取材

【1日230円の食べ放題ランチ編】「クリエイティブな人を生み出すオフィスとは?」を体感する「Booking.com」オランダ本社潜入レポート


1996年に創業者であるGeert-Jan Bruinsma氏が宿泊施設予約サイトを開設、そこから紆余曲折を経て片手で足りるほどだった従業員を1万3000人にまでに増やし国際的な企業にまで成長した「Booking.com」。世界中からクリエイティブな従業員たちが集まっているオランダ本社に潜入したのですが、中には1日2ユーロ(約230円)で食べ放題なカフェテリアがあるとのことなので、実際に行ってランチに参加してみました。

国内も海外も!ホテル・旅館の予約はBooking.com
http://www.booking.com/index.ja.html

オフィスの様子は以下の記事から見ることができます。

「クリエイティブな人を生み出すオフィスとは?」を体感する宿泊施設予約サイト「Booking.com」オランダ本社の写真集まとめ - GIGAZINE


ということで再び食堂へ。


部屋の隅っこにはトレー・グラス・お皿などが重ねられています。


まずはお皿やナイフ・フォークなどをゲット。


最初に登場するのはずらりと並んだサンドイッチたち。クラブサンドイッチ、チキン&ワカモレ、サーモン&クリームチーズなど、複数種類がありました。


サンドイッチの隣にはハーブの鉢が置かれているので、「必要な人はちぎって持っていって」ということのようです。


さらにオープンサンドも。


サンドイッチののったテーブルの横にはピクルスが瓶ごと樽の上にドドンと置かれています。


食堂の真ん中にはサラダバーがあり、人が列をなしていました。お昼時にサラダというと、なんとなく女性が好みそうなイメージでしたが、男性・女性ともに人気のようです。


サラダバーにはブラッドオレンジのムースと、カクテルのブラッディ・マリーも置かれていました。ブラッディ・マリーは飲んでいないのでアルコールが入っているのかどうかは不明。


列に並んでサラダをゲットします。


この時はシーザーサラダ、グリーンサラダなどの葉物野菜とともに、ビーツ・オリーブ・ピクルス・チーズ各種などをトッピングできるようになっていました。ドレッシングも好みに合わせて複数の選択肢から選べます。


サラダバーの隣にはさらに別のサンドイッチ&パンのスペース。ベジタリアン向けの山羊チーズ&ハチミツのグリルサンドイッチが置かれています。


付け合わせにはひよこ豆とトマトのサラダなど。


ドライフルーツやナッツなどもあります。


また各種パンなどを好きにカットして……


自分で勝手にサンドイッチを作れるスペースもありました。いかにオランダの人々がサンドイッチを愛しているのかということが伝わってきます。


温かいメニューにはスープや……


お米・パスタ類


ラム肉のケバブやクスクスなど、メニューは多国籍です。


飲み物も水やジュースを自由に取ればOK。


食べ物をゲットしたら席に移動。


この日の昼食はこんな感じ。


ラム肉のケバブ・ミニナン・クスクス・サラダなどを選択しました。


他の人の昼食はこんな感じ。基本的に新鮮な野菜がたっぷり取れ、主食や肉類も自分で量を調整しながら食べられるので、栄養が偏らないようにできます。オフィスワークだと少ない昼休みの時間に外出するのも難しく、カップ麺やおにぎりばかりになって栄養が偏りがちですが、低コストかつ時間を削減しつつおいしい食べ物がしっかり食べられるので、このようなカフェテリアがあると非常に便利そうです。なお、ランチ代である2ユーロは税引き前の給与から引かれているとのこと。


お昼時の食堂はこんな感じ。ここでもやはりぼっち飯は見当たらず、何人かのグループで食事をしているのが印象的でした。


◆2016/09/26 10:50追記:
お腹がいっぱいに満たされたところで、オランダ本社で働く日本人スタッフのお話を聞いてきました。写真左側の女性がオランダ本社のITチームでアジア市場のコピーライターとして働く林田さやかさん、右側の男性が日本のウェブサイトの最適化に関しての責任者の牧野義亜さんです。林田さんは以前働いていた東芝を退社後にオランダでMBAを取得しBooking.comへ。牧野さんはもともとGREEロンドン支社立ち上げに関わる仕事をしていたそうです。


林田さんの関わっているのはウェブサイトやアプリのコピーライティングの部分。英語圏の文化に沿った表現だとどんなに上手に翻訳しても伝わりづらいところがあるので、アジア圏ではそれとは別にコピーライティングを行っているとのこと。オランダ本社だけでも約100カ国からやってきた人々がおり、世界各国で展開するサービスだからこそ、あらゆる国の人々が従業員として働くことでその土地や文化に沿ったコンテンツを作り出せているわけです。


林田さんにはオランダにあるBooking.comで働くことと、日本で働いていたことの違いを聞いてきました。まず林田さんがBooking.comで働いて感じたのは「平等であること」、そして「自分自身であること」。上下関係で言葉遣いなどが変わらないため「対等である」という意識が強く、意見を伝える時も構えずに伝えられ、また服装もカジュアルであるため自分自身でいられるとのこと。


また、「効率的であること」も違いの1つとして挙げられていました。東京で働いていた時は左側のイラストのようにレッドブルをコーヒー代わりに働いていたという林田さん。「ただ待っているだけの時間」があるために午前1~3時まで仕事をすることもあったそうですが、Booking.comの従業員は「今日はもう16時だし新しい仕事はしない」と決めてしまう傾向があるとのこと。画像の右側の写真は退社後に会社の近くにあるバーから写真を撮影したもので、まだ青い空が写っているのがそのことを表しています。また、オランダ本社のオフィスの様子レポートにもあったように、リフレッシュのための部屋があり、「トイレに行く時間もない」というような状態ではなく、「リフレッシュしてより効率よく働こう」という姿勢が強い様子。


「自主性」も重視される部分で、Booking.comでは「与えられた仕事を行う」のではなく、自分から仕事を見つけていく必要があります。その分、従業員が「自分がやりました!!!」と言いたがるのが面白いところ。なのでチームリーダーとしては必然的にミーティングを行い、「今あなたのキャリア形成のためにこういう話をしましたよ」と報告して納得を得る必要があり、マネージメントが大変な部分でもある、と林田さんは語っていました。


そして「クレイジーになれ!」というのも特徴。日本で働いていた時はアフターファイブにカラオケに行っても、タンバリン役に徹したり、おしゃくをしたりと気を遣わなければなかったのですが、右側の写真にあるようにBooking.comではゲイ・パレードで心ゆくまで踊りくるったり、世界中の従業員が集まる年1度のパーティーで楽しんだりしているそうです。


そして、Booking.comは世界70カ国に184のオフィスを持ち、世界43言語に対応していますが、この時、各国の言語や文化に合わせてウェブサイトの表示を変更する必要があります。牧野さんらの本社チームはウェブサイトを日本用に最適化し、実際に運用した時のフィードバックを日本にあるオフィスから吸い上げて、さらに変更を加えていく……という作業を行っているそうです。

これが日本のウェブサイト。

国内も海外も!ホテル・旅館の予約はBooking.com
http://www.booking.com/index.ja.html


国民性によってどのようなウェブサイトが好まれるのかには違いがあり、後ほど詳しく記事にしますが、「何が利用者に好まれるのか?」ということを確かめるべく、ロゴの色・ロゴ下のキャッチコピーから、ボタンや機能の色・位置まで、Booking.comでは1日あたり1000個のABテストを行っています。例えば、トップページに表示されるマップを好むのは、日本独特の傾向。


検索結果一覧でロケーション・清潔さ・お得感という細かい評価を見られる機能が好まれる傾向も、日本特有のものだそうです。


また、Booking.comは宿泊プランではなく客室タイプを選択して予約する形ですが、客室タイプを表示する画面にも、各国で違いがあります。日本だと部屋の写真・客室タイプ・定員・最安値などが表示されていますが……


同じページを英語サイトで見ると、まず定員の情報があり、写真なしの客室タイプ情報があるのみ。価格は「Reveal prices(価格を明らかにする)」というボタンを押して初めて公開される形です。


また日本では価格表記が税込か税込じゃないのか、という点も重要とのこと。


「事前に確認!」という項目に宿泊施設からの要望でずらずらっと文章が並ぶのも、日本ならではの特徴となっています。


・つづき
1日1000個のA/Bテストを行う「Booking.com」の開発の裏話を聞いてきました【前編】 - GIGAZINE

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in 取材,   試食, Posted by darkhorse_log

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