさん。

「ワトソンは一般的な人間以上に一般的な存在なんです」と言うのは老舗料理雑誌「Bon Appetit」デジタルディレクターのStacey Riveraさん。

「僕よりも?」冗談めかしてJamesさんが聞くと……

「そうね」と答えて笑うStaceyさん。

「僕は冷蔵庫の中にわけのわからないものばっかり余っちゃって、食料廃棄問題に関しては大いに罪があるんだけど、それも解決するのかな?」

というわけで、早速調理開始。

Rickさんは手際よく調理を進めていきます。

材料の内訳はこんな感じ。「ペカン」「アップルサイダー」「サヤインゲン」「クッキングバナナ」「葉タマネギ」「鶏肉」「ショウガ」「にんじん」「ライ・ウイスキー」と、なじみのある食材となじみの薄い食材が混合されています。

器に盛って……

最後にクッキングバナナのチップスをまぶして完成です。

「完成を祝して!」

「僕にとっては、ワトソンはまるでサンタクロースみたいだね」とJamesさん。どうやらワトソンが提案した奇抜な組み合わせのレシピは、Jamesさんの舌に合っていたようです。

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