なぜかコーヒーマシンをバラバラにして作った電気仕掛けのバイオニック義手「Hedberg」
「空港のセキュリティチェックを通過できた機械だけを使ってコロシ(殺し)の道具はつくれるのか?」という単純な(?)疑問から生まれたバイオニック(人工)義手が「Hedberg」です。この義手は、キューリグ製の新品のコーヒーマシンだけを使って作られたもので、実際に指を曲げてものを持ち上げる様子がムービーに収められています。
This Guy Made a Bionic Hand Out of a Keurig Coffee Machine | Motherboard
http://motherboard.vice.com/read/bionic-hand-keurig-coffee
Watch this guy make a bionic hand out of a coffee machine
http://thenextweb.com/shareables/2016/08/11/bionic-hand-coffee-machine/
Hedbergを作ったのは、「あるものから別のものを作る」ことのプロというTerminal CornucopiaことEvan Boothさんです。Boothさんがキューリグのコーヒーマシンをバラバラにして、実際に動く義手をゼロから作り上げる様子は以下のムービーにまとめられています。
Hedberg — The Bionic Hand Made from One Keurig Coffee Maker - YouTube
取り出したのは、キューリグ製のコーヒーマシン「K350」というモデル。すでにカタログ落ちしており、日本では販売されていなかったモデルのようですが、実勢価格は150ドルから200ドル(約1万5000円~2万円)ぐらいのコーヒーマシンだったようです。
箱を開けて……
さっそく分解を開始。
ドライバーやハンマーといったツールに加え、電動カッターなどのツールを使ってガリガリと削ったり切り取ったりしている模様。
クランプを使って、切り取ったプラスチックを棒に巻き付けてパイプ状に加工して……
指のようなパーツを作成。手のひらパーツに取り付けると、義手らしさが出てきました。ムービーはかなりの速回しなので、そのままで細かい部分を確認するのは難しいかも。
半透明の白いパイプを取り出して加工。どうやら動力を伝えるために使っている様子です。
モーターを取り付け……
バイオニック義手が完成しました。作成に要した時間は199時間56分36秒だそうです。なお、使われている道具は一般的なドライバーなどの工具の他に接着テープ、12ボルト電源などだけで、文字どおり「100%コーヒーマシン」で作られた義手とのこと。
削り跡も生々しいプラスチックパーツに取り付けられたモーター。回転させることで、指を曲げ伸ばしする動きを生みだしている模様。
手の甲の部分には、半透明のパイプが見えています。
このバイオニック義手は形だけではなく、もちろん実際の動作も可能。ガラスのコップに手を添えて……
ぎゅっ
そのまま持ち上げることもできました。指先には半透明のシリコンらしきパーツが取り付けられており、物をつかめるように工夫されているようです。
どうやら、このバイオニック義手には殺しの性能は備わっていなかったようですが、コーヒーマシンを跡形もなく義手に変えてしまうという驚きのアイデアが発揮されていました。Boothさんの作品は、2016年8月4日から7日にかけて開催された「DEF CON 24」で発表されたとのことです。
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