「Googleは従業員同士をスパイさせあっている」として元従業員がGoogleを提訴
By Robert Scoble
かつてGoogleの従業員としてプロダクトマネージャーを務めていた人物が、「Googleは社内規約で社員にお互いを探り合うことを奨励している」として古巣に対する訴えを起こしました。
Employee Lawsuit Accuses Google of ‘Spying Program’ — The Information
https://www.theinformation.com/employee-lawsuit-accuses-google-of-spying-program
Google sued for encouraging employees to spy on each other - SlashGear
https://www.slashgear.com/google-sued-for-encouraging-employees-to-spy-on-each-other-21468248/
訴えを起こした男性の訴状によると、Googleでは従業員に対して機密情報保持義務を課していますが、そのいくつかが「あやしい」内容であるとのこと。従業員が業務上知り得た企業の秘密を外部に漏らさないように求めるのは当然のことであるとみなされているわけですが、次の3点について男性は問題があると主張しています。
まず、従業員は職場の中で行われている違法な行為があったとしても、それを文書化しないように通告されているとのこと。これはたとえ、会社の顧問弁護士に対するものであっても同様であるそうです。その理由は、仮にGoogleが訴訟などを受けた際に文書があると提出を求められることになるため、これを防ぐための措置とみられています。
2つめは、Googleの社内で起こった出来事を誰にも話してはいけないというもので、特に外部の人間に対して情報を話すことを禁じています。これは例えば「シリコンバレー企業に勤める人物の物語」のような創作物であっても、Googleが原稿をチェックして承認してからでないと公表してはならないと明確に規定されているとのこと。
By Wassim LOUMI
そして3つめが今回の最も注目すべき点となるわけなのですが、Googleでは基本的な方針として、情報が外部に漏れることを防ぐことを目的として、従業員同士が怪しい行動を取っていないか探り合うことを奨励する姿勢を示しているとのこと。今回の訴えを起こした人物がまさにこの方針の「犠牲者」であるとのことで、詳細は不明ですがGoogleから情報リークを理由に解雇されている模様です。
見方によっては「やむなし」とも思えるわけですが、ここで取り上げられている内容は、従業員に対して自由な意見交換を奨励するカリフォルニア州の労働法に違反するものであるとのこと。仮に、訴訟の結果Googleが敗訴することになると、Googleは38億ドル(約4500億円)の罰金を支払う必要が生じます。そのうち75%は州に入ることになりますが、残りはGoogleの全従業員に分配され、1人あたり1万4600ドル(約170万円)を手にする計算になるとのことです。
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