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プロカメラマンが「iPhone 12 Pro」のカメラを使い倒しレビュー、進化したソフトとハードの両方を体感


これまで数々iPhoneカメラレビューしてきたプロ写真家のオースティン・マンさんが、2020年10月23日に発売されたばかりの「iPhone 12 Pro」のカメラ性能をレビューしています。

iPhone 12 Pro Camera Review: Glacier — Austin Mann
http://austinmann.com/trek/iphone-12-pro-camera-review-glacier

マンさんはアメリカ・モンタナ州にあるグレイシャー国立公園で、明るく晴れた状態や、暗く雪に覆われた状態まで、さまざまな環境下でiPhone 12 Proのカメラテストを実施しています。

マンさんは、「iPhone 12 Proのアップグレードの多くはソフトウェアに依存していますが、iPhone 12 Pro Maxはソフトウェアとハードウェア両方のアップグレードがあります。今週、iPhone 12 Proをゲットすることができたので、主に超広角カメラでのナイトモード(iPhone 12で初めて利用可能に)や、LiDARスキャナを搭載したiPhone 12 Proのオートフォーカス、ソフトウェアの新機能の調査にあたっています」と記しました。

iPhone 12 Proの超広角カメラのパノラマモードで撮影した写真


◆広角カメラ
iPhone 12 Proの広角カメラは、新しい7枚構成のレンズにより、「写真のすみずみまでシャープに撮れる」ようになったとAppleは主張。また、絞り値がf/1.8からf/1.6に変わったことで、より暗所に強いカメラに進化しています。iPhone 11で登場したナイトモードにより、iPhoneは低照度性能が飛躍的に向上しましたが、iPhone 12 Proでは広角レンズというハードウェア面からも低照度性能が向上しているわけです。

以下は三脚でiPhone 12 Proを固定し、30秒露光で撮影した風景写真。写真では明るく感じますが、実際にはかなり暗く、肉眼では湖や空の青、森の緑は見えなかったそうです。そのため、マンさんは「進化した広角カメラとナイトモードの連携を示す素晴らしいデモンストレーション」と述べています。なお、30秒露光で撮影したため、写真の中の雲が少し流れているわけ。


さらに、以下はiPhone 12 Proの広角カメラ&ナイトモードで撮影した夜空の写真。


低照度性能だけでなく、新しい7枚構成のレンズによるシャープネスも気になったというマンさんは、フレームの隅々まで多くのディテールを持った写真を撮影。ただし、マンさんは「シャープネスについてはiPhone 11 Proと同様」と語り、写真のシャープさが増したとは感じなかったそうです。


◆超広角カメラ
マンさんは「私はどんなカメラでも超広角で撮影することが大好きなので、2019年のiPhone 11 Proに超広角カメラが搭載されていると発表されたときは嬉しかったものです」とコメント。ただし、「iPhone 11 Proの超広角カメラは中程度の明るさよりも暗い場所での撮影時に、撮影した写真の品質が一定基準に達しなかったため、明るい日にのみ超広角カメラを使っていました」と語り、iPhone 11シリーズの超広角カメラの品質に疑問を呈しています。

しかし、iPhone 12シリーズからは超広角カメラでもナイトモードが使用可能となったため、暗所での撮影性能が大幅に改善されたとのこと。暴風雨の中、日の出直前に撮影したという以下の写真は、超広角カメラ&ナイトモードで撮影したというもの。撮影は手持ちのiPhone 12 Proで行っており、写真アプリによる自動色調整が行われています。


超広角カメラとナイトモードの組み合わせがいかに強力かわかるのが、同じ場所・同じタイミングで、ナイトモードなしのiPhone 11 Pro(上)とナイトモードありのiPhone 12 Pro(下)で撮影した以下の写真。ナイトモードなしのiPhone 11 Proの超広角カメラで撮影した写真は真っ黒ですが、ナイトモードありのiPhone 12 Proの超広角カメラでは美しい風景写真の撮影に成功しています。


超広角レンズが役立つもうひとつの撮影シーンは、狭い屋内スペースです。狭い屋内での撮影時も光量が限られるケースが多いため、iPhone 11 Proの超広角カメラでは撮影に苦労したそうですが、ナイトモードが使えるiPhone 12 Proの超広角カメラの場合、優れた写真を撮影することができるとのこと。

以下は屋内で撮影した、iPhone 12 Proの超広角カメラの写真。マンさんは「広角カメラほどではないものの、画面の端から端まで鮮明で、間違いなく使えるカメラです」と述べています。


◆スマートHDR 3
さらに、iPhone 12シリーズはスマートHDR 3に対応しており、AIが写真の細部をより高精度に調整してくれます。実際、マンさんは「スマートHDR 3がいくつかの素晴らしい改善をもたらしてくれている」と、iPhone 12のスマートHDR 3を称賛しています。以下の写真の場合、左下にある岩影のディテールや、左上にある雪山の山頂付近のディテールなどが保たれており、これがスマートHDR 3によるところだそうです。


また、これまでのiPhoneのスマートHDRはディテールを維持するのに非常に優れていたものの、そうなると画面全体が明るくなりすぎて被写体のシルエットを残すことが困難になってしまっていたそうです。しかし、iPhone 12 Proではスライダーを動かして露出を下げることで、被写体のシルエットを保つことができるとのこと。以下の写真では画面奥の雪山の輪郭がしっかりと残っていることがわかります。


以下は超広角カメラで撮影した風景写真。マンさんは「画面前方の水中の岩が適切に露出していることに注目してください。ただし、遠くにある太陽に照らされた雪に覆われた山頂の細部も失われていません」と語り、明暗の異なる部分であってもスマートHDR 3により適切に処理され、写真のディテールが保たれるようになったとしています。


◆ナイトモードでのポートレート
以下の写真は日没から約45分が経過したのちにナイトモード・ポートレートで撮影した写真。曇りだったため光はほとんどなく、撮影時には足元を照らすために懐中電灯を使わなければいけないほどだったそうですが、撮影時にはiPhone 11 Proの懐中電灯アプリでモデルの顔を照らしながら、iPhone 12 Proを手に持って撮影したそうです。なお、露出時間は3秒。暗所かつiPhoneを手に持っての撮影だったため、手ぶれが見られますが、驚くほどシャープかつ正確な色見で被写体を撮影することに成功しています。


撮影時、オートフォーカスがモデルの顔部分から離れることがなかったとのことで、マンさんは「LiDARスキャナが上手く機能しました」と語っています。また、iPhoneのポートレートモードはソフトウェアが深度マップを作成して、背景のぼけを処理します。暗所かつ顔の周りに大きなファーのフードを被った上記の写真は深度マップを作成することが非常に困難なように感じられますが、写真を見るとぼけはしっかりと背景にのみかかっているのがわかるはずです。

◆プロレベルのコントロールが可能なカメラアプリ
また、iOS 14では純正のカメラアプリにプロレベルの設定が複数追加されているとのこと。

露出調整が一眼レフカメラなどのようにスライダーで行えようになっており、この露出調整は使用するカメラを超広角・広角・望遠と変更しても、維持されます。一度端末をロックしても、露出調整は維持されるそうで、「これは従来の手動式のカメラでの作業に非常に似ており、私にとっては愛すべきものです」とマンさんは語っています。

露出調整が特に役立つのは雪のある場所での撮影時で、「ほとんどのカメラはシーン内の光の平均量に基づいて自動露出を行います。そのため、フレーム内に雪などの大量の明るい光が存在する場合、自動露出により明るい部分がグレーに写ります。これを補うため、ほとんどの写真家は明るい場所での撮影時に露出を1~2程度まで調整し、フレーム内の色を白に近づけます」とマンさん。


なお、露出情報を保持するには「設定」→「カメラ」→「設定を保持」から、「露出調整」をオンにする必要があります。この設定をオンにすると、カメラ画面の左上に露出調整メーターが常に表示されることとなります。


他にも、「設定」→「カメラ」から「音量を上げるボタンをバーストに使用」をオンにすることで、カメラアプリで音量を上げるボタンを長押しするとバーストモードで写真の撮影が可能になります。なお、音量を下げるボタンを長押しするとムービーを撮影することが可能。バーストモードを頻繁に使用する場合は、この設定をオンにしておくことをマンさんは推奨しています。


さらに、「設定」→「カメラ」から「より速い撮影を優先」をオンにすると、できる限り速くカメラを起動して写真を撮影することが可能になります。iPhoneのカメラでは写真を撮影するたびに大量の露出計算が行われるため、連続して写真を撮影すると露出が低下するケースがあります。ベストの瞬間を抑えるために多少画質が劣化してもOKという場合には、この設定をオンにしておくとよいそうです。


◆その他のアップデート
iPhone 12ではナイトモードでタイムラプスムービーを撮影することができます。マンさんはナイトモードでのタイムラプスムービーの撮影について詳細にはレビューしなかったものの、以下のムービーを「日没からかなり時間が経過してから」撮影し始めたところ、自動でナイトモードが機能してくれたとのこと。


以下がiPhone 12 Proのトリプルカメラのスペック表です。特に大きなポイントは広角カメラの最大ISOが5808まで増加した点で、iPhone 11 Proの広角カメラの最大ISOは3072です。これはiPhone 12 Proの広角カメラのセンサーが光に対してかなり敏感であることを意味しています。


マンさんはiPhone 12 Proのカメラについて、「すでに優れているiPhone 11 Proのカメラよりもわずかに強力であり、iPhoneでの写真撮影を真剣に考えている場合は、iPhone 12 Proを選んでください。iPhone 12 Proのカメラはここ数年で経験したカメラハードウェアのアップデートの中でも、最も重要なステップを経ています」と述べています。

なお、マンさんは進化したiPhone 12 Proのカメラに対する要望として、露出で何が起こっているのかを把握するための「より詳細なEXIF情報」の提供、カメラアプリで被写体までの距離を読み上げるオプションの追加、露出調整のためのクイックリセット機能の追加を求めています。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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