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iPhone Xのカメラ機能の評価は静止画が「過去最高得点」、何が優れていて欠点はどこなのか?


DxOMarkによると、iPhone XはiPhone 8 Plusと比べてズームのパフォーマンス、露出・色あい・質感・低周波ノイズ・アーティファクトという点において著しく優れており、写真撮影に関するスコアで過去最高の101点と評価されることになったとのこと。iPhone Xで撮影する写真はどのくらい優れているのか、どこに弱点があるのかが、DxOMarkによって解説されています。

Apple iPhone X: Top performer for stills - DxOMark
https://www.dxomark.com/apple-iphone-x-top-performer-stills/

DxOMarkによるとiPhone 8 Plusに比べ、iPhone Xはズームのパフォーマンス、露出・色あい・質感・低周波ノイズ・アーティファクトという点において著しく優れていたとのこと。ポートレートモードのボケの自然さやHDRモードの優秀さ、ディテールの細かさなども特筆すべき点として挙げられています。


一方で、ムービー撮影に関しては89点に留まっており、まだまだ改善の余地がある様子。光の状態が変化したときに露出がどう対応するかや、正確な色彩のレンダリングといった要素はiPhone 8 Plusと同程度と評価されています。

ということで、細かな評価は以下から。

◆明るい環境
他のスマートフォンと同様に、iPhone Xが最も力を発揮するのは明るい環境において。ハイライトと陰の両方が細かな部分まで描写され、空の色彩が鮮やかで印象的。ホワイトカラーも正確で、色彩のレンダリングも優秀、質感もすばらしいと評価されました。


iPhone Xはコントラストがある状況でも、ハイライトとなる部分の細部を光で飛ばしてしまうことなく、詳細を描いています。


◆室内&フラッシュ
やや光量が少ない状況でフラッシュをたくとこんな感じ。室内環境でもしっかりと情景を捉えており、フラットな机を見てもノイズはほとんど感じられません。白熱電球でも蛍光灯でもホワイトバランスは正確。室内の光量が著しく減ると、描写の正確性はやはり減少しますが、それでも「容認できる」程度ではあったとのこと。


◆ズームとボケ
iPhone Xは望遠レンズが改良されており、iPhone 8 Plusに比べて光学式手振れ補正によってきれいなズーム写真やシャープなポートレートが撮影できるようになっています。以下は左がiPhone X、右がiPhone 8 Plusで撮影した写真。パッと見は同じように見えますが……


画像を拡大すると、iPhone Xの方が暗所でノイズが少なく、細かな部分の描写がクリアであることがよくわかります。


ボケの違いは以下の通り。左がiPhone X、右がiPhone 8 Plusで撮影した写真です。マスキングがうまくいっていない部分があったり、深度予測に失敗して手前の被写体にボケがかかったりすることがあったものの、全体としては「とてもよい」とされています。


◆露出とコントラスト(90点)
iPhone Xが特に優れていると評価されたのは露出。特に、明るい日差しの中で撮影した写真で差が出ました。左から、iPhone X、Pixel 2、Galaxy Note 8で撮影した写真となっていますが、他の2端末に比べてiPhone Xは空の青さを美しく表現しつつも、暗い部分を黒く塗りつぶしてしまうことなく、色合いや詳細がわかるようになっています。


空を背景に人物を撮影したのが以下の写真。これも左からiPhone X、Pixel 2、Galaxy Note 8で、人物の肌の質感を正しく表現するとともに、ダイナミックレンジで空のコントラストも3端末の中で一番繊細に描いています。


ただし、暗い室内で、窓を背景にして撮影すると、人物の詳細が失われてしまうことも。


そして暗い場所での露出については、低評価。屋外撮影が108点、室内撮影は91点で評価されていますが、光量が少ない場所での撮影は66点の評価です。


◆色彩(79点)
どんな環境であっても色彩は非常に鮮やかとのことですが、やはり際立っていたのは屋外での写真。iPhone X、Pixel 2、Galaxy Note 8の写真を並べた以下の画像でも、左側のiPhoneの赤や青が際立って鮮やかです。特に20~1000ルクスの環境下では優れた彩度であるとのこと。


◆質感(65点)
以下の写真は、iPhone Xで異なる明るさ環境で人物撮影した際のもの。左から、1000ルクス、100ルクス、20ルクスの環境で撮影した写真を切り取っています。明るさによって質感が大きく変化するのがわかります。


さらに、3つの端末で5ルクスの環境で撮影した写真を切り取ったもの。左からiPhone X、Google Pixel 2、Samsung Note 8となっています。


◆ノイズ(69点)
iPhone Xは明るい屋外で撮影した写真をそのまま見ると、暗い場所・均質なカラーの上に現れる低周波のノイズがいくらかある以外は、非常にクリアです。しかし100ルクス以下になるとノイズが目立ち始め、20ルクス以下になるとノイズが顕著に。以下は全てiPhone Xを使って三脚撮影したもので、左から20ルクス、100ルクス、1000ルクス。


5ルクスの環境下で撮るとこんな感じ。左からiPhone X、Google Pixel 2、Samsung Note 8で撮影したものになっています。


◆人工物の撮影(82点)
モダンな建築物など人工物の撮影においてiPhone Xは非常に優秀で、シャープさ、口径食、ゆがみ、色収差の点が優れています。ただし、屋外環境でゴーストやフレアが発生してしまうというという失点は大きめ。また周波数のずれの影響で発生するモアレや、空の青がシアンに変化するシアンシフトも観測されました。


◆フラッシュ(85点)
一般的にフラッシュの問題点は、真ん中にだけ光が集中して写真の端の方が暗くなってしまうということ。iPhone Xはこの点の解決を図っているのですが、iPhone XとiPhone 8 Plusで撮影した「光量少なめ、フラッシュあり」の写真を見てみると、確かにiPhone Xは写真の真ん中と端の方で明るさが均質となっています。しかし、全体的に光量が足りない印象です。また、人物が赤目になっているのもマイナス点。ノイズの少なさやディテールがはっきりしている点についてはプラスです。


◆ズーム(58点)
f/2.4大口径、光学手ぶれ補正付の望遠レンズを搭載したiPhone Xは、ズームの写真においてiPhone 8 Plusよりも高いスコアを記録したとのこと。以下はiPhone Xで撮影した2倍ズーム、4倍ズーム、8倍ズームの写真。光が少ない環境であってもズーム写真は「容認可能な」クオリティですが、光が少ない環境でズーム写真を撮影した時に、細部の描写まで残すのは難しいそうです。


以下は100ルクス、2倍ズームで撮影した写真を切り取ったもの。左からiPhone X、iPhone 8 Plus、Galaxy Note 8となっており、iPhone Xのクリアさはもちろんですが、ズーム写真においてはGalaxy Note 8も優秀であることがわかります。


◆ボケ(55点)
iPhone Xの望遠レンズは屋外・屋内のポートレート撮影において力を発揮します。ポートレートのアルゴリズムはDxOMarkがこれまで見た中でも最も魅力的なものの1つで、被写界深度の効果は気持ちがよいものだったそうです。背景のボケ方は、他のデバイスよりもやや弱めですが、自然さはiPhone Xの方がわずかに上。手前にあるものを少しぼかしてしまうなど、深さの計測には少し難ありですが、拡大して切り取らないとわからない程度の差のようです。


ムービー撮影については、露出が81点、色合いが86点、質感が51点、ノイズが66点、人工物の撮影が83点、安定さが91点と評価されています。やはり露出が高評価で、ホワイトバランスや光の変化に対応して自然な映像を生み出せるのですが、光量が少ない環境下での課題が残されているとのこと。ただし、クオリティは「容認可能」。また明るい環境においてのオートフォーカスや被写体のトラッキングは正確で、安定性についても「おおむね優秀」だとされています。

なお、静止画とムービーを総合した時のiPhone Xのカメラ性能は「97点」で、GoogleのPixel 2に1点差で破れる結果となりました。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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