人工知能「ワトソン」が編み出した奇抜なレシピを再現、その味は?


IBMが開発した「ワトソン」は、人間のように自ら学習・思考・分析を行う「コグニティブ・コンピューター」です。1997年に当時のチェス世界チャンピオンであったガルリ・カスパロフ氏に勝利したスーパーコンピューター「ディープ・ブルー」に次ぐプロジェクトで、2015年には三井住友銀行から銀行員として「内定」をもらうなど、「もはや人間の脳よりも優れた働きをするのでは?」というくらいの性能が備わっています。

そんなワトソンを使い、世界各国の食品や香りの組み合わせなどを試行錯誤して作り出された奇抜な食材の組み合わせによるレシピが「IBM Chef Watson」にて公開されており、このレシピ通りにメニューを作って食べてみた感想をHowcookingworksが公開しています。

The Watson Dinner Party | Howcookingworks
http://www.howcookingworks.com/2015/05/the-watson-dinner-party/


さまざまな料理の調理方法を公開しているお料理ブログ「Howcookingworks」を運営している人物が、「IBM Chef Watson」にアクセスしてワトソン提案のレシピを実際に作って食べ、これらのレシピを使ってディナーパーティーを開催すべく試行錯誤しています。

Howcookingworksが初めてIBM Chef Watsonを使ってみた際にオススメされたのが以下のレシピ。これは、焼いたブドウにはちみつ、エシャロット、米酢、アサツキを加える料理で、名前は「パーティ用アサツキのチャツネ」。


ワトソンから初めて勧められたこの料理は「変わった組み合わせだけど味はおいしかった」とのこと。

2つ目に登場したレシピは、一口大に切った鶏もも肉を揚げ、アボカド・マッシュルーム・カブ・スナップエンドウ・いちご・ミントと混ぜ合わせるというものでした。味はとても不思議で、まずくはないけどおいしくもなかったそうです。


いくつかのレシピを試してみた結果、Howcookingworksは「ワトソンがどうやって材料を組み合わせているのか?」がとても気になり、ワトソンのFacebookページを手当たり次第に漁ります。すると、IBMのエンジニアが「我々は『風味の組み合わせがこうなるだろうという仮定』を頼りにレシピを作っているわけですが、『西洋』で好まれる食材や風味の組み合わせをあえて外すことにより生まれる相乗効果も狙っています」という書き込みを行っているのを発見。

「あえて組み合わせを外す」ことで、ワトソンはとても奇妙な風味の料理を編み出しているわけですが、それではあまりに奇抜すぎる材料の組み合わせになってしまいがちで、味的にも好みからかけ離れ過ぎていたとのこと。そこでHowcookingworksは、ワトソンがウェブサイト上で提案してくれるレシピに少し手を加え、より自分好みのレシピに仕上げたパーティー用のメニュー6品を公開しています。

◆1品目:ペパーミントアーモンド
材料:アーモンド、はちみつ、塩、ドライペパーミントフレーク


アーモンドをはちみつでコーティングしてから焼き、ドライペパーミントの葉をグラインダーで粉末にしたものと塩を振りかけで完成。実際にパーティーにてこのアーモンドを友人に振る舞ったそうで、食べた感想は「風味はアーモンドを舌に載せるとペパーミントと塩気がゆっくりと襲いかかってくる感じ」とのこと。

◆2品目:キュウリのレモネード
材料:キュウリ、水、シロップ、レモン汁


キュウリのレモネードは、キュウリ・水・シロップ・レモン汁を、1:1:25:10の割合で混ぜればできあがり。ただし、これはワトソンのレシピをアレンジしたものではなく、ビバリーヒルズにあるレストランのメニューをマネたものだとのこと。ほんの少し甘みをプラスすればなおおいしく飲めるそうです。

◆3品目:タンゼロ・シュラブ
材料:タンゼロ、リンゴ酢サイダー


ミカン類とブンタンもしくはグレープフルーツとの雑種であるタンゼロと、リンゴ酢サイダーを1:10の割合で混ぜたものが「タンゼロ・シュラブ」。これもワトソンのレシピをアレンジしたものではなく、ロサンゼルスで流行している「シュラブ」をアレンジしたもの。

◆4品目:ブドウのチャツネ(漬け物)
材料:ブドウ、米酢、マスタード、エシャロット、はちみつ、アサツキ


「ブドウのチャツネ」はワトソンの提案したレシピがそのままパーティーで振る舞われたものだそうで、Howcookingworksが手を一切加えていない数少ないレシピのひとつ。ブドウのチャツネの問題点は見た目がグロテスクな点ですが、味はとても良く、パーティーに訪れた人のほとんどがこの料理を食べて驚きの表情を浮かべたそうです。

◆5品目:トマト・タンゼロ・リダクション
材料:トマト、エシャロット、ニンニク、タンゼロ


このメニューもワトソンが考案したレシピで、トマトとエシャロット、ニンニク、タンゼロの絞り汁をスープ鍋で煮込んだもの。冷凍保存が可能で、パーティー前日に冷凍庫から冷蔵庫に移しておけばそのまま出せるお手軽な料理。味付けはサルサソースのようでありながらオレンジの風味がたまらない一品になっています。

◆6品目:ココナッツジェラートアフォガート
材料:ココナッツジェラート、オリーブオイル、冷凍ピーナツバター、シナモンリーフ、桑の実


こちらもワトソンによるレシピではなく、Howcookingworksが考案したレシピ。

Howcookingworksは、ワトソンを使うことで「自分の中にあった食材の組み合わせが広がった」とコメント。さらに、ワトソン考案のレシピを使いたい場合でも、1、2個の新しい材料をベースのレシピに加えるくらいにしておくのが良い、と語っています。

なお、ワトソン考案のレシピを試してみたいものの「英語でレシピを書かれても……」という人は、クックパッドでもワトソン考案のレシピが一部見られるようになっているのでチェックしてみると良いかもしれません。

IBM シェフ・ワトソンと一緒に作る!家族が喜ぶ新作レシピ [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが203万品

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in ネットサービス,   , Posted by logu_ii