レビュー

サブウーファー増設・2台連結も可能なCreativeのBluetoothスピーカー「iRoar」試聴レビュー


PC用サウンドボードやヘッドセット、スピーカーなどの機器を取り扱っているCreativeから、同社の最上位モデルとなるBluetoothスピーカー「iRoar」が登場しました。前モデルの「Sound Blaster Roar Pro」からスピーカーのドライバーを更新し、マルチコアオーディオプロセッサー「SB-Axx1」をシリーズとして初めて搭載するほか、専用のドッキング型サブウーファー「iRoar Rock」やワイヤレスマイク「iRoar Mic」といった拡張が可能というモデルの実機を借りることができたので、実際に使ってみました。

Creative iRoar - スピーカー - Creative Technology (日本)
http://jp.creative.com/p/speakers/creative-iroar

Creative iRoar Rock - スピーカー - Creative Technology (日本)
http://jp.creative.com/p/speakers/creative-iroar-rock

Creative iRoar Mic - スピーカー - Creative Technology (日本)
http://jp.creative.com/p/speakers/creative-iroar-mic

◆「iRoar」フォトレビュー&試聴レビュー
iRoarのパッケージは作りがガッシリした、重厚感のあるデザイン。


背面には、5ドライバー搭載・バイアンプ駆動のスピーカーシステムや、microSDカードからも音楽再生が可能、録音機能内蔵、スマートフォンアプリ対応といった特長が所狭しと記載されています。


サイド部分には、iRoarを2台連結して迫力と広がりをプラスする使い方や、簡易PAとしても使えるようになるワイヤレスマイク、低音を補強するサブウーファー「iRoar Rock」、そしてソフトウェア開発を可能にするSDK(ソフトウェア開発キット)や、ハードウェアの拡張が可能な「iRoar Docking」などの機能が記載されていました。


さっそくフタをオープン。開けたところにはマニュアルが入っており、その下にiRoarの本体などが隠れています。


同梱物はこんな感じ。一番奥にあるのがiRoar本体で、手前には内蔵バッテリー充電用の電源アダプターと変換プラグ、USBケーブル、キャリングバッグなど。


iRoar本体は、天面が細かな凹凸のあるミラー状のブラック仕上げで、サイドにゴールドの縁取りが施されています。天面には大きな2.75インチのサブウーファーが上向きの「トップファイアリング方式」で配置されています。本体サイズは約225×120×57mmで、本体内に9000mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵していることもあって重量は1.1kgとややズッシリしたもの。


天面の左上に電源ボタン


天面のウーファー部分は、スマートフォンなどとワンタッチでペアリングできるNFC受信部を兼ねているので、対応のスマートフォンをこの上に置くだけで接続ができるようになっています。


背面には、電源入力端子やUSBオーディオ入力用の端子、microSDカードスロットと再生モード切り替えスイッチ、オーディオ入力端子、そして光デジタル入力端子と、外部の機器に電源を供給するためのUSB給電端子が配置されています。


前面グリルの中には、高音域用の2基のドライバー(スピーカー)が配置されています。


ゴールドに縁取られたサイド部分には、サブウーファーの低音を強化する「パッシブラジエーター」がレイアウトされています。iRoarは低中音域用と高音域用に2つのアンプを内蔵することで、十分なパワーでの再生を可能にしているとのこと。


底面にはモデル名などの記載のほか、外付けサブウーファー「iRoar Rock」と接続するための専用端子がありました。


ということでさっそく電源を投入。


電源が入ると、パネルの上部に各種インジケーターが表示されました。左上部分の「ホットグローディスプレイ」と呼ばれる、オレンジ色のLEDマトリックスがBluetoothモードであることを示しています。また、右上部分では音量をコントロールしたり、一時的にオーディオパワーを強化する「ROAR」ボタンなどが並んでいます。


スマートフォンとの接続は、NFC対応機種であればBluetoothをオンにしてiRoarの上に載せるだけ。これだけでペアリングが完了し、音楽を再生する用意が調います。


iPhoneのようにNFC非対応の機種でもペアリングは可能。その場合は、電源ボタンを2秒長押ししてペアリングモードに入れた状態で、端末側からBluetooth接続を試みればOK。


なお、iRoarはBluetooth機器を2台まで同時に接続することが可能。高音質での伝送が可能なaptX、さらに上位規格のaptX Low Latencyに対応し、AACコーデックもサポートしているので、音質のスペックに心配はなさそう。

ペアリングが完了して接続後は、iRoar側からスマートフォンの再生や曲送り・戻しなどの操作を行うことが可能です。


スマートフォンを接続して、非圧縮・圧縮音源などいろいろな楽曲を再生してみました。まず「おっ」と思わされるのが、本体のサイズからくる予想を上回る低音のボリューム感。重低音とまでは行かないまでも、音楽を迫力ある状態で楽しむには十分な低音が再生されるので、よほど激しい音圧を求めない限りは十分以上と感じる人が多いはず。一方でよく聞き込んでみると、やはり本体サイズの制約のためか、もう少し下の方まで伸びて欲しい低音に届いていないと感じる瞬間や、特に低音を豊かに含む楽曲の場合には低音がモコモコとユルく感じてしまう場面も。また、人によってはもう少し高音域にきらびやかさが欲しいと感じる人もいそう。ただし、これは細かい目線で聞き込んだ上での感想なので、特段のこだわりなく手軽に迫力のある音楽を楽しみたい場合には十分なスペックを備えていると言って問題なさそうと感じました。


◆低音を補強するドッキング型サブウーファー「iRoar Rock」
「やっぱりもう少し低音を……」と言う場合は、別売りのドッキング型サブウーファー「iRoar Rock」を導入すればOK。


パッケージの中にはiRoar Rockとマニュアル類、そして地域別にプラグ形状が異なる電源コードが6本入っていました。


世界どこでも使えるのは心強いのですが、「日本でしか使わないよ」という人だと持て余してしまいそうな電源ケーブル。


iRoar Rockは前面に3.75インチドライバーを搭載し、向かって右側面には低音用のバスポートを配置。サイズは約245×160×150mmで、重量は約2.4kg。


天面にはプラスチック製の保護カバーが付けられているので、これを外すと……


iRoarとドッキングするための端子が現れました。表面はソフトなラバーでコーティングされているので、キズの心配や振動によるガタゴト音の発生も心配なさそう。


右側面のバスポートと、背面の電源まわり。電源用コネクターとスイッチだけというシンプルさ。


左側面には何もなし。


底面にはモデル名の表記など。


使い方は非常に簡単。電源ケーブルを差し込み、電源を入れ……


上からiRoarを載せるだけ。


あとはiRoarが接続を認識して、中低音はiRoar Rockのドライバーが担当するように切り替わります。高音域は元どおりのままiRoar本体が再生している模様。また、ドッキングすることでiRoarのバッテリーが充電されるようになっています。


iRoar Rockを接続した状態で先ほどと同じ楽曲を聴いてみると、明らかに厚みを増した低音のパワーを感じます。特にロックやファンク、ポップスといったジャンルは文句なしに迫力を楽しむことができそう。また、クラッシックの曲を再生した時にも、地をはうようなコントラバスの低音とホールの響きを感じることができたので、再生能力は高め。一方で、低音の周波数特性に若干のバラつきがあるのか、細かな響きを聞き込んでしまうジャズやアコースティック系では、楽曲によってはベースの音程が聴き取れない場合もあったのも事実。とはいえ、この大きさのドライバーでは動かせる空気の量も限界があるので、そこまで求めるのはお門違いというもの。このスピーカーが本領を発揮しそうな、自宅で手軽に音楽を楽しみたいときや、友人たちが集まってパーティーを楽しむときのBGM再生などのシチュエーションにぴったりと言えそうです。


◆iRoarが簡易PAシステムになるワイヤレスマイク「iRoar Mic」
そんなiRoarの使い方を象徴していそうなのが、Bluetoothで接続してワイヤレスで使えるマイク「iRoar Mic」。


iRoar Micは小型のリモコンのような形状で、上部にマイクユニットを搭載。


そのままマイクとして使えるほか、ミニジャックで音楽を入力することで、音楽と声がミックスされた状態でワイヤレス転送したり、マイク入力端子に外部マイクを接続することで高品位な音声を転送することも可能。


この機能を使えば、再生中の楽曲にあわせてカラオケを楽しんだり、ミニイベントの際のマイクとして使うこともできそう。そういった意味で「簡易PA」という使い方ができそうなわけですが、ワイヤレス転送のため、どうしてもある程度の遅延が避けられないのは仕方がないところなのかも。


◆さらなる迫力を求めてiRoarの2台使い「MegaStereo
1台だけでもかなりの迫力を楽しめるiRoarですが、別売のケーブルを使うことで2台のiRoarを接続してパワーとワイド感をプラスすることも可能。ということで、2台のiRoarとMegaStereo ケーブルを用意しました。


接続は非常に簡単で、音源と接続しているiRoarの端子にMegaStereoケーブルの白い方を挿し、もう一方に赤い方を挿すだけ。この接続を行うことで、元は1台で再生されていたステレオ音声が2台のiRoarに振り分けられるようになります。


再び試聴用の曲を流してみると、やはり1台の時とはまったく異なるワイド感を味わうことができます。1台でも驚くほどの広がりが感じられたiRoarでしたが、2台使いにすることでさすがに別レベルの音像が広がります。


iRoar Rockを追加することでワイド感に迫力をプラスすることも可能。1台だけでも高いレベルで音が楽しめるiRoarでしたが、こんなふうに拡張していけるというのも魅力と言えるのかもしれません。


これら音質面の特長の他にも、iRoarはスマートフォンのアプリで音質やエフェクトを細かく調整できる機能や、電話通話機能など多くの機能を搭載しています。iRoarはクリエイティブストアなど販売店を限定する形で販売中。クリエイティブストアでの価格はiRoarが税抜4万6800円、iRoar Rockが税抜1万7800円、iRoar Micが税抜9800円となっています。

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in レビュー,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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