iPhone Xの発売前に韓国当局がAppleオフィスを強制捜査、販売妨害が目的か?
by Bagus Hernawan
日本を含んだ一部の国と地域では既に販売がスタートしている「iPhone X」ですが、お隣の韓国では11月24日(金)についに発売となりました。しかし、Metroによると韓国当局はiPhone Xの発売前にソウルにあるAppleオフィスを強制捜査したとのことで、大きな波紋が広がっています。
Apple offices raided ahead of launch of iPhone X in South Korea | Metro News
http://metro.co.uk/2017/11/23/apple-offices-raided-ahead-of-launch-of-iphone-x-in-south-korea-7102490/
Metroによると、韓国でiPhone Xが発売される週の初めに、韓国当局がソウルにあるAppleオフィスを強制捜査し、実務についていくつかの質問を行ったとのことです。「iPhone Xの発売前」というタイミングであったため、Metroをはじめとする報道機関は「韓国当局がiPhone Xの販売を妨害しようとした可能性がある」と報じています。
韓国といえばSamsungやLGといったスマートフォン分野に強い巨大メーカーの本拠地ですが、それでもApple製品は根強い人気を誇っているそうです。iPhone Xは事前注文の段階で売切れが続出しており、競合製品の販売にもに大きな打撃を与えると考えられます。
by Lucius Kwok
Appleと韓国の公正取引委員会は長い歴史を持っており、2016年にも韓国の公正取引委員会はAppleが地元の携帯電話キャリアと不公正な契約をしたかどうかを調べるために調査を行っています。今回の強制捜査は、「AppleはiPhoneなどの修理を依頼している韓国企業との間で不公正な契約を結んでいるのではないか?」と疑いがかかり、数か月前に捜査が始まった件についての調査の一環であるとされています。
なお、韓国公正取引委員会はAppleのiPhoneが国内スマートフォン市場で33%のシェアを獲得した2015年に、外国企業が国内スマートフォン市場を害しているかどうか調べるための特別部隊を編成したそうです。
テクノロジー分野の分析を行うEndpoint Technologies Associatesのロジャー・ケイ社長は、これまでも韓国は「保護主義に課題がある」と非難してきており、過去にはForbesで「韓国の公正取引委員会は、近年、外国企業に対する偽りの告発を何度も行っている」とも記しています。また、Franklin Center for Government and Public Integrityのエリック・テルフォード社長も、「韓国の反トラスト機関は、Apple・Google・Intel・Microsoft・オラクル・クアルコムなどの大手企業を含め、韓国で事業を展開する外国企業の生存を脅かすような驚くべき行動をとっている」と韓国の公正取引委員会を非難しています。
by Siddartha Thota
なお、そんな韓国を本拠地とするSamsungは、iPhoneユーザーに新型スマートフォンのGalaxy Note8やGalaxy S8/S8+を試用してもらうためのキャンペーン「Upgrade To Galaxy」を行っており、その定員は最大1万名とかなり大規模で、いかにiPhoneが脅威となっているかがよくわかります。
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