Amazonが自社向けに開発を進めてきた独自のプロセッサを販売
By Viaggio Routard
Amazonは自社ブランドからタブレットや電子書籍リーダーなどさまざまな製品を販売していますが、新たにコンピューター用のプロセッサを販売することが明らかになりました。
Amazon to Sell Its Own Brand of Chips Next to Wipes, USB Cables - Bloomberg Business
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-01-06/amazon-to-sell-its-own-brand-of-chips-next-to-wipes-usb-cables
Amazonの子会社であるアンナプルナ研究所は、2016年に入ってから「Alpine」と呼ばれるプロセッサのラインナップを発表しました。これはメーカーやデータセンターのオペレーター向け製品とのことです。「Alpine」はARMアーキテクチャで設計されたもので、Wi-Fi受信やムービーのストリーミング再生を行えるように想定されたもの。小さなIoT製品に安価で組み込むためのものだそうです。
このAmazonの新しい挑戦は、データーセンターのインフラ周りで絶大な支配力を誇るIntelへの挑戦である、と海外ニュースサイトBloomberg Businessは記しています。実際、AmazonのAlpineはIntelのライバルであるARMのアーキテクチャを使用したものです。
By Clive Darra
なお、Intelのサーバーチップの全世界シェアはなんと99%にも達しており、Intelのデータセンター関連ビジネスを取り仕切るダイアン・ブライアント氏は「ARMベースのサーバーは顧客が価格交渉に使用するツールとして脅威になっている」と余裕の口ぶり。実際、世界のデーターセンターで使用されているサーバーチップの残り1%のうち、ARMはわずか0.1%しかシェアを得られていません。
By Intel Free Press
2015年1月、Amazonは自社サービスの「Amazon Web Services」などで使用するクラウド・コンピューティング用ユニットを開発するためにアンナプルナ研究所を買収。Amazonは半導体エンジニアを雇用し、独自設計で自社サービスなどで使用するためチップを開発してきました。そして、その成果ともいえる「Alpine」を本業のAmazon.com上で販売することが明らかになりました。
ただし、「Alpine」は現在のところAmazon.com上で直接購入することはできない状態。アンナプルナ研究所は「『Alpine』はIntelがサポートしているような高価なサーバーではなく、サーバー市場の隅にいるようなローパワーなコンピューターのために設計されたものです」とコメントしています。しかし、Synology、ネットギア、ASUSなどがアンナプルナ研究所の開発した技術を使用している、とアピールしています。
さらに、アンナプルナ研究所は「Alpine」の顧客がチップを独自に改良したり拡張したりできるように、ハードウェア開発キットを販売する予定であることも明かしています。
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