1チップに1024個のコアを持つプロセッサ「Epiphany-V」が登場
ファブレスの半導体開発企業のAdaptevaが、1チップ内に1024コアというとてつもない数のコアを含むRISCプロセッサ「Epiphany-V」の開発に成功したと発表しました。iPhone 7のA10チップを36%以上上回るトランジスター数を誇るEpiphany-Vは、すでにTSMCでサンプルの製造が始まっています。
Epiphany-V: A 1024-core 64-bit RISC processor | Parallella
https://www.parallella.org/2016/10/05/epiphany-v-a-1024-core-64-bit-risc-processor/
Adapteva's 1,024-core Epiphany V mega-chip packs a serious wallop | PCWorld
http://www.pcworld.com/article/3127176/hardware/adaptevas-1024-core-epiphany-v-mega-chip-packs-serious-wallop.html
Epiphany-Vは1024コアの64ビットRISCプロセッサで64bitメモリをサポートしており、16nmのプロセスルールで製造されます。4億5000万個のトランジスタを持ち、同じダイサイズであればAppleの最新プロセッサA10を36%も上回る集積密度を誇り、大手のHPC向けプロセッサに比べるとプロセッサ密度で80倍、メモリ密度で3.6倍も優れているとAdaptevaは発表しています。
Adapteva創業者のアンドレアス・オロフソン氏は、「Epiphany-Vはゲーム用にデザインされていません。Epiphany-Vはリアルタイム画像プロセッシングや自動運転、機械学習などを目的として開発されています」と述べており、低消費電力で大量の並列演算を処理できるため、汎用性がある優秀なチップであることをアピールしています。また、「Epiphany-VはPC用途に設計されているわけではないけれど、コアなハードウェア愛好家はEpiphany-Vを使ってLinuxマシンを作ることもできる」とも述べています。
さらに、オロフソン氏はEpiphany-Vがプロセッササイズの平方ミリメートルあたりのワットパフォーマンスがx86チップよりも優れており、小規模なサーバー構築に役立つと主張しています。Epiphany-VはすでにファウンダリのTSMCで16nm FinFETプロセスを使ってサンプルの製造が始まっており、4、5カ月後にはサンプル版が完成する見込みだとのこと。Adaptevaは公式HP上で、サンプル版が完成するまでに消費電力や周波数を開示する予定だと述べています。
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