MicrosoftがiOS/Android/Windows/Macアプリの並行開発を可能にする「Xamarin」の買収を発表

Microsoftがモバイルアプリ開発向けのプラットフォーム提供企業の「Xamarin(ザマリン)」を買収することを発表しました。これにより、Windowsのプラットフォーム上でAndroidおよびiOSのアプリを実行させるための環境作りが加速することになりそうです。

Microsoft to acquire Xamarin and empower more developers to build apps on any device - The Official Microsoft Blog
http://blogs.microsoft.com/blog/2016/02/24/microsoft-to-acquire-xamarin-and-empower-more-developers-to-build-apps-on-any-device/

A Xamarin + Microsoft Future | Xamarin Blog
https://blog.xamarin.com/a-xamarin-microsoft-future/

ScottGu's Blog - Welcoming the Xamarin team to Microsoft
http://weblogs.asp.net/scottgu/welcoming-the-xamarin-team-to-microsoft

Microsoftでクラウド/エンタープライズグループの上級副社長を務めるスコット・ガスリー氏は現地時間の2016年2月24日、Xamarinの買収に向けてMicrosoftが最終的な調整段階に入っていることを自身とMicrosoftの公式ブログで明らかにしました。ガスリー氏はこの買収について、Microsoftが目指しているデベロッパーに対する環境作りとイノベーションを可能にするための取り組みの一環であるとしています。

Xamarinは、Android・iOS・Windows・Mac OS Xという複数のプラットフォームにまたがる開発(クロスプラットフォーム開発)を可能にする「Xamarin Platform」などのサービスを提供する企業。従来はプラットフォームごとの開発が必要で、移植する際にも多くの手間と時間が必要とされたクロスプラットフォーム開発の難点を解消できるサービスということで、世界中の企業を顧客に抱えています。

Mobile App Development & App Creation Software - Xamarin
http://xamarin.com/

Xamarinのサイトに掲載されているカスタマーリストだけでも、サーモフィッシャーサイエンティフィック・世界銀行・ゼンハイザー・Microsoft・ダウジョーンズなど、多くの人が1度は聞いたことがある企業名がズラッと並んでおり、フォーチュン500社の中でも100社以上がXamarinの顧客であるとのこと。全世界120か国で1万5000以上の顧客を抱えている企業です。

そのメリットは、なんといっても複数のプラットフォームで動作するアプリの開発が容易になること。Visual Studio 2015と統合可能なXamarinプラットフォームを使えば、開発言語「C#」を使ってiOS、Android、Windows、Macで共通して動作するアプリの開発が可能になります。

Xamarinのサイトでは、Objective-CやSwift、Javaで行っていることは全てC#でできるとして「C#はモバイルアプリ開発においてベストな言語です」とC#のメリットを語っていました。

各プラットフォームで動作するアプリケーションの大部分を共通するC#のコードで作成し、最後にそれぞれ特有の部分を仕上げれば、クロスプラットフォーム開発を少ない手間で実現できるというわけです。

MicrosoftがXamarinを買収したことで今後どのような戦略が採られるのかは、Microsoftが2016年3月30日から開催する年次開発者会議「Build 2016」の場でさらに発表されることになりそう。MicrosoftではかねてよりWindows 10にAndroid・iOS向けのアプリを移植可能な技術を発表していたこともあり、今後の戦略に注目が集まりそうです。

Windows 10へAndroid/iOS向けのアプリを簡単に移植できることが明らかに - GIGAZINE