デザイン

建築家ザハ・ハディド氏が手がけた未完の奇抜な建築まとめ


2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる予定の新国立競技場の旧デザイン案に選ばれ、日本でも一躍名前が知られることになったザハ・ハディド氏は2016年3月31日に心臓発作で亡くなりました。ザハ氏が手がけた建築の多くは曲線を多用したり、屋根や外壁が特徴的だったり奇抜なデザインになっていて、コンペで優勝しても建築されなかったものも多くあり、デザイン関連のメディア・Curbedがザハ氏による未完の建築をリストアップしています。

A Complete List of Zaha Hadid Architects's Unbuilt Designs - Curbed
http://www.curbed.com/2016/4/5/11374296/zaha-hadid-architects-unfinished-unbuilt-design

なお、作品の並んでいる順番は完成予定の早い順となっており、カッコ内の数字は完成予定年になります。

◆サレルノのフェリー・ターミナル(イタリア・サレルノ 2016)
サレルノのフェリー・ターミナルは記事作成時点で建設中で、2016年4月末にオープン予定とのこと。固い殻で水を閉じ込めるというデザインコンセプトです。


◆ポートハウス(ベルギー・アントワープ 2016)
アントワープに建設中のポートハウスは、「Hansa House」という歴史的建設物の上にダイヤモンドをイメージしたオブジェクトがつけられています。なぜ、ダイヤモンドなのかというと、アントワープは世界でも有数のダイヤモンドの取引量を誇る都市だからです。


◆キング・アブドゥッラー石油調査研究センター(サウジアラビア・リヤド 2016)
キング・アブドゥッラー石油調査研究センター(KAPSARC)の本部として建設中の建物は公式に竣工が発表されましたが、実はまだ完成間近という状態。角張ったクリスタルのような真っ白な外壁が特徴です。


◆ロンドン科学博物館の数学ギャラリー(イギリス・ロンドン 2016)
大学時代に数学を専攻していたザハ氏は、ロンドンにある科学博物館の数学ギャラリーを手がけています。子どもの勉強意欲をわかせるスペースになっているという数学ギャラリーは、2016年中にオープン予定です。


◆キング・アブドゥッラー新金融地区駅(サウジアラビア・リヤド 2017)
リヤドの地下鉄で建設中のキング・アブドゥッラー新金融地区駅は、駅だけでなく商業施設も多数入るとのこと。編み目のような模様の大きな窓がすごいインパクトです。


◆南京国際ユース文化センター(中国・南京 2017)
2棟の高層ビルと5階建てのカンファレンスセンターからなる南京国際ユース文化センターは2017年に完成予定。


◆シティ・オブ・ドリームズ ホテル&リゾート(中国・マカオ 2017)
カジノ・ゲームセンター・屋上プール・レストランなど複合アミューズメント施設を備えたシティ・オブ・ドリームズ ホテル&リゾートは2017年に完成予定です。


◆ウエスト28番街(アメリカ・ニューヨーク 2017)
ニューヨークのウエスト28番街に建設中のコンドミニアムは、ザハ氏にとって初めてのニューヨークのプロジェクト。2017年に完成予定のコンドミニアムは外壁と曲線とガラスが多用されています。


◆モンテレイの集合住宅(メキシコ・モンテレイ 2018)
モンテレイの集合住宅はプールや公園を完備した集合住宅で、部屋が1000戸以上あります。当初は高層ビルを複数立てる予定だったのですが、ザハ氏の案で上から見ると蛇のような建物に変更されました。


◆ワン・サウザンド・ミュージアム(アメリカ・マイアミ 2018)
ザハ氏が初めて手がけたコンドミニアムの高層住宅「ワン・サウザンド・ミュージアム」は62階建てで、2018年に完成予定です。


◆北京大興国際空港(中国・北京 2019)
北京大興国際空港は完成すれば世界最大の空港ハブターミナルになる見込みです。発着ゲートが放射線状に伸びる形状は、利用客の行き来がスムーズになり、より多くの航空機の発着を可能にするとのこと。


◆ワンノース地区(シンガポール 2021)
シンガポールのビジネスエリア・ワンノース地区のマスタープランはザハ氏が若かりし日にデザインしたプロジェクトで、ザハ氏の建築家としての才能を世界に知らしめたものでもあります。


◆シティ・ライフ地区(イタリア・ミラノ 不明)
25万5000平方メートルにもなるミラノ国際見本市会場跡地の大再開発プロジェクト「シティ・ライフ」はザハ氏がけん引していました。画像は「The Twisted One」というねじ曲がったような形状のビルになっています。


◆エレフセリア・スクエア(キプロス・ニコシア 不明)
キプロスのニコシアでは、エレフセリア・スクエアという広場の建設計画が進んでいますが、工期やコストが当初より大幅に増えたことが議論を呼んでいる最中とのこと。


◆イェーゾロマジック(イタリア・イェーゾロ、不明)
ショッピングセンターとして2010年からプロジェクトが進められていたイェーゾロマジックですが、いまだに着工されていません。


◆ナポリ-アフラゴナ高速鉄道駅(イタリア・ナポリ、不明)
ナポリ鉄道駅を大幅にリフォームする計画はザハ氏のデザイン案が2003年に決定したものの、着工は延期されている状態。


◆リーザソーホー(中国・北京 不明)
リーザソーホーは46階建てのビルですが、外壁は裂けたように内部が見えるデザインになっていて、また、内部は吹き抜けが1階から46階までをぶち抜いています。完成すれば、世界で最も高い吹き抜けになるとのこと。


◆キャピタル・ヒル・レジデンス(ロシア・モスクワ 不明)
キャピタル・ヒル・レジデンスは個人の邸宅として建築中で、そもそものプロジェクトは10年前から始まっています。潜水艦のような見た目の建物です。


◆ラバト・グランド・シアター(モロッコ・ラバト、不明)
これぞザハ氏というような曲線を多用したラバト・グランド・シアターは、1800人収容できる劇場ですが、2010年からプロジェクトはストップしている状態です。


◆オーパスタワー(アラブ首長国連邦・ドバイ 不明)
真ん中がくりぬかれた形状をしているオーパスタワーは何年も前から計画が進んでいませんが、完成を諦めたわけではないとのこと。


◆国際文化芸術センター(中国・長沙市 不明)
国際文化芸術センターは2013年にデザインプロポーザルが出されたものの、その後の詳細な計画は進んでいないようです。


◆淡江大橋(台湾・台北 不明)
台北の郊外を流れる淡水河の河口に建設予定の橋は920メートルにも及びます。デザインコンペは2015年夏に行われたばかりなので、そろそろ具体的な情報がでてきてもよさそうです。


◆ソロサウレ地区(スペイン・ビルバオ 不明)
ソロサウレ地区の再開発計画はザハ氏により2007年に基本計画が策定されましたが、2016年現在着工されていません。


◆ビルバオ・ビスカヤ・クチャ(スペイン・ビルバオ 不明)
ビルバオ・ビスカヤ・クチャ(通称:BBK)はソロサウレ地区の再開発計画の一環として計画されている建物です。


◆カルタル地区(トルコ・イスタンブール 不明)
ザハ氏が2006年にコンペで優勝したカルタル地区の都市開発プロジェクト。


◆イラク中央銀行・イラク国会議事堂(イラク・バグダッド 不明)
ザハ氏の故郷でもあるイラクに計画中の2つの建物は、イラクの情勢が不安定であるため着工が進められていません。イラク中央銀行は、もともとあった建物が自爆テロで破壊されたとのこと。


◆アル・ワクラ・スタジアム(カタール アル・ワクラ 不明)
2022年のFIFAワールドカップで使用されるカタールの新スタジアムがアル・ワクラ・スタジアムですが、建てるのが困難な形状や建設時における強制労働などが問題視されています。


◆グレースオンコロネーション(オーストラリア・ブリズベン 不明)
ブリズベンに建設中の3棟のタワーマンション。


◆マリナーズコーブ(オーストラリア・ブリズベン 不明)
2015年にデザインプロポーザルが提出されたばかりのマリナーズコーブは、マンションとホテルが一緒になった建物です。


◆資料センター(カンボジア・ブノンペン 不明)
約43億かけて建設されるというブノンペンの資料センターは、財政が安定しないカンボジアにとって大きな賭けになると見られています。


◆キュールノヴァ市再開発(スロヴァキア・ブラチスラヴァ 不明)
複数の高層ビルや公園建設するキュールノヴァの再開発計画。


◆コリンズ・パーク・プレイス(アメリカ・マイアミ 不明)
大型の駐車場のコリンズ・パーク・プレイスは、増え続けた総工費に対して市職員から建設に反対の声があがっているそうです。


◆Bee'ah(アラブ首長国連邦・シャールジャ 不明)
シャールジャにある中東環境会社「Bee'ah」の本社施設は砂漠のど真ん中に建つ予定。


◆カーサ・アトランティカ(ブラジル リオ・デ・ジャネイロ 不明)
12階建ての高級住宅のカーサ・アトランティカは屋上にプールを配したマンションで、完成すればブラジル初のザハ建築になります。


◆シャルトル展覧会場(フランス・シャルトル 不明)
シャルトル郊外にザハ氏の大型展覧会場の建設が予定されていましたが、予算の問題で建設計画は頓挫しているそうです。

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in デザイン, Posted by darkhorse_log

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