ひまわり8号の高精細画像で太陽や台風の動きをヌルサクで見ることができる「Glittering Blue」がすごい
従来から大幅に性能アップしたカメラを搭載する気象衛星「ひまわり8号」は地球の様子を非常に精細に捉えることが可能で、異様にぬるぬる動く台風の様子など、生きているように変化する地球表面の姿を見せてくれるようになりました。そんなひまわり8号が捉えた映像をつなぎ合わせ、1日の流れを7200倍という速さで見ることができるタイムラプス映像が、サイト「Glittering Blue」で公開されています。
Glittering Blue
https://glittering.blue/
上記のサイトを開くと、最初はこのようなアーチ状の表示が出て「あれ?」と思うことになると思いますが、ページを思いきって縮小すると……
このような地球の姿が表示されました。画面の中心上部には日本列島の姿が見えています。以下の画像は静止画になっていますが、実際のサイトではぬるぬると雲が動いたり、ものすごいペースで昼と夜が入れ替わる様子を見ることができます。
この映像は、ひまわり8号が撮影した高精細・高頻度の画像をつなぎ合わせてタイムラプス動画にしたもので、12秒サイクルで1日が過ぎるスピードで再生されているそうです。
その様子を順番に見るとこんな感じ。真っ暗闇の中で、東の方角が三日月状に明るくなり、徐々に日が明けて行きます。海面に反射してオレンジ色に光る太陽光がとてもキレイ。
そのまま東から西へと地表が明るくなり、日本が位置する部分も昼間の時間帯に。日本の南の沖合には台風の姿も見えています。この映像は2015年8月5日の1日を収めたもので、映っている台風は台風第13号だそうです。
そのまま太陽は西へと進み、日本はそろそろ正午から夕方にかけての時間帯に。南半球で真っ赤に輝くオーストラリア大陸の姿が印象的。そしてオーストラリア大陸、デカい。
ほどなくして日本を含むアジア地域は夜の状態に。「都市の夜景は見えないんだろうか?」と思う人もいると思いますが、ひまわり8号のカメラは昼間の様子を撮影するように調整されており、夜景を撮影するためには作られていないので、建物の明かりなど非常に暗い光を撮影することはできないそうです。
このサイトを作ったのは、衛星画像解析を専門としているCharlie Loydさんです。Loydさんはこのコンテンツを週末の趣味の一環として製作したそうです。
映像は、ブラウザの表示縮尺を変えることで拡大・縮小が可能です。日本部分をアップにするとこんな感じ。日本列島の大部分は晴れていますが、東北から北海道にかけての地域は雲に覆われている模様。
台風13号のアップ。この画像は台風に対して太陽が東(画像では左)に位置している状態なので、雲の影が凹凸を非常によく見せてくれています。このレベルの画像を動く状態で見ることができるというのは本当にすごい。
東シナ海とインドシナ半島あたりのアップ。ベトナム沖の海面に太陽が反射して明るく輝いています。映像では、このように海面に輝く太陽が東から西へと移動する様子も手に取るようにわかります。
太平洋に日が昇る様子。地球レベルで見ると、雲ってこんなに低いところを浮かんでるんだなぁとしみじみ感じてしまう画像です。
台風に向かって渦を巻く雲の様子も手に取るように。
南極圏の雲の様子を見るのもなかなか興味深いもの。大きくうねるように渦を巻く気流の様子を目の当たりにします。
北極圏の様子は比較的見慣れたものかも。まるで決められたルートをたどるように動く雲や空気の流れは、ずっと眺めていても飽きることがありません。
このように、「Glittering Blue」は興味深い地球の1日を手に取るように見せてくれています。地球のスケールを感じながら眺めると、いつまででも見ていられそうな映像になっていました。
なお、このページを作るためのソースコードは、以下のGitHubのページで公開されています。
A way to make Himawari-8 animations · GitHub
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