Googleが普通のスマホでAR体験できる「ARCore」を発表、Appleの「ARKit」との覇権争いスタート

Googleが普通のAndroidスマートフォンでの拡張現実(AR)コンテンツ利用可能にするプラットフォーム「ARCore」をリリースしました。すでに発表済みのAppleの「ARKit」の対抗馬であるARCoreの登場によって、モバイル端末でのARコンテンツは一気に普及する可能性があります。
ARCore: Augmented reality at Android scale
https://www.blog.google/products/google-vr/arcore-augmented-reality-android-scale/
「ARCore」を使ったコンテンツの一例は、以下のムービーで確認できます。
Introducing ARCore - YouTube

机の上にスマートフォンカメラを向ける女性。

ARCoreの特長その1「見る」

机にドットが現れました。ARCoreはスマートフォンカメラを使って平面を正確に把握することが可能。

山のアイコンをタップすると……

机の上に仮想の山が現れました。

ARCoreは現実の空間に3Dオブジェクトを立体的に配置できる拡張現実(AR)コンテンツです。

ARの山はタッチ操作で大きさや位置を簡単に変更可能。

机の上に3Dオブジェクトを自由自在に配置することができます。

オフィスで作業する女性……

の机の上にはライオンのARオブジェクト。

ARCoreの特長その2「動く」

道路に山や雲を配置しました。

これらのオブジェクトは立体的に配置されているので、回り込んで見ることが可能。もちろんオブジェクトに隠れる、ということもできます。

オブジェクトは動きを持たせることが可能。自動車のボンネットの上や……

道路のど真ん中にコミカルな動きをするオブジェクトを配置できます。

ARCoreの特長その3「明かり」

ARCoreでは光を認識して、それに応じた「反射」や「影」をリアルタイムでレンダリングすることが可能。

部屋の明かりを消すと……

ARのライオンが「そりゃないよ……」という動きを見せました。陰影を反映させた外観上の表現だけでなく、明かりの状況に応じてアクションを呼び起こすこともできます。

列に加わる人形には人間と同じように自然な「影」があります。

ダンスに加わるライオン。


ARCoreの特長その4「遊び」

自動車が走る道路の横断を躊躇するロボット。

番犬に吠えられるライオン。

足の踏み場がないほど道路に並べられたドロイド君。

必死の形相の男性と対照的なキャラクターなどを現実世界に取り込むことで、「遊び」を表現することが可能。

ARCoreが持つ遊びの要素によって、ARCoreのコンテンツの幅は大きく広がりそうです。

GoogleはARコンテンツを利用するために、専用の深度カメラを搭載する「Tango」を2014年来から開発してきましたが、Tangoへの対応はLenovoの「Phab 2 Pro」やASUSの「Zenfone AR」など一部の端末に限られていました。これに対してARCoreは一般的なAndroid端末で利用できる点が最大の特長。GoogleはすでにARCoreのSDKを先行公開しており、アプリの正式リリース前に1億台のAndroid端末での利用を目標にしています。
ARCoreのプレビュー版SDKは、以下の公式ページからダウンロード可能。記事作成時点では、Android 7.0 Nouga以上のGoogle PixelとGalaxy S8に対応しており、Huawei、LG、ASUSなどのメーカーと協力して各社スマートフォンへの順次対応が予定されています。
ARCore - Google Developer | ARCore | Google Developers
https://developers.google.com/ar/
AR機能に関してはライバルであるAppleが新OS「iOS 11」で「ARKit」を組み込むことを発表済み。家具の配置や地図アプリで活用される見込みです。WWDC 2017でARKitを発表したAppleは、「世界最大のARプラットフォームになる」と発表しましたが、GoogleはARCoreでARコンテンツで先行しようとするAppleに待ったをかけることになりそうです。
さらに、Googleは屋内空間をマッピングしてARコンテンツに利用する「Visual Positioning Service」(VPS)や、ARコンテンツを埋め込みで利用できるAR対応ブラウザを開発中であることも明かしています。このAR対応ブラウザでは開発者はAR機能を持たせたウェブサイトを作成でき、AndroidではARCoreを、iOSではARKitをそれぞれ実行できると述べています。
Appleの「ARKit」とGoogleの「ARCore」の登場によって、ARコンテンツは本格的な普及期に突入していきそうです。
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